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「無冠濃厚を避けたいもの同士」~2025.9.3 Jリーグ YBCルヴァンカップ Quarter-final 1st leg 浦和レッズ×川崎フロンターレ プレビュー

目次

Fixture

Jリーグ YBCルヴァンカップ
Quarter-final 1st leg
2025.9.3
浦和レッズ
×
川崎フロンターレ
@埼玉スタジアム2002

戦績

近年の対戦成績

直近5年間の対戦で浦和の3勝、川崎の5勝、引き分けが8つ。

浦和ホームでの戦績

直近10戦で浦和の3勝、川崎の3勝、引き分けが4つ。

Head-to-head

Head-to-head
  • 直近6試合の公式戦での対戦においては両チームともに得点を挙げている。
  • 中立地開催だったスーパーカップを除くと、公式戦直近12試合でアウェイチームに勝利がないカード。
  • 2レグ制トーナメントでの対戦は過去に5回。川崎が2回勝ち抜けした後に、浦和が3回勝ち抜け中。そのうち、3回はアウェイゴールルールでの決着となっている。
  • Jリーグカップにおける浦和戦において川崎は現在5試合連続未勝利(D3,L2)

スカッド情報

浦和レッズ
  • 安部裕葵は長期離脱中。
川崎フロンターレ
  • 丸山祐市は半月板損傷により長期離脱。
  • 大関友翔、ラザル・ロマニッチ、田邉秀斗、家長昭博は前節ベンチ外。
  • 大島僚太、車屋紳太郎は長期離脱中。
  • エリソン、伊藤達哉は前節負傷交代。

予想スタメン

Match facts

浦和レッズ
  • 直近3回のJリーグカップの準々決勝はすべて勝ち抜けている。
  • ホームでの公式戦は直近7試合負けなし(W5,D2)
  • 直近3試合の公式戦の敗戦はすべて関東のチームが相手。
  • 今季ここまでの埼スタでの引き分けはすべてスコアレスドロー。
  • 小森飛絢は加入後出場した公式戦で8試合5得点。うち、3得点は神奈川のチーム相手に決めている。
  • 渡邉凌磨はここまで公式戦8得点でチームリーダー。ホームで得点した4試合はすべて勝利している。
川崎フロンターレ
  • およそ2か月ぶりの公式戦連勝を記録中。
  • 直近4試合の公式戦で3失点以上が3回。
  • しかし、直近2試合はいずれも4得点以上を記録している。
  • 直近3試合連続で前半追加タイムにどちらかのチームに得点が生まれている。
  • エリソンは直近7試合の出場で7得点を挙げている。
  • 小林悠はこのカードにおける最多得点者(11)。

予習

第26節 名古屋戦

第27節 柏戦

第28節 新潟戦

展望

「選手層が薄い」の正体

 リーグ戦では優勝争いをしている集団のやや後ろに位置している両チーム。天皇杯でもすでに敗退が決まっており、このタイトルを逃してしまえば今季は無冠の現実味が相当色濃くなってしまうという非常に似た立ち位置同士のチームの対戦となる。

 浦和は基本的なフォーメーションは4-2-3-1。直近では一貫してこのシステムで戦っているといっていい。ボール保持においては後方のCBが大きく開きつつ、CHと連携しながらビルドアップを行っていく。SBは枚数調整感が強く、特に石原はビルドアップに関与したり、お任せして前に行ったりなどを臨機応変にしている印象だ。

 ショートパスであれば組み立ての軸となるのはやはりグスタフソン。少しでも間合いを取ることが出来ればパスを差し込むことが出来るスキルの高さはさすがである。

 ただ、このチームの肝となっているのはどちらかといえば前線のスピードを生かしたファストブレイクの方。収めて起点となるサンタナよりも、最前線は松尾が務めることが多く、基本的にはスピード勝負。彼と金子が速い攻撃を完結させる旗手となっている。

 上背があるわけではないので、単純なロングボールの競り合いであれば当然不利なのだが、松尾の場合は体を入れ替えながら対面の相手に抑え込まれない形で抜け出すところまで持って行くのが非常に得意。金子も数人に囲まれてでも強引にキープをすることが出来るスキルを持っている。彼らであればアバウトな形でもなんとかしてくれるという信頼がある。小森が異なる形で前進に寄与できるかは試されている最中といったところ。前進局面で大きな貢献ができると判断できれば、またバランスも変わってくるはずだ。

 もちろん、スピードのある選手によりきっちり足元に置いて加速することが出来ればより攻撃の機能としては期待できる。マテウス・サヴィオは彼らのスピードを生かすための動線となるパスを出すことが出来る選手だ。

 一方で相手を押し込んだ局面においてはもう一押し足りない感がある。前線のスピードを生かすという意味では相性も悪いし、サイドの攻撃の連携面でもクリーンに抜け出すところはなかなか作りだせていない。ややパンチ不足は否めないところがある。

 非保持においてはボックス内を埋めるリトリート型のチームというのがわかりやすいだろう。特にリードシチュエーションにおいては自陣PA内に8~9人を置くくらい後ろ重心。ハーフスペースの裏抜けなどに対応する中でどんどん後ろに下がっていくことでラインを下げ過ぎてしまう傾向がある。

 もちろん、そのままボックス内に突撃してくれるチームであれば人垣があることがプラスに働くこともある。その一方でミドルシュートへのアプローチに対して明らかに遅れるレベルでラインを下げてしまっているという懸念があるのは間違いない。

 ハイプレスでのギアアップもあまり得意ではない。松尾のように相手を追い込むようなプレスが得意な選手もいるが、中盤の可動域があまり広くなく、バックスも同様なので、高い位置で捕まえきれないと意外とあっさりと進まれてしまうケースも少なくはない。

 古い話ではあるが、CWCのモンテレイ戦などはこの典型でもある。失点したシュートは確かにどれもスーパーではあるが、前から深く追いに行ったせいで間延びした中盤に縦パスに通されてしまうなどプレスの綻びという前段があったのも確か。天皇杯でのマルセロ・ヒアンのゴールに関しても前からの追うアクションがハマらなかったところからの失点となってしまっている。

 要するに浦和は強度の高い守備でテンポを変えることを得意としていないのだと思う。あるいは選手交代からリズムを変えることが全般的に苦手なのかもしれない。最近たまに川崎と関係ない浦和の試合後に「選手層が薄い」と嘆くコメントが質問箱に投げられているのだけども、こうしたリズムを変えることが不得手なのではないか?というのは予習をしていて思った部分である。 

楽にするカードが何枚あるか

 町田戦は劇的な勝利であった一方で、かなり消耗戦だったのも確か。足が攣ってしまい前線に残ったファン・ウェルメスケルケンを始めとしてダメージは大きかった。未だ万全とはほど遠いスカッドにとっては中2日で迎える一戦は非常に負荷が高いものだ。ちなみに浦和は週末のリーグ戦では松尾がベンチからのスタートとなっている。

 消耗を抑えるという観点で言えば押し込みながら試合を進めるのが理想。ボールを動かしながらブロックの中を攻略する形を探っていければチャンスはありそうだ。

 キーとなるのはやはりバイタルエリアの攻略だろう。そのためにはサイド攻撃においてきっちりハーフスペースから裏を取る動きを見せることが重要。裏を取り、押し下げたバイタルから河原や橘田がミドルシュートを狙ったり、あるいは山本がFWに合わせるパスを付けたりなどいろんな方策が期待できる。

 リードをする展開になれば好調の前線にお任せするプランも悪くはない。ハイプレスに来てくれれば、中盤の切れ目からパスをつないで好調のエリソンやマルシーニョのスピード勝負が浦和のバックライン相手には分がいいと思う。伊藤達哉も含めて、前節負傷する形の選手が多かった前線のコンディション次第ではあるが、縦にシャープな形は選択肢として持っておければ楽だ。

 守備はまずはハイプレスで相手のテンポを無理に上げさせれば回収は楽。柏のプレス強度であれば、浦和はショートパスでつなぐということに関してはなかなか対応するのが難しいテンポ感。中2日で再現するのは難しいかもしれないが、局所的なプランとしてはこちらもカードを持っておきたいところ。いろいろと楽な状況を呼び込めるカードが今の川崎に何枚あるかで試合の難易度が変わってきそうだ。

 押し込むことさえできれば前線に枚数がいないケースが多い。松尾や金子はそれでも怖いが、彼ら自身以外の選択肢がない場合も少なくないので、それであればある程度最短で進ませなければOKだろう。

 町田戦ではジェジエウが頼りになるパフォーマンスであったが、稼働不安を考えれば残りシーズンで軸になるのがウレモヴィッチなのは間違いない。味方と連携しながらキーマンを囲い込み、持ち味を消す方向に持って行きたい。小森、松尾など力のある選手とのマッチアップを活用し、Jリーグを慣らす機会にしたい。

 

【参考】
transfermarkt(
https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(
https://soccer-db.net/)
Football LAB(
http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(
https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(
https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(
https://www.nikkansports.com/soccer/)

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