
苦しい展開のワンチャンスをいかす
まずは長いボールからチャンスを探っていく両チーム。前節はハットトリックの大暴れを見せたフルタードへのロングボールから相模原は突破口を探していく。
しかし、先制したのはホームの岐阜。右サイドから一気に抜け出した西谷が上げたクロスから佐々木がフィニッシュ。わずか6分で先制点を奪い取る。
以降も岐阜はポゼッションでボールを動かしていく。相模原の2トップの脇から起点となり、3バックを基調としてショートパスから組み立てていく。
一方的にボールを持ちながらピッチを広く使って攻略していく岐阜。時には得点に繋がった右サイドの西谷の裏抜けからチャンスを広げていこうとするなど、緩急をつけたリズムで相模原を攻め立てていく。
相模原はフルタードめがけたロングボールや、高野のオーバーラップを生かしたファストブレイクなど、手数の少ない攻撃にシフトする。しかし、その状況からもなかなか陣地回復はできず。岐阜のポゼッションに押し込まれる形で苦しい展開となってしまう。
一方の岐阜は押し込みながらも左SHの粟飯原のポストを起点に文仁柱の追い越すアクションを使うなど、ブロックを崩すための揺さぶりも会得。前半はスコアだけでなく、内容も岐阜が有利なままハーフタイムを迎える。
後半の立ち上がりはロングボールを生かしたトランジッション合戦。粟飯原、フルタードといった前半に目立ったタレントを生かす形で様子を伺っていく。
それでも優勢だったのは岐阜の方か。特に1列前に進撃するライン間の箱崎からの前線へのラストパスは秀逸。攻撃をきっちり仕上げるルートをポゼッションから見つけるなど、相模原の中盤に対して先手を打つ。
しかし、60分を境にポゼッションを回復した相模原。徐々に押し込む時間帯を増やしていくと、ピトリックの対角フィードから抜け出した前田が同点ゴール。交代選手が見事な駆け引きから試合を振り出しに戻す。
この前田のロングボールの引き出し方は非常に効いていた。やや手前手前になりがちだった相模原の組み立てのいいアクセントになっていたと言えるだろう。
終盤は交代した選手を軸としたオープンな裏抜け合戦と化したこの試合。しかし、試合を決める決勝ゴールは生まれず。試合は1-1の痛み分けとなった。
ひとこと
相模原、少し苦しい展開だったが少ないチャンスをよく仕留めた。
試合結果
2025.7.6
J3リーグ
第19節
FC岐阜 1-1 SC相模原
岐阜メモリアルセンター長良川競技場
【得点者】
岐阜:6′ 佐々木快
相模原:70’ 前田泰良
主審:矢野浩平