マンチェスター・ユナイテッド【7位】×マンチェスター・シティ【2位】

欧州カップ出場権確保に向けて好スタート
キャリックが帰還し、残されたリーグ戦17試合を欧州カップ戦の出場権を目指して戦う今シーズンのユナイテッド。そんなキャリックの就任初戦に立ちはだかるのはローカルライバルのシティ。冬の大型補強から上昇気流に乗るためにも、まずはライバルを倒しておきたいところだ。
序盤から試合はバタバタ。セットプレーからのマグワイアからの決定機を皮切りに落ち着かない展開が続く。シティは自陣でのミスが多く、ユナイテッドがボールを高い位置から奪って優勢に進めていたかと思いきや、両SBがあまり意味のないタックルで警告をもらうなどシティとは違う切り口の変な流れを生み出していた感があった。
落ち着いたところでボールを持つのはシティ。配置での駆け引きは控えめにしつつ、シンプルにサイドにボールを預ける形から前進を狙っていく。インサイドへの縦パスもなくはないが、ベルナルドとフォーデンは割と簡単にボールを外に叩いていた。WGとの1on1という形はシティの狙い通りかもしれないが、ユナイテッドの両SBは1on1を受け入れてきっちりと止めていた感があった。
ならば、インサイドで工夫をしたいシティだが、フォーデンはタッチ数が増えるとメイヌーにボールを奪われてしまうし、ロドリのパスが列を超える回数も少ない。内側で下手なロストをしてしまうとカウンターからピンチになるので、結局シティは安全な外にボールをつけて1on1から試行回数を重ねていくが、なかなか打開ができないという展開だった。
ユナイテッド目線で言えばCHのスライドが見事。縦にパスを入れられた時の素早いカバーとそこからのカウンターの起点としての役割をこの日のメイヌーとカゼミーロはよく果たしていた。特にこの日がリーグ戦初めてのスタメンのメイヌーは見事なパフォーマンスだった。
ブルーノにボールを預けつつ、左右のアタッカーの攻撃を活かす形。左ではドルグのスピードが、右ではタイミングを測ったダロトのオーバーラップが効果的。フサノフの緊急対応やドンナルンマのセーブによってシティはピンチを凌ぐ。
中でも綱渡り感があったのはオフサイド。相手が大外にいるケースなど結構博打感があるところでのオフサイド奪取でシティはなんとか首の皮をつないでいた感があった。
ブルーノを軸に左右のサイドのスピードを活かすというプランがはまったユナイテッド。しかし、リードは奪えないままハーフタイムを迎える。
後半、シティは2枚の交代を敢行するが引き続きペースはユナイテッド。早々に右サイドのダロトの攻撃参加から厚みを作り出していく。
個人的に気になっていたのは左SBのオライリーの投入。守備の手当てという交代ではないのは明らかだったので、まずは単純に晒され続けてカードをもらってしまうという状況自体がチームとして彼の投入を活かせる流れに持っていけなかった感がある。
加えて、今季のシティでオライリーが攻撃で輝いていたケースはインサイドレーンに絞るドクを外からオライリーが追い越す形。だが、この試合はオライリーが入ってもドクは張り続けておりポジションバランスを変える感じは見えなかったので、率直にいって何がしたいのかわからなかった。後半になってシティは多少左右のハーフスペース突撃のフリーランは増えたが、ディアロにひたすらオライリーが突っつかれ続けるというマイナスに比べれば、増えたプラスは微々たるもののように思える。
ドンナルンマの奮闘でなんとか踏ん張るシティだが、ユナイテッドはついにセットプレーからのカウンターで勝ち越し。フサノフが動くまでリリースを待つことができたブルーノのエスコートでムベウモがドンナルンマを打ち砕いた。シティは前半から良くなかったセットプレーのキックの精度と中盤のすれ違いがついに失点という形で爆発してしまった。
以降も反撃の兆しが見えないシティに対して、ユナイテッドは右サイドからトドメ。オライリーのところをクーニャが縦に突破したところの折り返しでドルグが追加点を奪う。
ドルグはサイドの選手なので、ポジション的にはルイスが絞らなければ!ということはあるのかもしれないが、個人的にはこの失点はフサノフが気になるところ。おそらくは低い位置をとるブルーノを気にしたのだと思うが、あそこまでクーニャに縦に行かれたらもうマイナスの優先度は下げていいはずなので、ラインを下げる判断を早急にしたかった。
あの形の縦突破でインサイドに1枚しかいないターゲットをSBが絞らなきゃミスになるって時点でイマイチだと思う。この試合ではアジリティを生かしたいいプレーもあったフサノフだが、この場面ではシンプルに経験不足を感じた。
2失点をしたことでグアルディオラは完全に白旗の交代。カウンターで延々と殴られる苦しい時間を過ごすだけとなり、ユナイテッドは優雅なウイニングランを残り時間で過ごす。キャリックは就任初戦でローカルライバルを破り、欧州カップ戦確保に向けた好スタートを切った。
ひとこと
ユナイテッド、きっちりと守備ブロックを仕上げてきた。シティはチームとして前半から良くはなかったが、オライリー投入がかなり敗着の一手だった感。投入の意図が気になるところだった。
試合結果
2026.1.17
プレミアリーグ 第22節
マンチェスター・ユナイテッド 2-0 マンチェスター・シティ
オールド・トラフォード
【得点者】
Man Utd:65′ ムベウモ, 76′ ドルグ
主審:アンソニー・テイラー
サンダーランド【10位】×クリスタル・パレス【13位】

後半に出た地力の差
少しずつAFCON勢が戻ってきているサンダーランド。メンバーも苦しかった頃に比べると、かなり組めるようになったなという印象だった。
サンダーランドのビルドアップは3枚のバックラインが基本線。3バックをストレートで使うというよりはアルデレーテ、バラートに加えて左サイドに落ちるアクションをするサディクから組み立てている。
左サイドの可変成分は変わらずで逆サイドからル・フェが顔を出すことも。右サイドはムキエレとヒュームが押し上げられて高い位置を取っていく。攻撃の引き出しの多様性はだいぶ戻ってきている感があり、やや毛色の異なるサイド攻撃に加えて、CBのキャリーも。あまり前から捕まえに来ないパレスのプレス隊に対して、豪快な攻め上がりから中央を切り開いているケースもあった。
非保持に回ったサンダーランドはジリっとワンサイドをカットする形で同サイドに追い込むような形を組んでいく。パレスはやや閉じ込められた感があったが、右サイドからではデベニーがインサイドに切り込むなど、ムニョスにはないものを模索している感。サールがいない分、インサイドも細かいアクションからのパスワークにトライする。
個人的には悪くないアプローチだなと思った。ウォートンが孤軍奮闘している感があった縦パスの受ける出すアクションにも手と手を取り合っている感じが出てきている。
先制点はやや意外な形。セットプレーからピノのゴールは少し見ている側としても外されたような感じ。どちらかというと押し込まれた側のパレスが先に試合を動かす。
だが、すぐにサンダーランドが反撃。3分後に右サイドからムキエレが縦に進み、そこからの折り返しをル・フェがあっさりと押し込んでゴールを決める。
後半、サンダーランドはゆったりとボールを持つ流れ。前半よりもインサイドのブロビーの強引なポストが存在感を増していく。もちろんサイドも攻撃も相変わらず活用。インサイドとバランスよく使いながら敵陣に押し込んでいく。
パレスもミッチェルへのロングボールなど縦に速い展開を作り出していくなど、食らいついていきたいところではあるが、後半のジリ貧問題は重たく徐々にペースはサンダーランドに流れていく。
押し込む機会を得たサンダーランドはヘイニウドとブロビーの反転でボックス内に侵入し、見事なゴールを仕留める。以降も一方的に押し込むことでテンポを握る。パレスも縦に推進力を出していくが、浮き玉を縦に繋ぐことでサンダーランドがやり返すなど得点の機会はサンダーランドが優位。セットプレーも含めてさらなるゴールを狙っていく。
終盤は主導権を握ったサンダーランドが順当に競り勝つことに成功。引き分け続きの試合の中でようやく勝ち点3を手にした。
ひとこと
終盤は特に力の差が出た展開だったかなという感じ。
試合結果
2026.1.17
プレミアリーグ 第22節
サンダーランド 2-1 クリスタル・パレス
スタジアム・オブ・ライト
【得点者】
SUN:33′ ル・フェー, 71′ ブロビー
CRY:30′ ピノ
主審:ロベルト・ジョーンズ
チェルシー【8位】×ブレントフォード【5位】

リーグ初陣も好発進
カップ戦でいい手応えを掴んだロシニアー。リーグ初戦となる今節はブレントフォードが対戦相手。イゴール・チアゴを旗振り役として年末年始のプレミアを駆け抜けた勢いのあるチームだ。
序盤からカヨーデの右サイドを抉る攻撃を耐えたチェルシーは少しずつポゼッションを増やしていく。今日の陣形はSBがほんのりとポジションを動かす形。ジェームズはインサイドに絞っていく。ネトは大外に張るケースが少なくないので、彼のサイドのSBは幅をとらなくてもいいタスクなのかもしれない。
左サイドは比較的重めにポジションを取りながら細かく手数をかけていく形。出口としてハーフスペースに突撃するジョアン・ペドロなどはロシニアーっぽい攻撃の作り方。相手のハイプレスに対してはククレジャがIHのような位置でロングボールを受けるケースもあったが、基本的には稀。チェルシーは丁寧に押し込むところから抜け出す選手を作っていく。
ブレントフォードはボールを奪ったところからのファストブレイクでチャンスメイク。抜け出すシーンまではスムーズなシャーデだったが、この日はシュートが湿りがち。縦に速い攻撃から迎えたチャンスを仕留めることができない。
時には相手を引きつけて、速攻の場面を擬似的に作っていくブレントフォード。しかし、自陣を脱出するケースでミスが。カヨーデが自陣で引っ掛けてしまい、ジョアン・ペドロにショートカウンターを仕留められ、チェルシーに先制ゴールを許すこととなった。
ゆったりとしたポゼッションでもククレジャを釣り出した背後のスルーパスなど、狙いどころを見つけることができていたブレントフォード。チェルシーも右の大外のネトからファーのガルナチョというアーセナル戦を彷彿とさせる場面を迎えるが、このシーンでは枠内にシュートを持っていくことができなかった。
後半、ブレントフォードはハイプレスからテンポの巻き直しを敢行。チェルシーはネトへのロングボールなど割り切りを見せて手数をかけない形での反撃に挑む。
押し込む局面は安定して作ることができたブレントフォード。アタッカー色の強い選手はサイドにおいていなかったが、ハーフスペースの突撃でボックス内にクロス。クロスもファーサイドを集中して狙うことで相手の対応に手を焼かせていた。トランジッションから決定的なチャンスを作る場面もあったが、これはサンチェスの見事な足技でセーブに成功する。
ぬるっと押し込みながらもスコアを動かすことができないブレントフォード。そんな彼らにダメを推したのが途中出場のデラップ。ハイプレスから相手のパスをかっさらい、ケレハーからPKを奪取。このPKをパーマーが仕留めてリードを広げる。
2点目で勝負を決めた感があったチェルシー。ゆったりとした終盤戦を過ごし、ロシニアー就任後のリーグ戦初勝利を決めた。
ひとこと
チェルシーはしたたかに試合を決めた感。うまくブレントフォードのミスを誘った。
試合結果
2026.1.17
プレミアリーグ 第22節
チェルシー 2-0 ブレントフォード
スタンフォード・ブリッジ
【得点者】
CHE:26′ ペドロ, 76′(PK) パーマー
主審:ジョン・ブルックス
リバプール【4位】×バーンリー【19位】

見えた後方ユニットの隙を咎められる
年末年始は停滞感が先行。そろそろ結果を出していきたいスロットのリバプール。相手を考えても今節は絶対落としたくはないところだろう。
序盤からボールを持つのはリバプール。5-4-1でブロックを組むバーンリーに対して、一方的にポゼッションをする形を取る。インサイドに人を置くところから試合を組み立てていくのがこの日のリバプール。SHのヴィルツも絞り、CHのショボスライも前に出ていくなど縦関係を形成しながらライン間の人を入れ込んでいく。
大外のフリンポンや左のハーフスペースのケルケズなどインサイドを中心とする形では縦への抉るアクションからボックス内に入っていく。それ以外であれば左サイドの大外からカットインするガクポもチャンスを作っていく。
一方のバーンリーはロングボールから入っていくスタート。セカンド回収から中盤がフリーになると、ここからは手数をかけてサイドにボールをつけていく。保持で全体の押し上げに成功するとハイプレスにも移行し、リバプールのポゼッションを咎めにいく。
優位に立ったリバプールは左サイドのカットインから決定的な先制の機会を得ることに成功。ルイスのファウルを誘い、このプレーでPKを呼び込むことに。だが、この場面はショボスライが決めることができず。絶好の得点機会を逃す。
しかし、その数分後にリバプールは先生。再三繰り返した左サイドの突撃を仕上げたのはヴィルツ。見事なコースを狙った一撃で試合を動かす。
後半、リバプールは引き続きポゼッションからスタート。バーンリーはビハインドに追い込まれたこともあり、ローブロックからハイプレスに移行し、より組み合う形にシフトしたと言えるだろう。
それでも押し込むところまでいったリバプール。少し気になったのはややインサイドへの突撃傾向が強すぎることだろうか。個人個人で狭いスペースに特攻していく形は少し無謀な感じを受けた。時折フリンポンが外から広げることはできてはいたが、ナローなスペースの攻略はもう少し味方を生かしながらやっていきたいところだ。
ややリバプールの不安定なところが垣間見えたのは非保持も同じ。ファン・ダイク、アリソンの甘い対応から簡単にピンチを招くなど、バーンリーに隙を見せると、直後に同点ゴールをゲット。コナテがハーフスペースに突撃するエドワーズへのケアが遅れてしまい、アリソンがあっさりと脇を抜かれてしまった。
リカバリーしていきたいリバプールだが、なかなか高い位置からボールを奪う動きのスイッチが入らず、バーンリー相手に押し込むモードに入るまでに時間がかかってしまう。それでも終盤に押し込む状況を作ると、エキティケがネットを揺らすが惜しくもこれはオフサイド。
結局は最後までバーンリーを壊し切ることができなかったリバプール。ホームでも停滞感は拭えず、積み上げる勝ち点は1にとどまった。
ひとこと
後半、リバプールの守備陣の失速が気になったところ。時間帯が長かったわけではないので受け切りたかったが、誰も尻拭いができなかった。
試合結果
2026.1.17
プレミアリーグ 第22節
リバプール 1-1 バーンリー
アンフィールド
【得点者】
LIV:42′ ヴィルツ
BUR:65′ エドワーズ
主審:アンディ・マドレー
トッテナム【14位】×ウェストハム【18位】

崖っぷちダービーの行方を決めた職人技
1月にプレミアに訪れている監督解任ラッシュ。次のチームになるのではないか?と戦々恐々としていそうな両チームによるロンドンダービーだ。
いきなりの空中戦でのデュエルから負傷してしまうなど激しいスタートを予感させる立ち上がり。ウェストハムはハイプレスに捕まえにいくだけでなく、保持においては長いボールからチャンスを作りにいく。
トッテナムはこのハイテンポにあまり乗れていなかった感。保持においてゆったりと3-2-5変形から保持で試合を組み立てようとする。保持においてはテンポを制御しようとする姿勢は悪くなかったけども、非保持においては中途半端についていこうとして置いて行かれてしまった。
先制点となったサマーフィルのゴールはまさにそこが悪い方向に働いた感じ。横断してくるウェストハムの保持に後追いになってしまい、置いて行かれては余計に穴をあけるシーンが増えていた。最後のところで置いて行かれたギャラガーは特に目立っており、完全にサマーフィルの動きに遅れてしまっていた。
反撃に出たいトッテナムはサイドアタックからテルがチャンスメイク。サマーフィルと同じように左サイドからシュートを生み出す。一方のウェストハムもセットプレーから得点チャンス。ニアフリックに対して、ファーサイドに飛び込むカステジャーノスには初ゴールのチャンスが巡ってきたが、これを仕留めることはできず。総じて、互いにブロック守備の要素が強くなった割には保持側にチャンスが生まれていたなという印象だった。
そうした中でも優位に立っていたのはウェストハムの方だろうか。セットプレーからネットを揺らすも惜しくもオフサイドのシーンを作ったり、ヴィカーリオがセーブでチームを救うことを強いたりなど追加点のチャンスをコンスタントに生み出す。トッテナムは中盤の守備の後手に回っている感が相変わらずで修正をすることができない。
後半、保持に回ったトッテナムが先に主導権。ファン・デ・フェンのキャリーから横断をしたりなど、盤面を整えてアタッカーにボールを渡し、ここからチャンスを作っていく。
インサイドでも段差を作ることに成功したトッテナム。後半から入ったビスマのミドルなどサイドでの深さを利用したCHからシュートも出てくる。ギャラガーも後半になり攻撃面ではリズムを掴んだのかなと思える場面だった。
同点弾は押し込む手応えを感じたロメロが流れの中からの攻め上がりでゴール。空中戦の強さを見せて同点に追いつく。
追いつかれたウェストハムはハイプレスにモードを切り替え。うまくいけばハイプレスで相手を捕まえるようなシーンも生み出せてはいたが、サイドに逃がせればあっさりと行かれてしまうこともあった。一か八か感がある仕掛けだったと言えるだろう。
一進一退だった攻防を終わらせたのはウィルソン。投入直後のプレーですぐさま決定機に絡むと、セットプレーから勝ち越しゴールをゲット。職人の数分の仕事で勝利を手にしたのはウェストハム。崖っぷち対決を制し、久しぶりの勝ち点3を積み上げた。
ひとこと
ちょっとギアがかかるのが遅かった感のあったスパーズだった。
試合結果
2026.1.17
プレミアリーグ 第22節
トッテナム 1-2 ウェストハム
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
TOT:64′ ロメロ
WHU:15′ サマーフィル, 90+3′ ウィルソン
主審:ジャレット・ジレット
リーズ【16位】×フラム【9位】

殴り続けた勝利
プレミア各チームに疲労が目立つ中で年末年始に粘りのパフォーマンスを見せていたのはリーズ。3-5-2にしてから勢いに乗る中で今節は同じく元気さが先立つフラムとの一戦に挑む。
序盤は前からの素早いプレスを仕掛けていく両チーム。対応がスマートだったのはリーズの方だろう。3バックから素早くサイドに動かしながら、まずはフラムのプレスを鎮静化する。
フラムが保持の場合には手早くロングボールから対抗。前線への長いボールにサイドのスピードを活かす形からチャンスを作りにいく。
リーズはフラムの保持に対してオカフォーの位置を下げて5-4-1にリトリート。フラムはプレスを誘発するようにショートパスから撒き餌をして中盤のギャップを作りにいく。リーズの守備は少し前に釣り出される場面もあったが、ヒメネスの降りるアクションへの厳しいチェックを怠らなかったこともあり、簡単に前には進ませない展開だった。
フラムも少しずつリトリートをすることで試合は序盤から変容。ラインを下げることできっちりとスペースを消すような対決にシフトする。
そうした中で少しずつ流れを掴んだ感があったのはリーズ。サイドからキャルバート=ルーウィンの空中戦の強さを見せる形からゴールに向かう。ファストブレイクからはアーロンソンがチャンスを作る。緩急をつけながらリーズが主導権を握ってゴールに向かう展開に。フラムはなかなか終盤に前進のきっかけを掴めずに苦しむ。
後半もリーズは高い位置から相手を追うところからスタート。前半よりは一方的に押し込むというよりは行ったり来たりの中で主導権を握っていく。好調な選手は相変わらず後半も躍動。リーズがアーロンソンとキャルバート=ルーウィンの組み合わせから決定機を生み出した。
保持からフラムのプレスを回避することでリーズは巻き返しのきっかけと摘み取ることに。非保持においては逆にフラムのポゼッションに躊躇うことなく圧力をかけて、後半も主導権を握っていく。
追い詰められながらなんとか粘るフラム。だが、なかなか我慢が流れを引き寄せることがなかったのがこのゲーム。試合の決め手が宿ったのは耐えたフラムではなく、殴り続けたリーズ。最後はファーに構えていたヌメチャの一撃で仕留めることに成功。好調だった時間が長かったリーズがフラムをなんとか殴り切った。
ひとこと
過密日程の疲れを感じさせなリーズのパフォーマンスだった。
試合結果
2026.1.17
プレミアリーグ 第22節
リーズ 1-0 フラム
エランド・ロード
【得点者】
LEE:90+1′ ヌメチャ
主審:クリス・カヴァナー
ノッティンガム・フォレスト【17位】×アーセナル【1位】

二度あることは三度ある
レビューはこちら。

2022年の開幕以降、アーセナルが2試合連続でスコアレスドローをしたのは2回だけ。その2回はいずれもフォレストが2試合目。全く同じ条件で三度目の正直に挑むのが今年のシティ・グラウンドでの一戦となる。
序盤からボールを持つのはアーセナル。左右に散らしながらの前進をしていきつつ、CKからの決定機を生み出しながら少しずつチャンスを作っていく。
ただ、押し込むことと強引にセットプレーを取るところまではたどり着いたアーセナルだが、ハーフスペース付近の攻略までは至らず。特にフォレストの左サイドはアンダーソンの埋める動きが秀逸でなかなか相手のラインを見出すことができず。逆サイドはアーセナルの攻撃が単調でマルティネッリとアイナのマッチアップもアーセナルにとっては辛いところ。オープンプレーからはチャンスを作れなかった。
フォレストはロングボールを軸としたプランから陣地回復。一度陣地回復をすると、そこからはミドルプレスからハイプレスに出ていくことでアーセナルのポゼッションを阻害する。おそらくは自陣で引いて受けるよりも高い位置にある程度出ていく方がアーセナルの得点源であるセットプレーの機会も減らすことができると考えたのだろう。
保持でもゆったりと時間を使うというリバプールのプランを踏襲した感があったフォレスト。ポゼッションからのやり直しの繰り返しからゆったりとボールを持つことでアーセナルの保持の時間をとりあげる。
後半もこの流れは変わらず。ハーフタイムでのトロサール投入+3枚交代など積極的な交代策に踏み切ったアーセナルだが、なかなか大きな流れを変えられず。サカが入った右サイドはキックの精度が上がった分、チャンスが生み出されるところがあったのも確かだが、セルスのファインセーブもあり、なかなかゴールを決めることができない。
フォレストは選手交代を敢行しながら左サイドの守備を強化。こちらのサイドにはエンドイェが入ることで攻撃に転じた際にはファストブレイクから機動力を活かす形でアーセナルの右サイドに対抗していく。
押し込むところをきっちりとやって得意のセットプレーまで持ち込みたいアーセナルだったが、この日は繋ぎの局面があまりにも不安定。不用意に急ぎすぎてしまう場面や簡単にパスがずれてしまうシーンによって、安定して押し込むことができなかった。
試合は結局スコアレスドロー。三度アーセナルはフォレスト相手にスコアレス重ねをかましてしまった。
ひとこと
押し込む局面がリバプール戦に続き物足りなかったアーセナルだった。
試合結果
2026.1.17
プレミアリーグ 第22節
ノッティンガム・フォレスト 0-0 アーセナル
ザ・シティ・グラウンド
主審:マイケル・オリバー
ウォルバーハンプトン【20位】×ニューカッスル【6位】

ありふれたスコアレスドロー
最下位ながらも徐々にエドワーズ体制は軌道に乗ってきた感があるウルブス。ただし、彼らが逆転残留に向けて必要なのは「段階的な立て直し」ではなく「V字回復」。ここからはCL出場権を争うレベルで勝ち点を積み上げることができなければ例年の残留争いのボーダーには届かない。相手のニューカッスルは6位にまで浮上するなど好調ではあるが、ここは負けたくないというところだろう。
アウェイではあるがニューカッスルは強度を全面に押し出すいつも通りの立ち上がり。ハイラインからのプレスをスタートし、高い位置からボールを回収して押し込んでいく。
ウルブスはハイプレスに出てきたニューカッスルに対して、ショートパスで繋ぎながら対応。ここ最近は手応えがある左サイドから反撃。押し込んだらそのままの流れでハイプレスに向かっていく。
ニューカッスルは想像以上にウルブスのハイプレス攻略にショートパスで付き合ったなという感じ。強引に前につけるのではなく、GKを絡めたポゼッションで左右にボールを揺さぶりながらひっくり返しに行く。
あまり見かけない光景ながらも押し込む局面を作るところまでは安定的に進めることができていたニューカッスル。ただし、アタッキングサードにおける決め手がいまいち。ボックス内の守備において構えるウルブスを壊す術がない。
ウルブスもモスケラの持ち運びからリスクを負ったトライを敢行して前進のきっかけをつかむ。アタッキングサードではアロコダレのワンツーからボックス内に入っていくシーンも。シュートがミートしていれば!というシーンまでたどり着いたことを考えると手ごたえはニューカッスルよりも良好だったといえるかもしれない。
後半、ニューカッスルはゆったりとしたボール保持から敵陣に。押し込んだところからの即時奪回から波状攻撃を仕掛けていく。ウルブスもサイドから押し下げつつサイドからのクロスを上げるなど、展開としては一進一退の後半の立ち上がりとなる。
時間経過とともに試合の主導権はニューカッスルに。少しずつ敵陣に入っていく機会を増やすと、ファストブレイクからもウルブスにギリギリの対応を強いる。
終盤は交代選手で互いにゴリゴリと進んでいく展開。しかしながら、スコアレスの膠着が続く中できらりと輝く一撃を見せるような選手は現れず。年末年始の疲れを引きずったような連戦でよく見かけるスコアレスドローだったといえるだろう。
ひとこと
ウルブスの内容は悪くないとは思うけど、何より勝ち点が欲しい中で引き分けが積みあがっているのはもどかしいだろう。
試合結果
2026.1.18
プレミアリーグ 第22節
ウォルバーハンプトン 0-0 ニューカッスル
モリニュー・スタジアム
主審:サム・バロット
アストンビラ【3位】×エバートン【12位】

前線の意地を見た難所攻略
序盤からボールを持つのはアストンビラ。エバートンは前から重心をかけつつ、CBに枚数を合わせることはせず。コンサならある程度ボールを持たせてOKかなという感じでプレスをかけていく。
マンツー気味の敵陣での守備を回避するトライを行っていくアストンビラ。まずは手始めにボバルテが右サイドに落ちるところからずれを作っていく。敵陣での攻め筋としてアストンビラが使ったのは左サイド。奥を取るブエンディアからサイドをえぐると、折り返しにロジャーズが決定機を迎える。
エバートンはロングボールからロールの突撃でいきなり決定機を迎える立ち上がりではあったが、それ以降は苦戦が目立つ展開に。アストンビラはワンサイドカットから敵陣にハイプレスに出ていく。
というわけで試合はアストンビラの保持が中心に。こうなると一方的に押し込む展開になるのかなと思われたが、エバートンの非保持はここから想像以上の粘りを見せていく。特にプレスで輝いていたのはアームストロング。何度も繰り返しの二度追いからアストンビラを敵陣でひっかけていく。
そのアームストロングはセットプレーからチャンスを迎えるシーンも。プレストンからのローンバックで緊急措置的に呼び戻された若手が輝きを放つ試合となった。
一方のアストンビラも先に述べた左サイドからの突撃から有効打を放っていく。特にマートセンの抜け出しからの鋭いクロスは印象的で、敵陣に入っていく。
後半も基本的にはアストンビラのポゼッションが中心。後半早々にガーナーに警告を出させるなど、エバートンを後手に回すこととなった。引き続き左サイドからのクロスからアストンビラは決定機。しかし、このチャンスを仕留められない。
エバートンはロングボールからしのぐ展開となっていくが、ワンチャンスをつかんで先制点。マクニールの鋭い抜け出しからシュートのチャンスを得たバリーが技ありのループ。ストライカーらしいシュートセンスを見せつけて劣勢の中でリードを奪う。
ミドルゾーンでフリーの選手を浮かせるところまでは安定してたどり着くことができるアストンビラ。ややインサイドに突っかけるところが強引な感じは見受けられるが、アウトサイドではマートセンが再三のクロスからチャンスを迎える。
だが、最後まで粘るアストンビラを崩しきれず。後半につかんだワンチャンスを生かして難所で勝ち点3をつかんで見せた。
ひとこと
バリーのループとアームストロングのプレス。エバートンの前線の意地を見せた難所攻略だった。
試合結果
2026.1.18
プレミアリーグ 第22節
アストンビラ 0-1 エバートン
ビラ・パーク
【得点者】
EVE:59‘ バリー
主審:トニー・ハリントン
ブライトン【11位】×ボーンマス【15位】

攻勢を仕上げた若武者ストライカー
マンデーナイト開催となったのはブライトン×ボーンマス。ボーンマスにとってはセメンヨに別れを告げてから初めてのリーグ戦ということになる。
この日のボーンマスの特徴は守備で割と明確に受ける姿勢を見せたこと。特にSHがポジションを下げるタイミングが早く、前から捕まえに行くのではなく相手のSBにあわせてリトリートするようなシーンが多かった。クックが攻め上がりに対して最終ラインに吸収されるケースもあった。
プレッシャーのかかっていないブライトンはファン・ヘッケのロングボールから前進。時にはCHがサリーし、3バックになる形からフリーマンを作りながらチャンスを探る。クックが最終ラインに落ちることでブライトンは中盤に空いたスペースに縦パスを差しこむことができるように。このあたりの枚数調整や組み立てはグロスがいる分、安定感が出てきた感があった。
15分経ったあたりからカウンターを打つボーンマス。このカウンターをきっかけに一気にボール保持はボーンマスにシフト。左右に振って縦のパスコースを開けては前に充てて押し込む形の繰り返しから敵陣に入っていく。ブライトンは高い位置からのプレスがなかなか成立しない状況だ。
展開を引き戻したボーンマスはタヴァニアのファストブレイクから得点機を確保。絶妙な強度のパスをアドリにつけたことでフェルブルッヘンからPKを奪取。OFRでの微妙な判定となったが、結果的にはペナルティが提示され、タヴァニアがこのゴールを決めた。
ブライトンは直後から反撃ムード。セットプレーからのヒンシェルウッドなど押し込みながらチャンスを作る。ボーンマスはファストブレイクから追加点を狙うが、優勢なのはブライトン。何とかボーンマスはリードをキープすることでハーフタイムを迎える。
後半、ブライトンはボーンマスのプレスを引き寄せるところからスタート。中盤にスペースを作りながら、縦パスを差し込むところを作っていく。
ボーンマスは右サイドからヒメネスのキャリーで反撃。攻撃で存在感を見せたヒメネスは守備でも三笘とバチバチ。非常に見ごたえのある1on1から敵陣へと迫っていく。
攻勢を強めたいブライトンは左右のWGから攻め筋を作っていく。ミンテと三笘の1on1とそれに伴うセットプレーからのチャンスでゴールを狙っていく。
試合を動かしたのは後半追加タイム。交代で入ったコストゥラスの豪快なオーバーヘッドでブライトンは同点に追いつく。攻め続けるフェーズを完結させた若武者により、ブライトンが勝ち点1をもぎ取った。
ひとこと
ボーンマス、やはり後半になるとやや馬力は寂しい感じ。前半のアプローチを見る限り、セメンヨ不在をより静的に乗り切ろうとしているのかもしれない。
試合結果
2026.1.19
プレミアリーグ 第22節
ブライトン 1-1 ボーンマス
アメリカン・エキスプレス・コミュニティ・スタジアム
【得点者】
BHA:90+1‘ コストゥラス
BOU:32′(PK) タヴァニア
主審:ポール・ティアニー
今節のベストイレブン

