■流動性で得た優位
次ラウンドへの進出が決まっている両チームの一戦。比較的リラックスした形でこの試合を迎えることができたはずである。ウルグアイはスアレスを温存。カバーニと共に前線に入ったのはデ・ラ・クルスとデ・アラスカエタの2人。彼ら2人をシャドーとして4-3-3のフォーメーションでパラグアイの4-4-2に挑む。
アンカーのベシーノが降りる役割を果たす分、後方は数的優位を組みだすことができるウルグアイ。その分、パラグアイは中盤4枚でウルグアイのSBとIHの4枚をホールド。中盤を硬直させて、保持の展開を停滞させることを狙う。
これを打開したのがウルグアイの流動性の高い前線。ボールを引き出すスキルは天下一品のカバーニはもちろん、デ・ラ・クルスとデ・アラスカエタの2人もスペースに入り込んでくるランはとてもよくできていた。ウルグアイは最終ラインからの前線のスペースに向けたフィードで相手を押し下げると先制点につながるPKを得る。
その後も前線の3枚を中心にパラグアイの最終ラインに対して優位を取るウルグアイ。パラグアイは彼らの機動力を止めることができず、最終ラインを押し下げながら、ウルグアイが入り込めるスペースを作ってしまう。そのスペースにシャドーや後方の選手が入り込むことで好機を作り続ける。
一方のパラグアイは攻撃機会は少ないものの、カウンターを中心に反撃に出ようと試みる。特に頼みの綱になったのはアルミロン。中央で受けるとここから左右に散らす役割を担当。クラブよりもひょっとすると重要な役割をまかされている感のあるアルミロンであった。
しかし、そのアルミロンが腿裏の負傷で交代。決勝トーナメントを見据えても、パラグアイには非常に痛手となりそうだ。これにより、敵陣でのボールの収めどころを失ったパラグアイであった。
後半も引き続き試合のペースはウルグアイ。パラグアイとしても引き続き負傷者が出る可能性を踏まえると勇猛果敢に出ていくのはリスクに直結する。2点目は取れなかったが、手堅く勝利を決めたウルグアイ。ベスト8の舞台で今日の両シャドーにはもっと大暴れしてほしいところである。
試合結果
ウルグアイ 1-0 パラグアイ
エスタディオ・ニウトン・サントス
【得点者】
URU:21′(PK) カバーニ
主審:ラパエル・クラウス