
激闘のブラジル・ダービーでRound16開幕
Round16の幕開けを飾るのはブラジル・ダービー。今大会初の同国対決からノックアウトラウンドはスタートする。テレスのドリブルを止めたお返しと言わんばかりに、リオスにバルボサがハードタックルをかまして大揉めの立ち上がりとなる。
中盤ではハードなタックルの応酬となった展開のため、打開はサイドに集約。アルトゥール、エステバンといった選手を軸にボックスに迫っていく。
より存在感があったのはエステバンの方だろう。サイドからのタメを使いながら追い越したりマイナスを作ったりなど自在。若きドリブラーに合わせる形でチームの攻撃がきっちりと設計されていた印象だ。ややCHのプレスが甘かったところも、エステバンへのパルメイラスの供給ルートを安定させる一因になったと言えるだろう。
ボタフォゴはここまでのラウンドで見せた攻撃の良さが鳴りを顰めてしまった印象。しつこいくらいいちいち前線が落ちて受けることでカウンターのルートを確保していたのがこれまでのボタフォゴだったのだが、アバウトなロングボールに終始して、ボールの繋ぐところに難が出てしまった印象だ。
右サイドが攻撃のきっかけにはなっており、こちらのサイドではローテからズレを作りつつ、奥に入り込んでボックスに迫る一連の動きはできていた。だが、頻度の点ではパルメイラスに軍配。リオスの豪快なミドルなど、エステバンがサイドで使ったスペースを活かす手段にも明るかった。激しい試合は両雄一歩も引かず、スコアレスでハーフタイムを迎える。
後半もペースはややパルメイラス。ボタフォゴのアバウトなロングボールを食い止めると素早くカウンター。アランのボール奪取をチャンスに繋げる。エステバンは後半も躍動。もったいないオフサイドはあったが、強気なミドルなど攻撃を切り開く意思を見せていた。
後半の中頃の時間は一進一退の攻防。前線の入れ替えからパルメイラスはチャンスを探り、ボタフォゴは要人を変えない形。優位だったのはフレッシュなパルメイラス。だが、ボタフォゴも最後のプレスは間に合っており、なかなか得点までは辿り着けない状況だった。
均衡した試合は延長戦に決着。右サイドからのパウリーニョの一撃で均衡を破ったのはパルメイラス。以降はローブロックでゲームクローズ。ホアキン・コレアの突破などボックス内に迫るボタフォゴを跳ね返していく。最後は10人に陥ったがなんとか意地を見せてリードを守り切ったパルメイラス。同郷のライバルを蹴散らしてベスト8にコマを進めた。
ひとこと
いかにもブラジル・ダービー。見応え十分だった。z
試合結果
2025.6.28
FIFA Club World Cup
Round 16
パルメイラス 1-0 ボタフォゴ
リンカーン・フィナンシャル・フィールド
【得点者】
BCP:100′ パウリーニョ
主審:フランソワ・レテキシエ