
全てが理想的なチェルシー
Round16ではベンフィカとのUCLっぽいマッチアップを制したチェルシー。だが、ここからはクラブW杯が本格化。ブラジル勢のパルメイラスが準々決勝の相手であり、その先もフルミネンセとアル・アハリの勝者とファイナルまでは欧州勢ではないチームと戦うというクラブW杯満喫コースが始まる格好だ。
序盤からボールを持つのはチェルシー。ククレジャがインサイドに入る3バックにシフトし、3-2-5を形成。CHは固定の2を形成し、グストはややフリーマン的に動いていく形。3バックでパルメイラスのSHを釣り出すなどプレスを縦に揺さぶりながら、楔を差し込むスペースを探っていく格好だ。
先制点はこの形から。ライン間に入っていくパーマーにチャロバーが素晴らしいタイミングでパス。ボールの置き所が完璧だったパーマーは滑らかに前を向いて見事に左足を振る。
高い位置からの捕まえどころがなく、ロングカウンターベースの立ち上がりとなったパルメイラス。左に流れるハッキ、右のエステヴァンなど勝負できるポイントはそれなりにあったが、個人で打開し切るにはチェルシーの守備陣はレベルが高い。
失点以降は保持で落ち着きながらボールを動かしていたが、中盤で止められるなど前進がスムーズとはいえず。サイドから安定したチャンスメイクを行っていたチェルシーが優勢のまま進む。
パルメイラスは右サイドのエステヴァンが対抗。逆サイドのヴァンダーランのフリーランで合わせる場面もあったりなど、チェルシーのバックラインを脅かす場面はあった。
しかし、チェルシーのバックラインが仕掛けるオフサイドトラップにはやや苦戦。セットプレーも含めてオフサイドでなかなか有効打を打ち切ることはできなかった。
だが、後半にエスタヴァンは大仕事。右サイドの角度のないところからニア天井を撃ち抜いて貴重な同点ゴールをもたらす。
チェルシーは交代選手からテンポを取り戻す。前線で起点になるジョアン・ペドロ、左サイドから縦に突破するマドゥエケからチャンスメイク。パルメイラスもパウリーニョの投入から左サイドを活性化し互いにゴールの可能性が高まる終盤に。
だが、得点シーンはあっけなく。グストのシュート性のボールの軌道がやや変わったところにGKは反応できず。貴重なゴールをチェルシーは手にする。
このゴールでチェルシーは逃げ切りに成功。エステヴァンの可能性と勝利という最高の結果でチェルシーは準決勝に進めることとなった。
ひとこと
チェルシーはメンバーも入れ替えていたし、相手のエステヴァンは良さそうだしと理想的な結果と内容だったと思う。
試合結果
2025.7.4
FIFA Club World Cup
Quarter-final
パルメイラス 1-2 チェルシー
リンカーン・フィナンシャル・フィールド
【得点者】
PAR:53′ エステヴァン
CHE:16‘ パーマー, 83′ ウェヴェルトン(OG)
主審:アリレザ・ファガニ
