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「真の後半戦スタート」~2025.7.16 天皇杯 3回戦 川崎フロンターレ×SC相模原 プレビュー

目次

Fixture

天皇杯 3回戦
2025.7.16
川崎フロンターレ
×
SC相模原
@等々力陸上競技場

予想スタメン

予習

第18節 沼津戦

第19節 岐阜戦

第20節 福島戦

準備中

展望

2つのシステムに異なる顔が見える

 ユース昇格から徐々に成長し、最終的には川崎のDFラインを背負って立つ存在となった高井をロンドンに見送った鹿島戦から10日あまり。少しの休息を経て、事実上はここからが川崎の後半戦のスタート。高井がいなくなった方の半年と向き合っていく必要がある。そんな初戦は天皇杯から。2回戦で破った福島に続き、3回戦も同じくJ3に属する相模原との一戦だ。

 相模原は現在J3では16位。10位の福島に比べてもさらに下の順位でここまでを過ごしている。直近5試合のリーグ戦では1勝だけ。3試合は無得点と1試合平均1.0の得点数がトップハーフとのスタッツの最大の違いとなっている。

 フォーメーションは予習した3試合は全て5バック。5-3-2もしくは5-4-1を併用している。システムの性格は5-3-2と5-4-1でかなりちがう。これはシステムの話なのか、あるいはトップにエースのフルタードがいるかいないかがトリガーなのかは不明である。

 特に違いが見えるのは守備。フルタードがいる時は5-3-2が採用されており、前からのプレスは控えめでミドルゾーンに構えていく。フルタードがいない時には5-4-1を採用。こちらはマンツーでより前からはめていこうとする姿勢が強いものだ。今の所、チェックした試合ではフルタードの在不在とフォーメーションはほぼ連動している。

 個人的には守備は5-4-1の方が強度が高くて好印象。マンツーというのはリスクも大きいが、逆にいうと5-3-2はバランスの取り方に苦慮している印象。5-3-2の2トップを務める武藤とフルタードは相手の中盤をマークして欲しいのだが、やや間延びして自軍のFW-MFのライン間を開けてしまう傾向が強い。

 5-3-2の場合、サイドに追い込めば活路が見える。IH、WBと連携しつつ縦を塞ぎ、中央に差し込んだところをアンカーの島川が刈り取るという形がメイン。ボールを奪いさえすれば、武藤とフルタードの2トップは協力。起点となれる島川、武藤からサイドからのファストブレイクで押し下げて、最後はボックス内でフルタードが仕上げるというのが青写真だ。

 つまり、守備の強度としては5-4-1の方が高いが、奪った後の攻撃の接続は5-3-2の方が優れているというのが相模原の現状。フルタードに関しても守備の強度面では怪しさはあるが、攻撃に転じたところでの頼もしさは明らかに段違い。ただし、フルタードは週末の福島戦はベンチ外となっており、フルタードの起用に選択の余地があるのかが不明である。

 保持に関してはあまりフォーメーションの違いは感じない。前線はフルタードの有無に関わらず、タワー型の前線にボールを当てる形がほとんど。ここにボールを当てるところから始まり、タメを効かせてWBのオーバーラップを促し、クロスで仕留める形が最も多い。人数をかけずに相手のブロックが整う前に仕留める形が得意だ。

 押し込む際にはワイドのCBのピトリックのキャリーや対角パスなどが効いてくる。セットプレーではキック直前にニアサイドにポジションを取り直すCBに常田のフリックからファーを狙う形がパターン化しており、この点にも警戒は必要だろう。

左サイドのポイント作りを押さえられるか

 単純にフルタードがいる場合といない場合で攻略の方法は変わってくる。特に保持においては影響は大きい。5-3-2でミドルブロックを組む場合、これはじっくりとショートパスから動かしていきたいところ。上の項でも述べたが、FW-MF間をコンパクトに組むことができないので、川崎はこのゾーンから前を向くことができる。

 というわけで5-3-2で相手が来た場合は狙うべきはまずはCHが前を向く形を作ること。CBラインは確実にリーグ戦では馴染みのない組み合わせになるが、ここが我慢できずに蹴ってしまったり、あるいはミスからあっさりと捕まってしまうと、一気にひっくり返されてしまう。

 サイドにボールをつける場合は圧力を高めるために前方にスライドしてくる島川の背後を取れるかどうかがポイントになる。この島川のところでボールを取れれば相模原のチャンスになるし、逆に取れなければスカスカの中盤を川崎が簡単に壊すことができるチャンスとなるだろう。

 マンツーでのハイプレスに来た場合は前線に解決策を見出すことができるかがポイントになるだろう。ロングボールを収めることができるCFがいるか?という視点も当然大事だが、相模原のDFでややハイラインを敷く際に怖いポイントとなりそうなのは、右のCBのピトリック。後方へのランの対応は怪しく、福島戦では川崎も苦しんだ森との駆け引きに敗れ、背後を一気に取られてピンチに陥っている。宮城、マルシーニョなどの左WGの背後へのランはマンツーにおける解決策としたい。

 個人的には即席感が強いDFラインで下手に繋ぐアクションにこだわると、あっさり捕まる可能性があるので、そこのあたりはバランスを見ながらやっていきたいところかなと思う。少なくとも、逃げ場としてロングボールを活かせるマッチアップを作ることはやっていきたい。

 非保持面ではきっちりとキーマンを収めること。大きな展開ができそうなポイントはトランジッションの島川、カウンターの武藤、キャリーするピトリックなど狙いは絞りやすい。キーマンを潰すことを念頭において受け渡しの重要度を変えて、相手の攻撃が効率よくスピードアップすることを防ぎたい。

 ただでさえ苦戦する天皇杯は高井がいなくなり前半からバタバタする可能性がそれなりに高いと踏んでいる。それでも後半戦はまずはこのメンバーで戦わなくてはいけない。ACLがなくとも国内のカップ戦とリーグ戦を合わせれば十分にカレンダーは過密。誰が出ようと成果は必要だ。真の後半戦のスタートをどのように切れるか。重要な一戦を迎える。

【参考】
transfermarkt(
https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(
https://soccer-db.net/)
Football LAB(
http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(
https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(
https://fbref.com/en/)

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