マンチェスター・ユナイテッド、25-26シーズンの歩み。
第1節 アーセナル戦(H)

もう一押しが足りずアーセナルが勝ち逃げ
レビューはこちら。

開幕戦唯一のビッグ6同士の対戦はオールド・トラフォード。昨季は不振に喘いだユナイテッドが今年こそ雪辱に燃えるアーセナルを迎え撃つ一戦だ。
意外にもボールを持つのはユナイテッド。ロングボールの使い方の巧みさが目立ち、ライン間のマウント、抜け出すブルーノやドルグなど複数のターゲット+受ける位置の工夫でアーセナルのバックラインに後手を踏ませていく。ギョケレシュ一辺倒のアーセナルに比べるとルートの多さが目についた。
グラウンダーでのポゼッションでもユナイテッドは前進。アーセナルのハイプレスを自陣に引き寄せながらライン間のブルーノに縦パスを落とすなど、後方の移動と誘引からの長いレンジのパスを通すなど思うようにボールを前に進めていく。
しかし、アーセナルは敵陣に運んだところからのポジトラで押し込むとセットプレーから先制ゴール。カラフィオーリがヘディングで押し込みリードを奪う。
だが、この先制点がリズムの改善には至らず。ポゼッションでのパスはずれてしまい、カウンターではウーデゴールがリリースのタイミングを見失う。サカ、マルティネッリはカウンターで走るコースに迷いがあり、縦に速い攻撃を完結することができない。ファストブレイクもハイプレスもダメということでユナイテッドを押し返す手段はない状態。
ユナイテッドはアーセナルのミスを咎めて右の大外のムベウモにつけることで攻勢に。しかし、ゴールは奪えず前半はアーセナルリードで折り返す。
後半も流れは大きくは変わらず。アーセナルはややハイプレスをかけていくが、カウンターのシャープさはなかなか回復しないままだった。ユナイテッドの攻撃は前半よりは単調を増しており、アーセナルのバックスが対応しやすくなったという点では前半よりももっさりした展開だったと言えるだろう。
中盤が間延びしたタイミングでユナイテッドは選手交代を実施。右に入ったディアロは個人の殺傷性では申し分ないが、ムベウモとの連携はイマイチ。オフザボールでの連携やレーンの棲み分けができればアーセナル相手によりクリーンな決定機を迎えたはず。中盤の運動量担保として入ったウガルテも雑なミドル、ファウルなどでリズムを掴む助けにはならなかった。
結局試合はそのまま終了。終盤は再び押し込まれて苦しいアーセナルだったが、難所で勝ち点3を確保。難しい開幕戦を勝ち切った。
ひとこと
難所で勝ち点3。それが全て。
試合結果
2025.8.17
プレミアリーグ 第1節
マンチェスター・ユナイテッド 0-1 アーセナル
オールド・トラフォード
【得点者】
ARS:13′ カラフィオーリ
主審:サイモン・フーパー
第2節 フラム戦(A)

セットプレーフォーカスも今季初勝利はお預け
驚きがあったのはフラムのフォーメーション。ユナイテッドの陣形に噛み合わせるように5バックを採用。お馴染みの形を崩してきた。
しかし、合わせてくるということは逆側からも合わせやすいということ。ハイプレスでユナイテッドはフラムを捕まえて、トランジッションからチャンスを作っていく立ち上がりとなる。クーニャのインサイドを切っての外誘導がプレスを効かせるためのいい手段となっていた。
キングの飛び出しから反撃を狙うフラムだが、すぐにクーニャが決定機でお返し。アーセナル戦では前半からムベウモが目立っていたが、この試合では中央のクーニャがアンデルセンとやり合うシーンが非常に目立った。
一方のフラムもセットプレーから反撃。おそらくアーセナルを参考にしたであろうバユンドゥルの行動範囲制限からチャンスを作っていく。
序盤はユナイテッドが優位な入りではあったが、フラムは時間経過とともにポゼッションが安定。インサイドにイウォビ、キングといった面々を縦パスのレシーバーとすることで中央に起点を作っていく。
しかし、先制点のチャンスを掴んだのはユナイテッド。バッシーがマウントとの競り合いの中でPKを取られることに。だが、このPKをブルーノは大幅に枠外にかっ飛ばしてしまう。芝を抉った様子もなく、軸足を取られた様子もなかったので大変珍しい光景のように思えた。
PK失敗の流れから敵陣に押し込んでいくフラム。セットプレーでの手応えもあり得点の期待感は高い状態に。だが、CKを触れないバユンドゥルのプレーをゴールに繋げることはできず。試合はスコアレスでハーフタイムを迎える。
後半は互いにボールをゆったりと持つ展開に。そうした中でも前半をいいペースで終えたフラムが徐々に優勢に。押し込みつつ、ファストブレイク気味にキングの抜け出しを見せるなどゴールに迫っていく。
だが、先制点はユナイテッド。フラムの方が手応えのあったセットプレーで先制。マーカーに競り勝ったヨロのボールがムニスに当たってゴールイン。意外な形からスコアを動かす。
フラムは交代で選手を入れ替え。前線にエネルギーを注入すると、交代選手からゴールに。左サイドからのクロスに飛び込んだのは交代で入ったヒメネスとスミス・ロウ。ニアでさわれなかったヒメネスが囮となり、スミス・ロウがネットを揺らす。フラムは見事に終盤に同点にしてみせた。
最終盤はセットプレーを中心としたチャンスの応酬。オープンプレーにおいてはサイドからの横パスをうまく使っていたフラムの方が攻撃の勘所を押さえている感じがした。ユナイテッドはマグワイアを入れてセットプレーフォーカスの構えとなった。
しかし、最後まで決勝点は入らず。試合はドロー決着。両チームの今季初勝利はお預けとなった。
ひとこと
交代で入ったシェシュコをどう生かすか?のところをもう少し見てみたかった感じ。
試合結果
2025.8.24
プレミアリーグ 第2節
フラム 1-1 マンチェスター・ユナイテッド
クレイブン・コテージ
【得点者】
FUL:73′ スミス・ロウ
Man Utd:58′ ムニス(OG)
主審:クリス・カヴァナー
第3節 バーンリー戦(H)

手にした一番欲しいもの
カラバオカップでは4部のグリムズビー・タウンにPK戦の末に敗れてしまったユナイテッド。これですでに今季残されているコンペティションはFA杯とプレミアリーグのみ。まずは目下の成績をなんとかすべく、ホームにバーンリーを迎えての一戦となる。
立ち上がりの入りは相手を左右に動かしながら勝負をかけていくユナイテッドが優勢。シンプルなファー狙いのクロスから相手に厳しい対応を迫る。4で受ける際のファーサイドの怖さもバーンリーに感じたのは確かであった。
しかし、バーンリーは中盤より前がスライドしながら潰していくなど自信を持ってユナイテッドの保持に対処する。さらにユナイテッドが非保持に回ればCHが中央を破られてしまうなど、バーンリーに対して怪しい受け方をしてしまう。
だが、トランジッションからユナイテッドは先制のチャンス。ウォーカーをハイプレスで引っ掛けたマウントがPKを勝ち取るがこれはOFRによって取り消しに。絶好機を逃してしまう。
それでも、ユナイテッドはセットプレーから先制。ゾーンを敷いていたおかげでなぜかフリーになったカゼミーロがオウンゴールを誘発。オウンゴールで試合を動かす。
クーニャの負傷、非保持に回った際の変な重心の下げ方、裏の取られ方などかなり怪しい部分が満載ながら、リードを守ったユナイテッド。時間経過とともにバーンリーは4-4-2で前からプレスをかけるバリューを、5バックで受けないデメリットが上回ってしまった感。ひたすらトランジッションのムベウモで殴られてしまう展開を受け続けることとなった。ムベウモは相当数の決定機を作ったが、ザークツィーとディアロはその決定機を決めきることができなかった。
後半は再び保持からリカバリーを図るバーンリー。ユナイテッドは相変わらず押し込まれる形からの危ういシーンがあるなど万全ではない試合運びとなってしまう。
すると55分にはフォスターのゴールでバーンリーが同点。サイドに流れたフォスターを起点とする攻撃に対して、マークの受け渡しは大外のチェックなど、整理できていないポイントが多いなと感じる失点だった。
だが、ユナイテッドはすぐに勝ち越し。左サイドでエクダルを制したダロトがムベウモのゴールをアシストする。
オープンとなり守備の展開が怪しくなっていた後半。ユナイテッドはプレスの押し上げが甘く、出ていくアクションが圧力につながっていない。バーンリーは体のぶつけ合いで簡単に前に入られてしまい、際どいボールでも競り負けてしまうというリスクもある。前半の反省をあまり感じないセットプレーの守備も不安要素である。
しかし、セットプレーで点を取ったのはバーンリー。混戦からアンソニーが押し込んで2試合連続のゴールを決める。
これで勝ち点への望みを繋いだバーンリーだったが、そのアンソニーがボックス付近の守備で不要なホールディングによってPKを献上。ブルーノに勝ち越し弾を許す。
100分を超える長い追加タイムを凌いだユナイテッド。苦しみながらバーンリー相手に今季初勝利を決めた。
ひとこと
勝てていないチームに一番大事な3ポイントを掴んだので、これで色々と中身がついてくることを祈るしかないように思う。
試合結果
2025.8.30
プレミアリーグ 第3節
マンチェスター・ユナイテッド 3-2 バーンリー
オールド・トラフォード
【得点者】
Man Utd:27′ カレン(OG), 57′ ムベウモ, 90+’7′(PK) ブルーノ・フェルナンデス
BUR:55′ フォスター, 66′ アンソニー
主審:サム・バロット
第4節 マンチェスター・シティ戦(A)

全く異なる悩みの深さ
3試合を終えて両チームはいまだにここまで1勝。なかなか波に乗れない両雄にとってはチーム状況を上向かせる絶好のチャンスでもある。
そんな状況であることをよく理解しているかのように高い位置からプレスをかける両チーム。互いにGKを絡めてのビルドアップはバタバタとしており両軍にとってはプレスをかける意義は感じられるスタートだった。
そうした中で異彩を放っていたのはドク。左サイドの低い位置に降りてハイプレスようの逃げどころとなるロングボールのターゲットとして機能を果たそうとしていた。
そのドクは右のハーフスペースの突撃で先制点に絡む。神出鬼没な場所での登場に加えて、突破と粘りから勝負を仕掛けてフォーデンのゴールをアシストする。
仮説の域を出ないところではあるが、シティはやや右のハーフスペースでショウとのマッチアップを狙い撃ちにしていた節がある。ハーランドの反転なども含めて、マッチアップとしてここを狙っていく姿勢はそれなりに見られたといいっていいだろう。
ユナイテッドはハイライン破りから反撃に行けるルート自体は見えていたように思う。ムベウモの背後を取るアクションやシェシュコのポストなどはそのルートを作り出すきっかけにはなっていた。ただ、ユナイテッドのカウンターは最短ルートで突き抜けようとする分、単調だったことでシティにはやや対応しやすさも生まれていたように見えた。
それでも前半の終盤の押し込むことができた時間帯はユナイテッドが優位。だが、この時間に追いつくことができず、試合はシティのリードでハーフタイムを迎える。
後半は前半の頭の焼き直し。ハイプレスの応酬から主導権を争う流れに。そうした中でまたしても局面を切り開いたのはドク。半身で背負いながら受けた状態からハーランドにラストパス。ヨロがなぜあのコースを開けてしまう守り方を選択したのかはよくわからなかったが、いずれにしてもドクは1点目に続いて状況がよく見えていたなと感じる場面だった。
これで完全に試合はシティのラインブレイクゲームに突入。保持において前に人数をかけるユナイテッドに対して、ハーランドを中心にシティは延々と裏に独走する形を狙っていく。3点目をとって、その後にラインダースが決定機を外して以降はやや展開が落ち着いたが、ユナイテッドは反撃のきっかけを掴むことはできないまま終了。3点差をキープしたシティが連敗を2で止めた。
ひとこと
どちらのチームもこの試合前まではそれぞれの悩みがあったと思うけども、悩みの深さが全然違うことがよくわかる試合だった。
試合結果
2025.9.14
プレミアリーグ 第4節
マンチェスター・シティ 3-0 マンチェスター・ユナイテッド
エティハド・スタジアム
【得点者】
Man City:18′ フォーデン, 53′ 68′ ハーランド
主審:アンソニー・テイラー
第5節 チェルシー戦(H)

カオスがカオスを呼ぶ乱戦
ユナイテッドは前節ダービーで敗れ、チェルシーは代表ウィーク明けの公式戦で勝利がない状態。どちらにとっても負けられないオールド・トラフォードでの一戦だ。
降りしきる雨の中で先にチャンスを掴んだのはユナイテッド。サイドからのクロスから早々にチャンスメイク。チェルシーはボックス内の守備の目測が怪しく、クロスの受け手を割と簡単にフリーにしていた。
すると4分にシェシュコの競り合いから抜け出したムベウモがサンチェスに倒されたことで一発退場。チェルシーはほぼ1試合丸々を10人で過ごすことに。マレスカはこの状況でヨルゲンセンの投入に加えて、アダラバイオも交代選手として追加。バックラインを5枚にすることで全力撤退を選択する。
しかし、11人のチェルシーの非保持の怪しさは別に人が足りていなかったからではないので、ローラインで人を増やしたとて危険な流れは変わらず。ボックスの跳ね返しを延々とできるわけではなく、チェルシーは10分足らずであっさりと失点してしまう。
2失点目が顕著なのだが、チェルシーはラインの上げ下げへのリアクションが遅い。特に下げるアクションにおいてその傾向が強く、その点で後手に回ることによってユナイテッドの選手にボックス内に自由に触ることを許していた。
ユナイテッドの守備は無鉄砲なプレスをしていたので、チェルシーは落ち着いてパス回しをしていれば外せるシーンも少なくはない。しかしながら、ネトとエステバンという推進力のある選手たちは不在。かつ、パーマーも負傷でさらに交代カードを使うなど踏んだり蹴ったりな状況だった。
だが、そのユナイテッド有利な状況を台無しにしたのがカゼミーロ。全くいらない状況で2枚目を献上してしまい、互いに人数は10人となってハーフタイムを迎える。
後半、さらに雨は強まり、ボールは止まりまくるように。10人同士という中でさらに要素が追加されたことでカオスな状態はさらに極まっていく。ファウルのたびにボールの奪い合いが発生したり、豪快に警告を受けるタックルをかましたりなど、やたらと試合が止まるように。
追いかけるチェルシーはCL終わりで中2日というハンデがある分、徐々にガス欠。このまま終わりまで運ばれてしまうのか?というくらいのタイミングでチャロバーが追撃弾を決めることで再びエネルギーを充填する。
だが、もう1点のギャップを埋めるところまでは至らず。前半開始直後から始まったカオス劇場はユナイテッドに軍配。乱戦を制して今季2勝目を手にした。
ひとこと
カゼミーロの2枚目、ドン引きだよあれ。
試合結果
2025.9.20
プレミアリーグ 第5節
マンチェスター・ユナイテッド 2-1 チェルシー
オールド・トラフォード
【得点者】
Man Utd:14′ ブルーノ・フェルナンデス, 37′ カゼミーロ
CHE:80′ チャロバー
主審:ピーター・バンクス
第6節 ブレントフォード戦(A)

前進プランがはまったブレントフォードが悩めるユナイテッドを打ち砕く
チェルシーとの大乱戦を制し、トップハーフに復帰できる位置まで戻ってきたマンチェスター・ユナイテッド。試合運びに難があり、リードを守ることができていないブレントフォードの本拠地に乗り込んでの一戦だ。
ブレントフォードはバックラインにはあまり強気にプレスにいかないスタート。ユナイテッドは3バックが自由にボールを持ちながらパスの出しどころを探すスタートとなった。しかしながら、ユナイテッドの攻撃で一番刺さりそうなのは3トップにオープンなスペースを与えてスピードアップ。きっちりと構えるブレントフォードの守備はそれを披露するには適切な場を整えてくれているとは言い難かった。
ボールを奪ったら素早く縦につけるブレントフォード。シャーデ、ワッタラといったワイドのアタッカーの加速に頼るのはいつもの光景であるが、チアゴへのロングボールが決定的なプレーとなったこの試合。オフサイドを取ろうとラインを上げるのが遅れたマグワイアを尻目に抜け出したチアゴが1on1を制して先制点を奪う。
20分の追加点もチアゴへのロングボールから。シャーデとのコンビネーションで一気にボックス内に侵入。攻撃の形としてチアゴへのロングボールがこんなに効きまくっているのは個人的にはあまり記憶がない。
この3トップへのロングボールで陣地回復に成功できれば、セットプレーからチャンスを作っていくブレントフォード。ファーのワッタラを逃したところから始まったチャンスは度重なるバユンドゥルのセーブで更なる失点を防ぐ。
逆にGKの対応に難があるところで失点してしまったのはブレントフォード。クロスカットのところでケレハーがウガルテに体を寄せられてボールを弾ききれず。そこからのわちゃわちゃでシェシュコが嬉しい初ゴールを仕留めた。
そこからは両チームともなかなか明確にリズムを作れないまま試合が経過。ブレントフォードのリードで前半は折り返すこととなった。
後半、まずはカヨーデのロングスローからスタート。ここからトランジッションの応酬で主導権の握り合いが始める。
ブレントフォードは前半と同じく。前線のロングボール起点で前進しつつのセットプレー。ハーフライン付近でもPAくらいのところまでボールを吹っ飛ばすカヨーデの肩は凄まじかった。
ユナイテッドはカウンターからスピードアップをしたいところだが、現状ではオープンな展開で勝負できる3人がそれぞれで戦っているという感じ。今後まずはここを連携できるカウンターとして仕上げていくところからだろう。
ポゼッションでは右の大外のムベウモを軸に押し込むところからクロスが軸に。徐々にローテーションでのトライも見えてきていたことは個人的には悪くないことのように思える。
そして、その右サイドからのクロスでユナイテッドはPKを獲得。ファン・デン・ベルフに引っ張られたムベウモが決定的なチャンスをもぎ取る。だが、このチャンスをブルーノがミス。速度とコースの甘いキックで追いつく絶好の機会をフイにしてしまう。
なんとしても追いつきたいユナイテッドは3バックっぽい陣形をキープしつつ前に攻撃的な選手を並べていく。マウントが結果的に大外に追いやられているのなかなか考えさせられるものがあった。
ユナイテッドのCF全置きシステムがハマらない中でブレントフォードはカウンターで試合を決定づける3点目。結果的にはヤルモリュクの裏へのフリーランが効いた格好だろう。ボールホルダーを捨てる判断をしたデ・リフトと裏に蹴るパスを消しにいったバユンドゥルは対応が重なり、結果的にフリーになったイェンセンは気持ちよく足を振れた。「カウンター対応はまずボールを捕まえる」の原則を外した対応をしたユナイテッドには重たい3失点目が降りかかることに。
ダメ押しのゴールで完勝に一花添えたブレントフォード。ユナイテッドを下し、今季2勝目を挙げた。
ひとこと
ロングボールを軸とする前進プランが今季一番刺さったブレントフォードだった。
試合結果
2025.9.27
プレミアリーグ 第6節
ブレントフォード 3-1 マンチェスター・ユナイテッド
G-techコミュニティ・スタジアム
【得点者】
BRE:8′ 20′ チアゴ, 90+5′ イェンセン
Man Utd:26′ シェシュコ
主審:クレイグ・ポーソン
第7節 サンダーランド戦(H)

構造で殴り続けてラマースのデビュー戦を飾る
ヨーロッパがなく、リーグ戦に集中できるシーズンにも関わらずなかなか勢いをつけることができないユナイテッド。近年は苦戦する昇格組ながら着実に勝ち点を積み重ねているサンダーランドをホームに迎えての一戦だ。
互いにバックラインがプレスにこないスタート。自由にボールがもてる中で攻撃側が何ができるかというところを探る立ち上がりとなる。
アンカーのジャカから背後を取るアディングラでゴールに向かうサンダーランドが鋭さを先に見せるが、これがオフサイドに終わるとここからはユナイテッドペース。CFのシェシュコへの縦パスからのポストや、ワイドのCBがサンダーランドのSHを引きつけたところから背後のWBを使うことで構造的なギャップを作っていく。
サンダーランドはなかなかシステムのギャップを埋めることができずに苦戦。アモリムは「システムは関係ない」と言っていたが、この試合ではガッツリとシステムの噛み合わせが効いている格好だ。押し込むユナイテッドはディアロ、ムベウモの右サイドから進撃。ムベウモからのクロスをややオフサイドラインの手前のマウントからのミドルでユナイテッドが先手を奪う。
このゴール以降もペースを掴んだのはユナイテッド。一方的な押し込むポゼッションから延々とWBとシャドーから殴り続けていくことでチャンスを作っていく。敵陣でのプレータイムを増やすユナイテッドはセットプレーから追加点。ロングスローからシェシュコがリードを広げる。
サンダーランドはたまらず5バックに移行。システムの噛み合わせを修正することで一方的に殴られていく状況をリカバー。押し込み返すとジャカのミドルなどでやり返していく。しかし、ゴールまでには至らず。試合はユナイテッドのリードでハーフタイムを迎える。
ユナイテッドは後半も落ち着いたポゼッションからスタート。サンダーランドは相手を捕まえてのカウンターから素早く縦にいくが、トラオレがシミュレーションでの警告を受けるなどイマイチリズムに乗ることができない。
ユナイテッドは前半ほどゴールに向かうシーンは増えてはいないが、保持でだらっと時間を潰すことはできている。試合のテンポを無駄に刺激しなければ2点リードしているチームとしては特に問題はないだろう。逆にサンダーランドは交代で入った選手からのギアアップは今季の課題。なかなか攻撃のリズムを強めていくことができない。
それでも終盤にマイェンダ→タルビのラインで決定機を迎える。だが、これはこの日が先発デビューのラマースがシャットアウト。自らのファインセーブでチームの勝利とデビュー戦でのクリーンシートを勝ち取った。
ひとこと
アモリムのユナイテッドにおいて最も構造で叩き続けた試合かもしれない。
試合結果
2025.10.4
プレミアリーグ 第7節
マンチェスター・ユナイテッド 2-0 サンダーランド
オールド・トラフォード
【得点者】
Man Utd:8′ マウント, 31′ シェシュコ
主審:スチュアート・アットウェル
第8節 リバプール戦(A)

アンフィールドを黙らせたマグワイア
続いていた連勝がピタッと止まり、立て続けに負けが混んでいるリバプール。公式戦の連敗を止めたい今節はホームに宿敵のマンチェスター・ユナイテッドを迎えての一戦に挑む。
立ち上がりはロングボールの応酬。様子見のフェーズかと思いきや、そのロングボールのところからユナイテッドがあっさりと先制。ファン・ダイクの雑な競り合いと戻りきれないミスをついたのはユナイテッドの右サイド。ディアロとエンベウモのコンビネーションから一気にママルダシュヴィリの守るゴールマウスに穴をあける。
先制を許したリバプールは以降はポゼッションからユナイテッドの5-4-1を壊しにいく。ローからミドルブロックにコンパクトに陣形をキープするユナイテッドに対して、リバプールはCHを縦関係にする形でビルドアップ。中盤はマック=アリスターが前に張り、グラフェンベルフが後ろになるという前後分断の形で組んでいく。
ボールホルダーにプレスをかけにくい重心だったこともあり、リバプールは裏パス一撃からチャンスメイク。イサクは右のハーフスペースからの抜け出しを行っていく。
だが、こうした縦パス一撃以外ではなかなかチャンスを作れないリバプール。中盤の列の入れ替わりも少なく、ユナイテッドの守備ブロックを揺さぶりきれない状態が続く。
非保持でもイマイチリズムを作ることができないリバプール。綺麗に繋がれ続けるとまでは言わないまでも、ロングボールで逃げられたり、あるいは横断からサイドを自在に使われたりなどリズムを作れず。先制点をもたらした右サイドのコンビは引き続き攻撃の脅威になっていた。
単騎突破と縦パスだけでは仕留めきれなかったリバプール。前半はビハインドでハーフタイムを迎える。
引き続き保持からチャンスを作りにいくリバプール。SHとSBの二人称から一気に押し下げていく。しかしながら、もう一人がなかなか絡んでこれず、どこか力技感が否めない。相手のセットプレーのミスから鋭いカウンターを放つ場面もあるが、連携不足と決定力不足でこちらもゴールに届かず。ガクポのシュートは前半に続き、ポストに阻まれてしまう。
15分でスコアが動かなかったことを踏まえて、スロットは3枚交代で一気に攻撃的な布陣にギアチェンジ。カウンターから前がかりに人数をかける形から一気に敵陣に入り込んでいく。
前傾姿勢が実ったのは78分。左サイドからの仕掛けを仕留めたのはガクポ。なかなか試合を動かせなかったストライカーの一撃で試合は振り出しに戻る。
燃え上がるアンフィールドの興奮を鎮めたのはセットプレーのマグワイア。ブルーノの見事な導きから勝ち越しのゴールを挙げる。リバプールはややラインコントロールが不安定だったところから与えたセットプレーが致命傷になってしまった。
リバプールの残り時間の猛攻を凌ぎ切ったユナイテッドはアンフィールドで勝利。アモリム体制初のプレミア連勝を決めた。
ひとこと
サラーの不調は相当深刻なように見える。
試合結果
2025.10.19
プレミアリーグ 第8節
リバプール 1-2 マンチェスター・ユナイテッド
アンフィールド
【得点者】
LIV:78′ ガクポ
Man Utd:2′ エンベウモ, 84′ マグワイア
主審:マイケル・オリバー
第9節 ブライトン戦(H)

刺さり続けた3トップの連携
前節はマグワイア砲でアンフィールドを制圧。順位もジリジリ上がってきたユナイテッド。今節はホームにブライトンを迎えての一戦に臨む。
序盤からリズムを得たのはユナイテッド。幅を使いながらの攻撃でブライトンを押し込んでいく。ブライトンの守備は一言で言えば対面の選手との距離が遠い。簡単に振りぬかれてしまう距離で守っており、早々にエンベウモからブルーノのクロスでチャンスを迎える。
人基準で守っているブライトンだが、どこかちぐはぐさは否めない。バックスにはプレスは強くいかないが、かといって後方が余るわけではないというマンツーのよくないところだけを抽出したかのような守り方でユナイテッドにプレッシャーをかけることができない。
とりわけ良くなかったのは後方の1on1を許容したことだろう。反転の自由度が増すマンツーはマッチアップで有利に立てばクーニャ、エンベウモが大暴れできる土壌。ピッチ中央でボールを引き取りながら加速していく。
同じくラターが中央に降りることで起点を作りたいブライトンだが、ビルドアップの軽いミスが出てしまいなかなかリズムを作ることができず。攻撃でもリズムが良かったユナイテッドの圧に負けている印象だった。
リズムが良かったユナイテッドは順当に先制。ぽっかり空いたクーニャがためらいなく放ったミドルが先制ゴールとなる。ブライトンは守備のタイトさが薄く、相手の警戒するポイントもあまり絞れていないような守り方に。
シューターへの寄せの甘さは2失点目においても。カゼミーロのミドルからさらにリードを広げる。この場面では背負っている相手につける爆弾ビルドアップをファン・ヘッケがしてしまったことで、ユナイテッドのカウンターを受けてしまっていた。
後半も同じ文脈が続く試合に。前線3人のスペースがある状態での連携が刺さり続けるユナイテッドが主導権。流れるような攻撃から加速する。さらには相手の攻撃の核であるラターを咎めたところからゴールを決めてリードを3点に広げる。
保持に回れば大外から相手のシャドーの背後で受けるアクションを狙うブライトン。もっとも爆発力のあるミンテを左から右に変えるなど試行錯誤が続く。
ハイプレスに出て行くユナイテッドには後半も手を焼いたブライトン。しかし、ミンテがハイラインを破るワンマン速攻からファウルを奪取。最後のコントロールが流れた分、DOGSOにはならなかったが、このファウルで得たFKをウェルベックが仕留めて2点差に詰め寄る。
一方的なイケイケムードにはならなかったブライトンだが、セットプレーからコストゥラスがゴールを決めて1点差に詰め寄る。だが、この日は最後までエンベウモを止められなかったブライトン。高い位置でボールを奪ったヘヴンからのダイナミックな縦パスを奪うと、そこから一気にゴールまで。決定的な4点目を奪う。
失点のシーンはやや甘さが出たがいい流れを続けたユナイテッド。アモリム政権初の連勝を3に伸ばすことに成功した。
ひとこと
ユナイテッド、自信ついてきたかもね。
試合結果
2025.10.25
プレミアリーグ 第9節
マンチェスター・ユナイテッド 4-2 ブライトン
オールド・トラフォード
【得点者】
Man Utd:24′ クーニャ, 34′ カゼミーロ, 61′ 90+7′ エンベウモ
BHA:74′ ウェルベック, 90+2′ コストゥラス
主審:アンソニー・テイラー
第10節 ノッティンガム・フォレスト戦(A)

後半頭の畳み掛けで貴重な勝ち点確保
アモリム体制初の連勝を3までに引き伸ばしたユナイテッド。ここに来て勢いに乗っており、上位への浮上を虎視眈々と狙っている。一方のフォレストはまだダイチが就任以降、初めてのリーグ戦勝利がない状況である。
いい入りをしたのはユナイテッド。ラインの設定を高めにする守備で追い込みながら蹴らせて回収。保持では深さをとったバックラインがフォレストの前線を誘き寄せて、前半と中盤に浮いたスペースに長いレンジのパスを入れていく。構造としては悪くないメカニズムではあったが、シュシュコがやや長いボールを収めるのに苦戦した感がある。
フォレストはサイドに枚数をかける形から前線に。シュートまで持っていくことができる圧は少しずつ高まり、少しずつ展開を盛り返していた。
少ない攻撃のチャンスの中で試合を動かしたのはセットプレー。好調のカゼミーロの一撃で重たい試合の扉を開ける。
先行を許したフォレストは保持の時間を長くしながらブロック攻略に移行。目立ったのは2人の中盤。積極的に動き回り、左のハーフスペースからの奥行き作りで貢献したアンダーソン、中盤におりてタメから抜け出しを促していたハドソン・オドイの2人は印象的であった。
ユナイテッドは攻撃を受け止めつつ、保持では移動を駆使してテンポをコントロール。ブルーノ、カゼミーロが動き回りながらマンツー気味のプレスを外し、前進ができるように。優勢をキープしたままハーフタイムを迎える。
後半、いきなりスコアを動かしたのはフォレスト。アンダーソンの対角パスから右サイドまで展開すると、このクロスをファーのギブス=ホワイトが仕留める。前に入られてしまったディアロにとっては痛恨のワンプレーだった。
さらに同じく右サイドからのクロスから発生した混戦をサヴォーナが仕留めてあっという間に逆転。ユナイテッドはインサイドでマークを外したわけではないが、空中戦での競り合いであっさりと敗れてしまい、後手を踏んだ。
保持の時間を増やすユナイテッドは左右に相手を動かしながらポゼッション。幅を使う意識が強い中で縦に仕掛けるブルーノの存在はいいアクセントになっていた。
なかなかゴールをこじ開けられなかったユナイテッドだが、セットプレーからディアロが見事な左足をシュート仕留めて同点に。失点シーンの面目躍如するかのような一撃で試合を振り出しに戻す。
追いついた後も前向きな姿勢を失わなかったフォレスト。訪れたピンチもムリージョがギリギリのクリアで救い、3ポイントを狙いつつ1ポイントを確保した。
ひとこと
勝ちたかっただろうが、フォレスト目線では1ポイントも重要な結果だろう。
試合結果
2025.11.1
プレミアリーグ 第10節
ノッティンガム・フォレスト 2-2 マンチェスター・ユナイテッド
ザ・シティ・グラウンド
【得点者】
NFO:48′ ギブス=ホワイト, 50′ サヴォーナ
Man Utd:34′ カゼミーロ, 81′ ディアロ
主審:ダレン・イングランド
第11節 トッテナム戦(A)

総取り決戦から装いを変えて
昨年のこのカードといえばEL決勝だろう。情けないシーズンを全て帳消しにするために喉から手が出るほど欲しいCL出場権をかけての一番となった。今年は6位対8位。まだまだ国内の順位が勝負することができる両軍の一戦となる。
見た目的には4-2-3-1と3-4-2-1の噛み合わせ。しかしながら、保持時に3-2-5に変形することが定番のトッテナムにとっては非保持のユナイテッドと噛み合うこととなる。
そのため、工夫をしたのは前線の配置。1トップ+2シャドーが多かったここまでだが、この日は前線のリシャルリソンとトップ下のシモンズという形でトップ下を棲み分けていく。
確かにこれで前線の配置はズレる。その一方で、バックスは3トップに噛み合わされる形に苦戦。唯一浮くヴィカーリオもフィードの精度で勝負するタイプではないとなれば、ショートパスから前線に届けるケースがなかなか生み出されないという苦しいところがあった。
配置の面で優位を取れないのはユナイテッドも一緒。しかしながら、ユナイテッドは体を相手にぶつけながらキープをできるCF陣がいる。この日はシェシュコがベンチスタートではあったが、ムベウモとクーニャの2人が上手く時間を作ることができていた。
前線の個の力を活かすカラーが強かったユナイテッドは前半のうちに先制。左右に揺さぶる中で浮いたムベウモが見事にゴールを叩き込んだ。
このゴールでユナイテッドはさらに勢いに乗った印象。チェックが遅れるトッテナムに対して、前線はターンから推進力を出していくことでトッテナム陣内に侵攻。優位のままハーフタイムを迎える。
後半、トッテナムは選手交代を敢行。消えていたコロムアニに代えて、オドベールを投入。前線の構造を元来の形に近いように戻す。
ユナイテッドはリードをしたこともあり、リトリート成分が強い方向に舵を切る。バックスの噛み合わせに苦戦していたトッテナムとしては相手のラインが下がったことにありがたさを感じつつも、今度は前線が噛み合った状態を解消できないというジレンマに悩まされることとなった。
なかなかきっかけをつかめなかったトッテナムを救ったのはテル。ボックス内の華麗な身のこなしでシュートの隙間を作ると、豪快な一撃を突き刺す。
終盤に試合を振り出しに戻したトッテナムはAT突入直後にリシャルリソンのゴールで逆転。一気に試合をひっくり返す。
熱い逆転勝利を手にしたかに思えたトッテナムだが、ほぼラストプレーでユナイテッドもデ・リフトがゴール。終盤10分で目まぐるしく戦況が入れ替わった一戦はドローで決着することとなった。
ひとこと
テルの一撃、加入後で一番価値があるものだったように思える。
試合結果
2025.11.8
プレミアリーグ 第11節
トッテナム 2-2 マンチェスター・ユナイテッド
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
TOT:84′ テル, 90+1′ リシャルリソン
Man Utd:32′ ムベウモ, 90+6′ デ・リフト
主審:サム・バロット
第12節 エバートン戦(H)

10人で鬼門攻略を達成
モイーズにとっては鬼門であり苦い思い出のあるオールド・トラフォード。復調気配と落胆を繰り返しているシーズンとなっているユナイテッドとの一戦でいい思い出をこのスタジアムで作ることができるかというマンデーナイトのゲームだ。
序盤からマンツー気味のハイプレスで飛ばしていくエバートン。しかし、降りていくディアロやエンベウモの反転から加速を許すなどあまり展開はハマっていない感。
ユナイテッドは前からのプレスで中盤に厳しくマークにいくなど非保持でも悪くない立ち上がり。エバートンはゲイェのワンツーから中盤のマークを少しずつ剥がしていく形で対応する。
ややユナイテッドが優勢だった試合はワンプレーで激変。エンベウモのファストブレイクからの対応を巡り、キーンとゲイェが激突。攻守に多少のミスはあった場面だが、味方をぶん殴るほど?と思うようなシーンでゲイェが激昂。レアな味方同士の争いで退場者を出す。
この退場でエバートンは4-4-1にシフト。SHがサイドの守備に重めのフォローをすることで対応。必然的にユナイテッドは一方的なポゼッションに。左右にボールを揺さぶりながら、スペースの空いているところを狙いながら前進していく。
しかしながら、エバートンも10人ながら抵抗。エンジアイを軸としたファストブレイクだけでなく、左右に動くバリーをポストプレーで活用し、テンポを落とすことできっちりと時間を作っていく。
前からのプレスに出ていけないユナイテッドを尻目にエバートンは先制。マークがあいまいになったガーナーから縦パスを受けたデューズバリー=ホールがゴールを決める。
非保持でも手ごたえ十分のエバートン。スライドとプレスバックからサイドを封鎖し、マイナスのパスに対してはきっちりとラインを上げて抵抗する形を見せていく。
ブルーノの抜け出しなど3-2-5のフレームから外れる枠組みからもチャンスを作りに行くユナイテッドだが、エバートンの対応は冷静。ライン間のディアロも理不尽さを発揮するまでには至らない。エンベウモはフラストレーションをためる展開となってしまった。
後半、ユナイテッドはワイドにディアロをスライドさせてマウントを投入。幅を使った攻撃を進め、WB→WBのクロスでチャンスを作っていく。押し下げたところからのミドルシュートも含めて、ユナイテッドは多様な攻撃を展開。エバートンは前半のような陣地回復ができなくなってしまい、押し込まれる状況が続いてしまうこととなる。
だが、もう一歩の詰めるところの形を作ることができないユナイテッド。雑な形が目立ってしまい、エバートンに自陣までの陣地回復の形を許してしまうこととなってしまう。
終盤は再びゴールに迫るユナイテッドだがピックフォードはファインセーブを連発。終盤は水際で踏ん張ることに成功したエバートンが10人のままでオールド・トラフォード制圧を達成した。
ひとこと
ゲイェのせいで突然の10人ブロック崩しチャレンジで課題をあぶりだされるユナイテッド。若干とばっちり感がある。
試合結果
2025.11.24
プレミアリーグ 第12節
マンチェスター・ユナイテッド 0-1 エバートン
オールド・トラフォード
【得点者】
EVE:29′ デューズバリー=ホール
主審:トニー・ハリントン
第13節 クリスタル・パレス戦(A)

プレータイム偏りの納得感
前節はホームで10人で大半を過ごしたエバートンに敗戦を喫したユナイテッド。混戦模様の中位から抜け出すには少し上にいるパレスは絶好のターゲットとなる。
立ち上がりからユナイテッドは攻勢。セットプレーからカゼミーロがいきなりチャンスを迎えるなど、力技で早々に決定機を作り出す。パレスのプレスは控えめでミドルゾーンから後方に5-4-1を構える形から。ポゼッションで主導権を握ったユナイテッドが圧力をかけてのスタートとなった。
しかし、パレスもロングカウンターで反撃。マテタ、サールといった反転加速が怖い面々に対して、ユナイテッドはタイトにマークをつくことができず。素早い攻撃からあっさりと陣地回復をされるように。
徐々にポゼッションから押し返すクリスタル・パレス。高さを生かしたセットプレーでユナイテッドは得点チャンスを迎えてはいたが、パレスも押し込み返すことができれば危うい守備対応のユナイテッドを脅かすことはできていた。
ユナイテッドは徐々に右サイドから縦に急ぎすぎるなどポゼッションの主導権を失っていく。試合はオープンな縦に速い展開の中で守備側がリスキーなスライディングを敢行しながら相手が加速する前になんとか防ぐという展開の連続だった。
その状況を打破したのはやや静的な裏を取る形から。ウォートンの巧みな縦パスから抜け出したマテタを慌ててヨロが倒してしまいPK。ダブルタッチでのやり直しを取られてしまいながら、やり直しをきっちりと仕留めて先制ゴールを決める。
直後にサールが負傷交代をしてしまうパレス。だが、左サイドからのカウンターの目線は死なず、引き続き攻勢に出ていく。この日の滑りやすいピッチも手伝い、エンケティアには特大の決定機もあったが、ショウのセーブでこれは事なきを得る。ただ、ボールを持っている状況でもなかなか打開ができないユナイテッドにとっては渋い時間が流れるままハーフタイムを迎えることとなったとも言えるだろう。
後半、ユナイテッドはポゼッションから巻き直し。きっちりと段差をつけた形から前を向く選手を丁寧に作り、ボールを動かしていく。
押し込む機会を得たユナイテッドはセットプレーから同点ゴール。FKからニアに抜けたザークツィーが角度のあるところからシュートを沈めて後半早々に追いつく。
セットプレーからはパレスもチャンスがある展開ではあったが、再びスコアを動かしたのはユナイテッド。ブルーノとの連携で壁を壊したマウントがヘンダーソンからはブラインドとなる位置からグラウンダーのシュートを決めて逆転する。
追いかけたいパレスだが、交代選手は軒並み不発。なかなか序列を覆すのは難しいという証明を逆にする格好になってしまう。
結局ユナイテッドはそのまま逃げ切りに成功。リード以降は最小得点差ながら影も踏ませないまま試合をクローズした。
ひとこと
これだと主力にプレータイムが偏るのは仕方ないなという感じのパレスだった。
試合結果
2025.11.30
プレミアリーグ 第13節
クリスタル・パレス 1-2 マンチェスター・ユナイテッド
セルハースト・パーク
【得点者】
CRY:33′(PK) マテタ
Man Utd:54′ ザークツィー, 63′ マウント
主審:ロベルト・ジョーンズ
第14節 ウェストハム戦(H)

得点後に失った主導権
序盤からボールを持って進んでいくスタート。ウェストハムは4-2-3-1から自陣にきっちりと網を張ることで相手にボールを持たせつつ、インサイドに刺してくるパスを引っ掛けていく狙いとなる。
わずかな隙間ではあるがマンチェスター・ユナイテッドはインサイドにザークツィーが縦パスを差し込みながらボールをキープしていく。やや後手ではあるがウェストハムはここを対症療法的に塞ぐことでボールを先には進ませない。
ウェストハムはロングカウンターベースでの戦い。奪ったら素早くカウンターでウィルソンにボールを当てるところからチャンスを作っていく。マンチェスター・ユナイテッドのプレスが15分で鎮静化したこともあり、サイドから揺さぶる時間を作ることができたウェストハムはミドルからゴールを強襲する部分も作れていた。
それでも保持でリカバリーを果たしたマンチェスター・ユナイテッド。主役となったのは右サイドのディアロ。高い位置での仕掛けはもちろんのこと、低い位置でレーンチェンジを行うことで縦パスを引き出していく。開幕時においては課題だったムベウモとの連携も今では難なくこなし、右サイドのユニットは今のマンチェスター・ユナイテッドの武器と言えるだろう。
だが、それでもゴールをこじ開けるところまでは至らず。試合はスコアレスでハーフタイムを迎える。
マンチェスター・ユナイテッドは後半、ゆったりとしたビルドアップから幅を使って押し込んでいく。ウェストハムは前半よりもプレスの重心を上げて敵陣側でのボールハントを狙っていく。明確にひっくり返される場面が少ないことを踏まえれば、そこまでは悪くはないけども、ファウルでクリーンにボールを奪えない点は少し残念ではあった。
押し込むマンチェスター・ユナイテッドはサイドからのクロスがボックス内で構えていたダロトにスポッと入る形に。そのまま足を振って先制ゴールを決める。
失点以降はのらりくらりとマンチェスター・ユナイテッドに時間を握られていた感があったが、徐々にウェストハムはポゼッションからリカバリー。ライン間への侵入や中盤でのデュエルから少しずつ主導権を握っていく。ボーウェンを軸とした右サイドからのアタックに手応えを感じた矢先にセットプレーから同点。マガッサがゴールを叩き込んで追いつく。
終盤は再び攻撃に転じたマンチェスター・ユナイテッドだが、ネットを揺らすことができず。ホームで勿体無い勝ち点の落とし方をしてしまった。
ひとこと
突如として主導権を失ってしまった感がもったいなかったマンチェスター・ユナイテッドだった。
試合結果
2025.12.4
プレミアリーグ 第14節
マンチェスター・ユナイテッド 1-1 ウェストハム
オールド・トラフォード
【得点者】
Man Utd:58′ ダロト
WHU:83′ マガッサ
主審:アンドリュー・キッチン
第15節 ウォルバーハンプトン戦(A)

生き生きする速攻祭り開催でモリニューを冷え込ませる
ミラーフォーメーションということで序盤から積極的にボールハントを行っていくウルブス。しかしながら、反転するムベウモや逆サイドに出張するクーニャなどユナイテッドはシャドーの動きからこの奇襲を鎮圧。落ち着いたボール保持で試合を進めていく。
徐々に試合はユナイテッドのゆったりとした保持に移行。押し込むところからは右のユニットから崩しを模索する。ディアロ、ムベウモもライン交換もすっかり板についており、特にディアロが大外固定から外れたのは後方のCBに幅を取ることができるマズラヴィが起用されていることも大きい。
シャドーの個の力だけでなくあらゆるところでのポジションチェンジを繰り返すことでウルブスにマークの受け渡しを発生させるユナイテッド。押し込むことに成功すると、セットプレーでも相手よりも先に触るシーンを繰り返し、いつゴールが生まれてもおかしくない状況だった。
ウルブスも保持に回れば噛み合わせられている状況をどうにかしなきゃいけないのは同じ。アリアスとベルガルドが縦に重なることでギャップを作るなどこちらも工夫を見せる。
しかし、先行したのはユナイテッド。ハイプレスからカゼミーロがボールを奪うことに成功すると、そこからのショートカウンターをブルーノが沈めてゴール。さらに立て続けにワンタッチから右サイドを切り裂くなどチャンスを作る時間が続く。前半の終盤は水際で相手の攻撃を食い止めるトティ・ゴメスが多く目撃された。
反撃に出たいウルブスは受けに回ったユナイテッドに対してポゼッションを強める展開に。どうにかしてCHが前をむけばスピードアップができるので、そのためにアバウトなロングボールでわちゃわちゃを作り、セカンド回収からCHが前を向いて背後というのが基本プランの中で前線の関係性からチャンスを作りにいく。
とにかくウルブスは試行回数勝負。迷わずボックス内にクロスを入れることでユナイテッドを繰り返し殴っていく。前半追加タイムのベルガルドのゴールはまさに試行回数の賜物と言えるだろう。
だが、後半は再びペースはユナイテッドに。右サイドからガンガン背後を取って猛攻を仕掛ける。中盤でフリーマンを作ってスムーズに背後を取る形を作り続けると前半もあったダロトの抜け出しでジョンストンの飛び出しを誘発。無人のゴールにムベウモが流し込んでリードを再び得る。
ここからは完全にペースはユナイテッド。ブルーノが生き生きするような速攻祭りが開催できる中盤のスペースが生まれ、ガンガンユナイテッドは縦に進んでいくように。前線を囮にマウントが後方から飛び出して生んだ3点目までいつユナイテッドに追加点が生まれてもおかしくない時間帯だった。
4点目となるハンドでのPKでモリニューの観客の多くはグラウンドに背を向けてスタンドから去る素振りを見せる。冷え込みが始まった冬のようにウルブスにとっては非常に厳しい敗戦となった。
ひとこと
後半はワンサイド。ユナイテッドの勝ち以外はありえない内容だった。
試合結果
2025.12.8
プレミアリーグ 第15節
ウォルバーハンプトン 1-4 マンチェスター・ユナイテッド
モリニュー・スタジアム
【得点者】
WOL:45+2′ ベルガルド
Man Utd:25‘ 82′(PK) ブルーノ・フェルナンデス, 51′ ムベウモ, 62′ マウント
主審:マイケル・サリスバリー
第16節 ボーンマス戦(H)

大味な打ち合いに勝者はなし
大型の連勝こそないものの、ジリジリと順位を上げているユナイテッド。今節の相手は対照的に順位をジリジリと下げているボーンマスだ。
序盤から試合はオープンな展開でスタート。とにかく人を捕まえることに主眼をおいている守備の中で優位を見出すことができていたのはユナイテッド。右サイドから背後を取ることで押し下げる局面を作り出してくる。
セットプレーやクロスにおいて目についたのはボーンマスのGKであるペドロヴィッチの飛び出しの危うさ。ボックス内での甘い対応も相まって、アバウトなクロスでもユナイテッドは簡単にチャンスを作っていた。先制ゴールは案の定クロス対応の甘さから。左サイドから入ってくるクロスに対してボックス内でボーンマスは対応ができず、ユナイテッドに先制点を許す。
ボーンマスはハイテンポなハイプレスでハイリスクハイリターンの攻防が続いていく形。基本的には序盤はボーンマスが少し損するような勘定になっていたが、ユナイテッドは少しずつ右サイドの守備ユニットの重さが目立つようになり、徐々に後手を踏むシーンが出てくる。
ユナイテッドの脆さが出たことで試合はアグレッシブというよりは間延びした冗長な展開に。そうした中でチャンスをものにしたのはボーンマス。左サイドのパスワークの詰まりを咎めると、そこからのカウンターで角度のあるところからゴールを仕留めたのはセメンヨ。40分に同点ゴールを決める。
しかし、前半終了間際にユナイテッドは追加点。セットプレーからファーのカゼミーロがヘディングを叩き込んでリード。ボーンマスはまたしても空中戦での対応がうまくいかなかった。
追いかけるボーンマスは後半早々にゴール。CBの間をかち割るタヴァニア→エヴァニウソンのパスから入り込んでいき、そのままラマースのゴールを破る。
勢いに乗ったボーンマスは直接FKから追加点。タヴァニアのゴールは壁の間をすり抜けてGKには反応が難しい軌道でゴールを貫いてみせた。
逆転をしたところで試合は前半のようなオープンさがどちらに転がるかがわからない展開に。大味な流れの中でまたしても流れを変えたのはセットプレー。ブルーノ・フェルナンデスの一撃で再びユナイテッドは同点。直接FKのお返しで試合を振り出しに戻す。
2分後にクーニャのゴールで逆転したユナイテッドだが、クルーピが5分後にゴールを返して再び試合は同点に。どちらのゴールもCBの対応に疑問が残る流れとなってしまった。大味のまま終盤まで進んだ試合は引き分けで決着することとなった。
ひとこと
1試合で2本の直接FKが生まれるのはとても珍しい。
試合結果
2025.12.15
プレミアリーグ 第16節
マンチェスター・ユナイテッド 4-4 ボーンマス
オールド・トラフォード
【得点者】
Man Utd:13′ ディアロ, 45+4′ カゼミーロ, 77′ ブルーノ・フェルナンデス, 79′ クーニャ
BOU:40′ セメンヨ,46′ エヴァニウソン, 52′ タヴァニア, 84′ クルーピ
主審:サイモン・フーパー
第17節 アストンビラ戦(A)

止まらないビラとロジャース
連勝が止まらないアストンビラ。ユナイテッドに勝利を飾れば7連勝。CL出場権争いにおいても大きなアドバンテージを得ることができる。
序盤から試合はスピーディーな展開。ワンサイドカットで追い込んでいくユナイテッドに対して、アストンビラは早めのロングボールでの対抗。左のCBのトーレスが不在だったということと、最近のユナイテッドのバックラインの不安定さを踏まえればとっとと前につけてしまった方がいいという判断だろう。実際にワトキンスはヨロやヘヴンにとってはめんどくさそうな相手になっていた。
一方のユナイテッドも前線にシンプルにつける形から前進。シェシュコがボールを触ってのポストから直線的にゴールに向かっていく形はいかにもレッドブルのリズム。こちらもアンカー役のウガルテが試合開始早々に危ういミスをしたことで中盤を経由するのがリスクと捉えられた可能性がある。
少しずつボールを持つ機会が増えていく両チーム。押し込む状況からチャンスを探る機会が多かったのはユナイテッドの方。左右に揺さぶりつつ、中央でミドルを放つ形を作れればミドルのチャンスが増える格好。
しかし、その形でゴールをこじ開けたのはアストンビラ。ロジャーズが左サイドから右足を一閃。見事なミドルは絶好調の証。だが、こうしたゴールは最近のプレミアではお馴染みの光景。寄せられなかったヨロの対応には疑問が残ると言わざるを得ない。
だが、ユナイテッドもハイプレスから同点。左サイドでキャッシュを捕まえると、角度のないところからクーニャがゴール。同点でハーフタイムを迎える。
後半、ユナイテッドはブルーノに代えてリサンドロ・マルティネスを投入。中盤のフィルターの機能性は上がった一方で配球では中盤でボールを引っ掛けてしまうなど苦戦が続く。
プレスを鎮静化してボールを握ったアストンビラは再びロジャースから勝ち越し。またしても寄せが甘くなったユナイテッドのDF陣の隙を見逃さずにゴールをゲット。再度一歩前に出る。
追いかける格好となったユナイテッドは左右からのクロスでチャンスを作りにいくが、マルティネスに阻まれたりゴールにシュートが飛ばなかったり。なかなかゴールを掴むことができない。
最後の手段として前線に投入されたレイシーは活きの良さを感じるミドルを放ったが、決め手にはならず。好調のアストンビラを止めることができないユナイテッドはCL出場圏のラインが遠ざかる敗戦を喫してしまった。
ひとこと
ロジャースへの甘い対応は今のプレミアでは簡単に致命傷となる。
試合結果
2025.12.21
プレミアリーグ 第17節
アストンビラ 2-1 マンチェスター・ユナイテッド
ビラ・パーク
【得点者】
AVL:45′ 57′ ロジャース
Man Utd:45+3′ クーニャ
主審:マイケル・オリバー
第18節 ニューカッスル戦(H)

奇襲で先手を奪い2ヶ月半ぶりのクリーンシート
今年、唯一ボクシング・デー当日に組まれたプレミアのカード。マンチェスター・ユナイテッドがオールド・トラフォードにニューカッスルを迎える試合だ。
放送席によるとウォーミングアップでは異なる形で練習していたようだが、アモリムは奇襲という形で4-4-2を採用。ドルグを右SHに置き、あたかも普段着のフォーメーションができそうな面々で4-4-2を敢行する。ニューカッスルの初期セットはマーフィーをWBに置く5-4-1ベース。おそらくはマンチェスター・ユナイテッドの陣形に噛み合わせるような形の準備をしてきたのだろう。
そういう意味で外された側だったのはニューカッスル。中央ではCHにプレッシャーをかけていきたいが、背後のマウントが気になってしまいなかなか前に出ていくことができない。逆に保持では後方がバタバタ。3-1-6に変形するのだが、低いところでのミスが出てしまい、リズムを掴むことができない。
相手にボールを持たせるシーンでは逆にミドルゾーンでのカットからカウンターで敵陣に出ていくケースが増えていくマンチェスター・ユナイテッド。クーニャがカウンターを牽引し、縦に速い攻撃を敢行する。
流れを作ったマンチェスター・ユナイテッドはセットプレーから先制。ロングスローの二次攻撃としてドルグが見事なミドル。加入後初ゴールを決める。
以降もペースはマンチェスター・ユナイテッド。ヴォルテマーデにヘヴンがきっちり寄せるあたりは前節にロジャースに好き放題やられた反省を生かしている感がある。
後半の頭にペースを掴んだのはニューカッスル。マンチェスター・ユナイテッドは前からのプレッシングがあまりハマらず、左右に動かされてガンガンクロスを入れられてしまう展開。
押し込むニューカッスルにとって想定外だったのはセットプレーでチャンスが少ないこと。ラマースは少し危うい対応もあったが、フィールドプレーヤーでのデュエルではマンチェスター・ユナイテッド側が完勝。数多くの機会を得ながらも先にボールを触ることができない。
CB色の強いメンバー交代でさらに守りを強めるマンチェスター・ユナイテッド。左右のSHもダロトとドルグという守備的な選手が並んだが、逆に縦に運ぶというシンプルなタスクで反撃に出れていたのは興味深い。
ただ、CBを増やした分の守備の強度に繋がっていたかは怪しいところ。ニューカッスルの右のハーフスペースなど、人が多いのが裏目に出るようなラインの破られ方をしていた。
時折、カウンターベースで決定機を迎えながらも最後は受ける展開となったマンチェスター・ユナイテッド。不思議なクローズの采配をしながらも逃げ切りに成功し、10月4日以来のクリーンシートでの勝利を達成した。
ひとこと
10月のクリーンシートの勝利はサンダーランドとのホームゲーム。タイン・ウェア組とのホームゲームでしかクリーンシートを取れていない。
試合結果
2025.12.26
プレミアリーグ 第18節
マンチェスター・ユナイテッド 1-0 ニューカッスル
オールド・トラフォード
【得点者】
Man Utd:24‘ ドルグ
主審:アンソニー・テイラー
第19節 ウォルバーハンプトン戦(H)

思ったよりも出なかった差
序盤から苦戦が続きここまで未勝利のウルブス。前節のアンフィールドではすでにプレミアでの開幕からの未勝利記録を更新。この試合に勝てなければ2025年内での今季初勝利は叶わないものとなる。
序盤からボールを持つのはユナイテッド。この試合のユナイテッドは4-4-2か5-4-1か判別が難しいところ。基本的には5-4-1ベースで動いていたということでいいだろう。ポゼッション時はダロトを片上げする3-2-5が基本形となった。
噛み合うようなポジション繰りになったが、チャンスを作っていたのは左サイドで起点となったクーニャ。彼以外にもトップのシェシュコが左に流れるなど、ウルブスのこのエリアは狙い目に。ユナイテッドは一方的なポゼッションから押し込むとセットプレーからチャンスを作っていく。
手応えがあった左サイドでは徐々にショーがSBのように振る舞うなどチャンスを作っていく。押し込むフェーズをさらに強化するユナイテッドは34分に先制点。ザークツィーが強引なシュートを放つとこれが跳ね返ってゴールを生み出す。
ウルブスはアロコダレへの長いボールで陣地回復をするスタート。ただ、意外とウルブスはボールを持つターンになれば時間をかけてユナイテッドを押し込みながらチャンスを作っていくことも。時間帯次第ではポゼッションで優位を取る時間もあったと言えるだろう。
こういう機会を招いたのはユナイテッドの守備陣の寄せの甘さが一因だろう。チェックが甘くなってしまったことで押し込まれるようなフェーズに追い込まれてしまう。
ヒチャンのサイドフローから左サイドで布陣のギャップを作ったウルブスはサイドからクロスでボックス内を襲撃。決定機とも言えるチャンスを重ねていくと、前半終了間際にセットプレーからクレイチーがゴール。前半終了間際に同点に追いつく。
後半、ユナイテッドはポゼッションから巻き返しを敢行。サイドで深さを取ることで敵陣いに押し込んでいくところからのスタートに。ショウはSBロールに専念し、引き続き左サイドでは人数をかけた崩しを行っていく。
一方のウルブスもセットプレー由来からチャンス。直前にバックパスから決定機を献上してしまったモスケラは敵陣のゴールもあわやというシュートを放ってみせた。
終盤は押し込むユナイテッド。ドルグが前節に続きネットを揺らすが、これはオフサイド。2試合連続のヒーローになり損ねたところで試合はタイムアップ。ユナイテッドは最下位のウルブスに痛恨のドローを喫した。
ひとこと
ユナイテッド優勢の試合ではあったが、思ったほど両チームに差はなかったかなという感じ。モリニューでの対戦時ほどウルブスが失点後に大崩れしなかった。
試合結果
2025.12.30
プレミアリーグ 第19節
マンチェスター・ユナイテッド 1-1 ウォルバーハンプトン
オールド・トラフォード
【得点者】
Man Utd:27′ ザークツィー
WOL:45′ クレイチー
主審:トーマス・ブラモール
第20節 リーズ戦(A)

アグレッシブさは買いたいが・・・
前節はウルブスにホームで引き分けという結果になってしまったマンチェスター・ユナイテッド。苦しい台所事情ではあるが、因縁のリーズとの一戦で結果をなんとしても出したいところだろう。
序盤から目立ったのはリーズのハイプレス。3-4-2-1っぽいミラーフォーメーションからシュタハがクーニャがタイトにマークにいくなど、エランド・ロードを序盤から盛り立てるプレーを見せている。
マンチェスター・ユナイテッドはシャドーのカラーがこういうマンツーを外していくアクションに向いていない。唯一、ここに適性がありそうなクーニャがプラス湾として懸命に中盤に顔を出し続けてなんとかバグを作っていく。右サイドの選手たちもローテを敢行しながら、なんとかフリーの選手を作っていく。
押し込むことができたマンチェスター・ユナイテッドだが、CHに司令塔的なカラーがおらず幅を使った攻撃に移行するのに苦戦。クーニャがミドルで足を振ることができればそれが一番の決定機になりそうではあったが、なかなかそうした形を作るのには苦労していた。
一方のリーズはキャルバート=ルーウィンへのロングボールをベースに前進を狙う。当然ここはマンチェスター・ユナイテッドも織り込み済みでなるべく挟み込むような対応をしていた。相対的に警戒をしていないという意味ではアーロンソンの前を向いた時のキャリーが推進力になっていた。
敵陣まで進むことができればキャルバート=ルーウィンの空中戦で対抗できるリーズ。ただ、敵陣にキャリーができる頻度はそこまで高くなかった。保持では有利なマンチェスター・ユナイテッドも手応えある形を作れず。試合はスコアレスでハーフタイムを迎える。
後半の頭は前半の立ち上がりと同じ。リーズが高い位置からプレスをかけることでチャンスを探っていく。マンチェスター・ユナイテッドは依然として前進に苦戦。左サイドからのクロスをシェシュコがヘディングで捉えたシーンは枠外でオフサイド。ぽっかりと空いただけに触る手前のところとシュート精度の両面で勿体無さがあった。
高い位置まで進んでいくリーズはセットプレーからチャンスメイク。GK周辺に人を置くことでラマースに肉弾戦を挑んでいく。
前半と同じくテンションは徐々に落ち着いていく傾向となったこの試合。だが、緩急をつけて速攻を見せたリーズが先制。ファストブレイクから抜け出したアーロンソンが先制点を生み出す。ここまではスライドでカバーしていたマンチェスター・ユナイテッドのDF陣だったが、ここはアーロンソンのスピードに軍配が上がった。
しかし、マンチェスター・ユナイテッドもすぐに同点。交代で入ったザークツィーがクーニャのゴールをお膳立て。相手のDFもGKも届かないところに見事に置くスルーパスでアシストを決める。
このゴールで試合のテンションはアップ。ユナイテッドは交代で変わった前線のユニットから勢いを増していく。リーズも前線の入れ替えでこの流れに乗り、終盤はアグレッシブな展開に。田中も体を当ててのボール奪取からリーズの前進に貢献する。
だが、アタッキングサードで決め手となるプレーは生まれず。試合はドローでの決着となった。
ひとこと
意気込みは感じるのだけども、クオリティが追いついてきていない時間帯が少し長かったように思えた。
試合結果
2026.1.4
プレミアリーグ 第20節
リーズ 1-1 マンチェスター・ユナイテッド
エランド・ロード
【得点者】
LEE:62′ アーロンソン
Man Utd:65′ クーニャ
主審:ジャレット・ジレット
第21節 バーンリー戦(A)

監督が代わっても流れは変わらず
年末年始はなかなか勝ちきれない試合が続くユナイテッド。今節の相手はバーンリー。ダレン・フレッチャー暫定監督のもと、上昇のきっかけをつかみたい。
この日は4バックでスタートしたユナイテッド。ビルドアップから5-4-1で受けるバーンリーの攻略の糸口を探していく。
バーンリー目線で少し苦しんでいた感があったのは大きく動くブルーノとウガルテ。この2人が捕まらないことで高い位置からプレスを捕まえることができず。ただ、ユナイテッドもそこからの作りはややシンプル。サイドに枚数をかけて裏抜けをつくって奥を取ってはいたが、単純で相手からすると先読みがしやすい。
こうなると出し手と受け手の質が問われる感。ブルーノのようにわかっていても通せるパスの速さを持っているか、受ける側がドルグのように抜け出す速さを持っているかは欲しいところである。
ユナイテッドは非保持でも積極策。前からのチェイシングでバーンリーのビルドアップを阻害する。しかし、バーンリーが左サイドから進撃していくと、CB-SBのチェーンが切れたところからピレスがオウンゴールを誘発。失点自体は不運だったが、危うい状況を引き起こしたのは自己責任といえるユナイテッドの対応だった。
それでも少しずつ押し込むユナイテッド。左右からガンガンクロスとシュートを放っていくが、なかなかスコアを動かせず。ドゥブラーフカの奮闘もあり、試合はバーンリーのリードでハーフタイムを迎える。
後半、ユナイテッドは早々に同点。ブルーノのパスに反応し、相手の背中を取ったシェシュコがゴールを決めて追いつく。さらにセットプレーからチャンスを作るなど、ユナイテッドは攻勢を強めていく。
すると、またしてもゴールはユナイテッド。左サイドでウガルテのサポートを受けて抜け出したドルグからゴールを決めたのはシェシュコ。ついにユナイテッドは逆転に成功する。
しかし、このまま勝ち切ることができないのが今のユナイテッド。ぬるっとバーンリーにポゼッションを許すと、ライン間のアンソニーにミドルを決められる。ショウとマルティネスの間にきれいにエアポケットに入ってしまった感があった。
プレスからリズムを作ることができないユナイテッドはすぐに主導権を取り返せず。バーンリーも前から捕まえに行く元気はなかったため、試合はターン制のポゼッションとなる。
最後はツインタワーにレイシーのミドルと押し込んだユナイテッドがゴールに迫るが、1ポイントでOKと割り切ったバーンリーをこじ開けることができず。監督を変えても流れが変わらないユナイテッドは勝ち切ることができなかった。
ひとこと
時折圧倒的に重くなる守備がユナイテッドの気になるところ。
試合結果
2026.1.7
プレミアリーグ 第21節
バーンリー 2-2 マンチェスター・ユナイテッド
ターフ・ムーア
【得点者】
BUR:13’ ヘヴン(OG), 66‘ アンソニー
Man Utd:50’ 60‘ シェシュコ
主審:スチュアート・アットウェル
第22節 マンチェスター・シティ戦(H)

欧州カップ出場権確保に向けて好スタート
キャリックが帰還し、残されたリーグ戦17試合を欧州カップ戦の出場権を目指して戦う今シーズンのユナイテッド。そんなキャリックの就任初戦に立ちはだかるのはローカルライバルのシティ。冬の大型補強から上昇気流に乗るためにも、まずはライバルを倒しておきたいところだ。
序盤から試合はバタバタ。セットプレーからのマグワイアからの決定機を皮切りに落ち着かない展開が続く。シティは自陣でのミスが多く、ユナイテッドがボールを高い位置から奪って優勢に進めていたかと思いきや、両SBがあまり意味のないタックルで警告をもらうなどシティとは違う切り口の変な流れを生み出していた感があった。
落ち着いたところでボールを持つのはシティ。配置での駆け引きは控えめにしつつ、シンプルにサイドにボールを預ける形から前進を狙っていく。インサイドへの縦パスもなくはないが、ベルナルドとフォーデンは割と簡単にボールを外に叩いていた。WGとの1on1という形はシティの狙い通りかもしれないが、ユナイテッドの両SBは1on1を受け入れてきっちりと止めていた感があった。
ならば、インサイドで工夫をしたいシティだが、フォーデンはタッチ数が増えるとメイヌーにボールを奪われてしまうし、ロドリのパスが列を超える回数も少ない。内側で下手なロストをしてしまうとカウンターからピンチになるので、結局シティは安全な外にボールをつけて1on1から試行回数を重ねていくが、なかなか打開ができないという展開だった。
ユナイテッド目線で言えばCHのスライドが見事。縦にパスを入れられた時の素早いカバーとそこからのカウンターの起点としての役割をこの日のメイヌーとカゼミーロはよく果たしていた。特にこの日がリーグ戦初めてのスタメンのメイヌーは見事なパフォーマンスだった。
ブルーノにボールを預けつつ、左右のアタッカーの攻撃を活かす形。左ではドルグのスピードが、右ではタイミングを測ったダロトのオーバーラップが効果的。フサノフの緊急対応やドンナルンマのセーブによってシティはピンチを凌ぐ。
中でも綱渡り感があったのはオフサイド。相手が大外にいるケースなど結構博打感があるところでのオフサイド奪取でシティはなんとか首の皮をつないでいた感があった。
ブルーノを軸に左右のサイドのスピードを活かすというプランがはまったユナイテッド。しかし、リードは奪えないままハーフタイムを迎える。
後半、シティは2枚の交代を敢行するが引き続きペースはユナイテッド。早々に右サイドのダロトの攻撃参加から厚みを作り出していく。
個人的に気になっていたのは左SBのオライリーの投入。守備の手当てという交代ではないのは明らかだったので、まずは単純に晒され続けてカードをもらってしまうという状況自体がチームとして彼の投入を活かせる流れに持っていけなかった感がある。
加えて、今季のシティでオライリーが攻撃で輝いていたケースはインサイドレーンに絞るドクを外からオライリーが追い越す形。だが、この試合はオライリーが入ってもドクは張り続けておりポジションバランスを変える感じは見えなかったので、率直にいって何がしたいのかわからなかった。後半になってシティは多少左右のハーフスペース突撃のフリーランは増えたが、ディアロにひたすらオライリーが突っつかれ続けるというマイナスに比べれば、増えたプラスは微々たるもののように思える。
ドンナルンマの奮闘でなんとか踏ん張るシティだが、ユナイテッドはついにセットプレーからのカウンターで勝ち越し。フサノフが動くまでリリースを待つことができたブルーノのエスコートでムベウモがドンナルンマを打ち砕いた。シティは前半から良くなかったセットプレーのキックの精度と中盤のすれ違いがついに失点という形で爆発してしまった。
以降も反撃の兆しが見えないシティに対して、ユナイテッドは右サイドからトドメ。オライリーのところをクーニャが縦に突破したところの折り返しでドルグが追加点を奪う。
ドルグはサイドの選手なので、ポジション的にはルイスが絞らなければ!ということはあるのかもしれないが、個人的にはこの失点はフサノフが気になるところ。おそらくは低い位置をとるブルーノを気にしたのだと思うが、あそこまでクーニャに縦に行かれたらもうマイナスの優先度は下げていいはずなので、ラインを下げる判断を早急にしたかった。
あの形の縦突破でインサイドに1枚しかいないターゲットをSBが絞らなきゃミスになるって時点でイマイチだと思う。この試合ではアジリティを生かしたいいプレーもあったフサノフだが、この場面ではシンプルに経験不足を感じた。
2失点をしたことでグアルディオラは完全に白旗の交代。カウンターで延々と殴られる苦しい時間を過ごすだけとなり、ユナイテッドは優雅なウイニングランを残り時間で過ごす。キャリックは就任初戦でローカルライバルを破り、欧州カップ戦確保に向けた好スタートを切った。
ひとこと
ユナイテッド、きっちりと守備ブロックを仕上げてきた。シティはチームとして前半から良くはなかったが、オライリー投入がかなり敗着の一手だった感。投入の意図が気になるところだった。
試合結果
2026.1.17
プレミアリーグ 第22節
マンチェスター・ユナイテッド 2-0 マンチェスター・シティ
オールド・トラフォード
【得点者】
Man Utd:65′ ムベウモ, 76′ ドルグ
主審:アンソニー・テイラー
第23節 アーセナル戦(A)

逆転でのCL出場権に大きな追い風
レビューはこちら。

リーグ戦未勝利を2で止めたいアーセナル。対するユナイテッドはキャリック就任による上昇気流をさらに高めたいところだ。
アーセナルに保持に対してユナイテッドはSHをSBについていく形で前節よりも4-4-2をキープすることにこだわらない。その分、アーセナルのCBにはボールを運ばれるシーンもあった。右のサカには1on1で勝負を仕掛けられるシーンもあったが、エンドライン側からの突破はユナイテッドの味方のカバーもありなんとか防ぐことに成功する。
それでもサイドのキャリーを許すことが結局は失点につながってしまったユナイテッド。左サイドからインカピエに運ばれてしまうと、そこからのクロス対応のバタバタでオウンゴールを誘発。左右に揺さぶられてしまった分、中央のスペース管理が甘くなってしまった。
しかし、ユナイテッドはプレスを強化するとスビメンディのバックパスのミスを誘発。プレゼントパスをもらったムベウモが同点ゴールを決める。
このゴールをきっかけにポゼッションからナローなスペース崩しに手応えを得たユナイテッド。自陣側にアーセナルのCHを誘因しながらハーフスペースに縦パスを差し込み、そこからの連携で敵陣に入り込み決定機を作る。アーセナルはプレスのきっかけを作れないまま前半を終えてしまい、スコア上の優位も内容的な優位を手放したところからハーフタイムを迎える。
後半も流れは変わらず。ユナイテッドの方がアーセナルの守備を空転させながら機能的に前進をすることに成功。2得点目はまさにその真骨頂と言えるパスワーク。ブルーノとドルグの見事な連携からスーパーなミドルで逆転する。
アルテタは直後に4枚交代を敢行。しかしながら、ビルドアップの機能性はなかなか改善せず。高い位置にボールを運ぶことが特に安定した様子はなし。平時から大幅にメンバーを入れ替えた影響もあり、ユニットでのサイド攻撃も機能性を出せない状態が続く。
それでもセットプレーからの同点ゴールはアーセナルの意地だろう。4枚交代のうちの1つであるメリーノの投入がボックス内の強化をもたらしたことは確かだ。
だが、ユナイテッドはシェシュコのポストから再び中央を切り拓く。空いたゾーンからミドルを叩き込んだのはクーニャ。数分で再びリードを取り返し今季初めてのエミレーツ制圧を達成したユナイテッド。逆転でのCL出場に大きな追い風を得る3ポイントを手にした。
ひとこと
ワンポイント攻略に特化したシティ戦に比べるとだいぶ多様なことができるようになったユナイテッド。ここからのリーグ戦が楽しみだ。
試合結果
2026.1.25
プレミアリーグ
第23節
アーセナル 2-3 マンチェスター・ユナイテッド
エミレーツ・スタジアム
【得点者】
ARS:29′ リサンドロ・マルティネス(OG), 84′ メリーノ
Man Utd:37′ ムベウモ, 50′ ドルグ, 87′ クーニャ
主審:クレイグ・ポーソン
