ウェストハム【18位】×サンダーランド【9位】

コンスタントに生み出したリードで逃げ切り
アーセナル時代から鉄人と名高いジャカがこの日は欠場。今季全試合出場の司令塔を欠いてロンドン・スタジアムに乗り込むこととなる。
高い位置から出ていくのはサンダーランド。しかし、ロングボールとソーチェクのサリーでウェストハムが展開を落ち着かせることに成功。サンダーランドのプレスラインを下げ察せるとサイドを抉るところからクロスで先制。飛び込んだサマーフィルがゴールを決める。
追いかける展開となったサンダーランド。ジャカがいないということでいつものジャカの役割をサディク、サディクの役割をル・フェが行っていくことに。
ジャカがいない影響は個人的には序盤から大きかったように思える。対角の長いレンジが通らないことで大きな展開がなくなるし、ハーフスペース裏にグラウンダーで通すパスがなくなることによって、奥をえぐるアクションが出てこなくなる。
頼みの綱となったのはセットプレー。ロングスローを含めてボックス内でDF陣の高さを生かすアプローチは効果的だった。
地道な押し返しを探っていくサンダーランドに対して、ウェストハムはまたしてもサイドの突破から追加点。スカールズの突破からサンダーランドにとってはシビアなPK判定が下され、このPKをボーウェンが決めてリードを広げる。
追加点で試合を完全に掌握したウェストハム。サンダーランドの不安定な組み立てに漬け込みながら、ミドルゾーンからのカウンターでスピードアップ。サンダーランドの守備陣に次々と警告を出させていく。特にヘイニウドのところは退場のリスクを感じるシーンも見られた。
前半のトドメということで43分にはフェルナンデスがゴール。勢いに乗ったチームらしい思い切りのあるミドルでリードを3点に広げてハーフタイムを迎える。
サンダーランドは3枚交代を敢行。だが、大きな流れの変化は見えず。両チームともまったりとした時間を過ごす。
ともにチャンスが少ない展開の中で試合を動かしたのはサンダーランド。右サイドからのクロスをブロビーが仕留めて2点差に。ウェストハムは左サイドのユニットがイタズラに深追いをしすぎていた感があり、ちょっとはしゃぎすぎた失点のように見受けられた。
失点のカラー的には試合が一変してもおかしくはなかったが、サンダーランドが起こすことができたハレーションはわずかなもの。終盤は再び押し込んだウェストハムの方がサンダーランドのゴールに向かうことができた。
3点のリードは45分の逃げ切りに十分。ウェストハムはここに来て大きな連勝を果たした。
ひとこと
ジャカの喧嘩はなんだったんだろう。あとで詳細が出てくるだろうか。
試合結果
2026.1.24
プレミアリーグ 第23節
ウェストハム 3-1 サンダーランド
ロンドン・スタジアム
【得点者】
WHU:14′ サマーフィル, 28′(PK) ボーウェン, 43′ フェルナンデス
SUN:66′ ブロビー
主審:トーマス・ブラモール
フラム【11位】×ブライトン【12位】

交代選手が繋いだ流れを千両役者が仕留める
序盤から強度が高い展開となった試合。両チームとも高い位置から相手を捕まえにいく。特にその傾向が強かったのはブライトン。きっちりを人を合わせて捕まえるマンツー色の強い対応に。フラムはワンサイドカットでプレスに出ていくようなサイドに追い込むような形を意識する。
前に出ていくだけでなく、後ろに下がるのもきっちりとやっていた両チーム。特にSHにはハードワークが課されており、ゴメスやケビンなど高い位置をとるSBと対面する選手たちは自陣まで下がって5バックになることも求められていた格好だ。
互いに保持でズレを作ってボールを落ち着かせていきたい展開の両チーム。ブライトンはボスカリが入る3バックにより数ベースのミスマッチを作りにいく。対するフラムはロングボールとショートパスのメリハリ。レノを絡めたパスワークとヒメネスへのロングボールから徐々にブライトンのプレスを退けていく。
ボールを持つ時間が増えたのはフラムの方。ブライトンは4-4-2のミドルブロックで構える時間が増えるが、ここから前へのプレスにどうシフトしたらいいかの迷いがあった。
だが、苦境を打ち破ったのはスーパーシュート。左サイドでボールを持ったアヤリがニア上につきさす弾丸シュート。思い切りのいい彼らしいゴールで試合を動かす。
このゴールを合図にブライトンは攻勢に。ハイプレスに出てくるフラムを三笘へのロングボールでひっくり返したり、サイドアタックで主導権。敵陣でのボール回収も流れで行い、一方的に攻め込んでいく。フラムが攻め返す機会は43分のイウォビのハーフスペース突撃まで待つ必要があった。
後半も高い強度のデュエルでのスタート。先に敵陣に入って行ったのはフラムだったが、ブライトンは三笘を軸に押し返しに成功。左右のサイドからの抜け出しからチャンスを作っていく。
フラムはAFCONから帰還したチュクウェゼを交代で投入。後方のセセニョンも合わせて左サイドをユニットごと入れ替える。さらにケアニーの投入でチュクウェゼは最終的に右サイドに移動する。
この右に流れたチュクウェゼからフラムは同点。アンデルセンのフィードから一発で抜け出したチュクウェゼが同点。ボスカリの背後を綺麗に取ったチュクウェゼが右サイドに移したマルコ・シウバの判断を正解にする。
三笘→ウェルベックのファストブレイクで再びリードを奪ったかのように思われたブライトンだったが、これはわずかにオフサイド。同点の展開は終盤にかけて徐々にジリジリとしたものになる。
3枚交代を敢行したブライトンは明確に勝ちにいく交代。特に前節土壇場のゴールで勝ち点をもぎ取ったコストゥラスには期待がかかる。だが、この日の主役は彼ではなかった。同じタイミングで投入されたキングがコストゥラスからファウルを奪うと、このFKをウィルソンが直接叩き込んで勝ち越し。交代選手で流れを掴んだフラムが、クラッチシューターの一撃で勝ち点3を逆転で手にした。
ひとこと
ウィルソン、まさに千両役者。
試合結果
2026.1.24
プレミアリーグ 第23節
フラム 2-1 ブライトン
クレイブン・コテージ
【得点者】
FUL:72′ チュクウェゼ, 90+2′ ウィルソン
BHA:28′ アヤリ
主審:マイケル・オリバー
バーンリー【19位】×トッテナム【14位】

苦しみが先行する1ポイント
ウェストハム戦の敗戦で解任濃厚と思われたトーマス・フランクだったが、ドルトムント戦での完勝でCLのストレートインに望みをつなぐことに成功。リーグでの巻き返しを図りたい今節はターフ・ムーアでの一戦に挑む。
トッテナムはドルトムント戦と同じくスペンスをSHに起用することで3バックのような4バックのような陣形を採用。ただ、保持においてはファン・デ・フェンがLSBとなるような明確な4バックのような形ではあった。
だが、序盤にボールを持ったのはむしろバーンリー。こちらも左のユニットを押し上げる形で保持においては4バック気味にシフトするビルドアップ。トッテナムのプレスに対してショートパスから組み立てていく。バーンリーのポゼッションが安定していたのはアンソニーやブロヤといった前線の面々に対する縦へのパスからのポストが刺さっていたからだろう。トッテナムのCB陣はこの縦パスを全く咎める気配がなく、簡単にポストを許すことに。バーンリーはこのポストをきっかけに左右に動かしながら敵陣に入っていく。
トッテナムはむしろ縦に速い攻撃の鋭さで勝負。サイドで人を釣り出しながら連鎖的に背後を狙うアクションで高い位置からのプレスを狙うバーンリーの背後を狙っていく。
前半の途中までは優位に試合を進めたバーンリーだが、30分以降はトッテナムの保持の機会が徐々に増えていく。すると先制点はセットプレー。ファン・デ・フェンの二次攻撃から先制点を奪う。
だが、この先制点で波に乗れないのが今のトッテナム。ポゼッションの雑さからバーンリーに攻めの機会を明け渡すと、クロスからトゥアンゼベにゴールを許す。保持でのミスもクロス対応におけるCBの雑さも昨今のトッテナムの目につく部分である。
後半、先にペースを握ったのはバーンリー。左サイドからダンソの周辺をフリーランで蹂躙。トッテナムはCB陣が延々と芋づる式に背中を取られ続け、潰すきっかけを全く掴むことができない。
ただ、CBが不安定なのはバーンリーも同じ。1枚のターゲットにボックス内で平気にヘディングを許してしまうなど守備に回れば危うい一面があった。
先に不安の爆弾が爆発したのはトッテナム。ロメロが横パスで簡単にすれ違いを許すと、そこからの横断で今度はダンソが振り回されてしまい失点。2人のCBが明け渡したスペースをフォスターが仕留めてリードを奪う。
ロメロはスコアリングの方で意地を見せる90分の追加点を決めては見せたものの反撃はここまで。ターフ・ムーアでの綱渡りの1ポイントは希望というよりも苦しみを象徴するもののように感じる90分だった。
ひとこと
トッテナムに苦しいところはいくつもあるけども、特に最近はCB陣の苦しさが目につくなという感じ。ロメロは点をとっているからまぁそれでもいいのかもしれないけども。
試合結果
2026.1.24
プレミアリーグ 第23節
バーンリー 2-2 トッテナム
ターフ・ムーア
【得点者】
BUR:45′. トゥアンゼベ, 77′ フォスター
TOT:38′ ファン・デ・フェン, 90′ ロメロ
主審:ピーター・バンクス
マンチェスター・シティ【2位】×ウォルバーハンプトン【20位】

粘りを振り切り無失点で4試合ぶりの勝利
ここに来て手痛い公式戦連敗を喰らったシティ。ウルブス戦でのメンバーの入れ替えはいろんなものが込められているメッセージのようにも思える。
序盤からボールを持つのはシティ。中央に立つチェルキは中盤に加わり、マルムシュとセメンヨはペナ幅くらいの位置に立つ。ラインダースもライン間に入ることが多かったため、中央はかなり人が多く、細かなパス交換から奥行きを作って狭いまま攻め切ろうという意識が見えた。
マルムシュの動き出しは特にそういう感じ。縦に深さをとりながらポストで組み立てにも関わることができる。この部分は直近のハーランドとは少し違う質のプレーである。
先制点はこの狭い形からではなく、幅を使うところから。ヌネスからのシンプルなクロスに足を伸ばしたマルムシュがゴール。モスケラは前に入られてしまった。
ウルブスはロングボールからの一発での陣地回復は難しいものの、ショートパスからのプレス回避には可能性を感じさせる。中盤の段差を使うところからフリーマンを作り、そこから背後を使うまでは出ていくことができていた。
しかしながら、基本的にはシティの保持で主導権は動かず。リードを得ていることもあり、ゆったりとしたポゼッションからインサイドへの奥行き作りを敢行していく。ウルブスはモスケラのハンドはお目溢しを受けることができたものの、前半終了間際に失点。中央で丁寧に作った段差から最後はセメンヨがゴールを決めてリードを広げる。
後半、2枚の交代選手を投入したウルブスだが流れは変わらず。シティのポゼッションから試合は落ち着いた入りを見せる。
少し流れが変わったのは55分くらいから。高い位置からでのアンドレのボール奪取からのショートカウンターから波状攻撃を仕掛けていく。低い位置からの組み立てでもシティのハイプレスを回避するなど、中盤で優位に立っていく。WBがなかなか仕上げられなかったのが痛恨。ロドリゴ・ゴメスのプレーが悪かったわけではないが、前節のディアロを見てしまうと物足りなさはある。
だが、そのアンドレが警告を受けると再びトーンダウン。シティは保持からもう一度テンポを作り直す。ハーランドとドクを入れて幅を取ることで試合を落ち着かせにいく。
正直なところ、想定よりはウルブスにひっくり返されてしまっていたなという感じではあったが、それでもシティはなんとか踏ん張りながら無失点をキープ。粘るウルブスを振り切り、久しぶりの勝利を手にした。
ひとこと
ウルブス、粘りは見せたが勝ち点はついてこなかった。
試合結果
2026.1.24
プレミアリーグ 第23節
マンチェスター・シティ 2-0 ウォルバーハンプトン
エティハド・スタジアム
【得点者】
Man City:
主審:ファライ・ハラム
ボーンマス【15位】×リバプール【4位】

どちらが決めてもおかしくない終盤戦を制したのは・・・
リーグ戦では引き分けが続き、なかなか戦績が上向かないリバプール。今節はボーンマスとのアウェイゲームで悪い流れを断ち切りたい。
序盤から両チームらしい持ち味を活かしたダイレクトな攻撃の応酬。そうした中でよりいい形を作っていたのはリバプール。相手のプレスを低い位置のユニットで引き寄せると、中盤の背後に顔を出したヴィルツやショボスライを捕まえるボーンマスの選手がおらず。ここからリバプールは前進する。
基本的にはスピードに乗ることができる攻撃の形が欲しいリバプール。カウンターでのトランジッションか、もしくはこの中盤背後の選手への縦パスが該当する。攻撃の出口となったサラーはターンやフリーランは上々。フリンポンとともに右サイドから一気に陣地回復をする。ただし、フィニッシュは湿りがち。なかなかシュートが枠に飛ばない。
対するボーンマスも左サイドの高さを調節しながらプレスを脱出。リバプールに簡単に捕まらない。中盤の背後に起点を作ることができればこちらも加速ができる。
拮抗かやや劣勢の展開の中で先制点はボーンマス。セネシからのフィードに抜けたスコットからの折り返しをエヴァニウソン。見事な緩急の付け方でリードを奪う。
さらに7分後にボーンマスは追加点。背後への見事なヒルのスルーパスに反応したヒメネスが角度のついたところからゴール。前半のうちにリードを広げる。
2点のリードを得たことでボーンマスはややコンパクトに。ショボスライやヴィルツを使ったチャンスメイクが減る中で、セットプレーという力技から反撃。1点差に迫ったところでハーフタイムを迎える。
後半、追いかけるリバプールは一方的な保持でスタート。マック=アリスターのサリーをはじめとして、列を落として組み立てる意識が強く、前半以上に手数をかけたポゼッションとなった。大外から抉るロバートソンからの折り返しは特に効果的な攻撃となった。
リバプールは押し込む状態をキープするために即時奪回でDFラインも高い位置をキープ。すぐにボーンマスのポゼッションを終わらせることで押し込んでいく。ただし、アタッキングサードの仕上げは少し力業によっている感じも少なからずあった。
強引さが増えたリバプールに対して少しずつボーンマスは跳ね返してカウンターに移行できるように。左右のサイドから押し返すと、そこからラインを上げて高い位置で奪い取っていく。
手詰まり感がある状態を打開したのはまたしてもセットプレー。ショボスライのずらしの効いたFKからゴール。リバプールが試合を振り出しに戻す。
最終盤は間延びした中盤を互いに速攻で攻略し合う展開に。縦に速い攻撃を前提とする中で、クリスティがテンポをコントロールし、逆を取るポゼッションからフリーにしていく形を作る。リバプールはとりあえず縦につける選択肢を取る分、受け手が剥がさなければいけないという状況が多かった。
どちらに点が入ってもおかしくない状況でマッチウィナーを手にしたのはボーンマス。セットプレーの混戦からアドリがゴールを決めて土壇場で勝ち越し。文字通りのブザービーターで勝ち点3を積み上げた。
ひとこと
どちらに点が入ってもおかしくない試合がきっちり決着がついたなという感じ。26時30分キックオフの試合を第三者が楽しむ上で一番重要なこと。
試合結果
2026.1.24
プレミアリーグ 第23節
ボーンマス 3-2 リバプール
ヴァイタリティ・スタジアム
【得点者】
BOU:26′ エヴァニウソン, 33′ ヒメネス, 90+5′ アドリ
LIV:45+1′ ファン・ダイク, 80′ ショボスライ
主審:マイケル・サリスベリー
クリスタル・パレス【13位】×チェルシー【6位】

火に油を注ぐ深追い
主力の流出にグラスナーのフロント批判と1月になって一気に雲行きが怪しくなってきたクリスタル・パレス。そんな彼らにとってサールの帰還は久しぶりのいいニュース。勝利が遠ざかっている状況で3ポイントを積むことでなんとか苦境を打開したいところだろう。
序盤からパレスは割り切る形でチェルシーのハイプレスに対抗。エンソやカイセドを自陣に引き寄せながら、マテタにロングボールを当てることで挟まれる状況を回避。土壌を整えてからロングボールを入れていく。
チェルシーは相対的にゆったりとポゼッション。3-2-5をベースにしつつ、左サイドのレーン交換から一気にネトが背後を狙っていく。入れ替わりの連携がうまくいかなかったところからパレスはマテタが大決定機を迎えるが、これはサンチェスがセーブ。先制のチャンスを逃す。
パレスはこの場面のようにチェルシーの中盤に対してカットしながらカウンターで出ていく。しかしながら、チェルシーのリトリートは素早くボックス内は人数が揃っている。時には5-4-1で自陣に構えるなどきっちりと枚数を合わせてパレスを抑える。
チェルシーは保持では縦パスの出し入れからマークを外しつつ前進を行っていくなど丁寧な崩しを敢行。直線的なパレスとは一進一退の攻防を繰り広げる。
そんな状況を動かしたのはミス。セットプレーの流れからバックパスミスをしてしまったカンヴォにより利益を得たのはエステヴァン。掻っ攫っての独走で先制点をゲット。パレスにとっては大きなミスで退場者が出なかったのが不幸中の幸いと言ったところだろう。
この失点でボールをハントして前に出ていく勢いを削がれてしまった感があるパレス。試合はアウェイチームのリードでハーフタイムを迎える。
後半、チェルシーは高い位置から出ていくことでいきなりのチャンスメイク。クロスから早速パレスのゴールに迫る。
前半の頭のようにパレスは相手のハイプレスを誘因しながらマテタへのロングボールを仕掛ける。だが、このロングボールからの攻撃が失敗に終わったところからチェルシーはカウンター。エステヴァンとジョアン・ペドロの速攻が決まって追加点。パレスは逆サイド側のカンヴォがDFラインに残ってしまったのが痛恨だった。
カンヴォの受難はまだ終わらず。さらにはハンドによってPKを献上。このPKをエンソが決めてリードは3点となる。
エンソのPKは試合はもう決まったと思われるゴールだったようにも思えるが、グラスナーは諦めずに4-4-2にシフトして前から追うことを敢行。まだまだ戦力を投入する判断をするのであれば、少なくともウォートンが警告を受けた時点で交代をしなければいけなかったように思えたが、案の定遅れてしまって退場。パレスは10人で残り時間を戦うことに。
ナポリ戦を見据えたマネジメントをするチェルシーに対して、パレスはセットプレーからリチャーズが1点を返すことに成功する。その後も押し込んでいくが反撃もここまで。チェルシーが結果とCLへの運用の両立に成功し、リバプールとの順位入れ替えを達成した。
ひとこと
ウォートンが退場してからのパレスの面々の意地が次につながればいいが。
試合結果
2026.1.25
プレミアリーグ 第23節
クリスタル・パレス 1-3 チェルシー
セルハースト・パーク
【得点者】
CRY:88′ リチャーズ
CHE:34′ エステヴァン, 50′ ペドロ, 64′(PK) エンソ
主審:ダレン・イングランド
ニューカッスル【8位】×アストンビラ【3位】

あべこべのセント・ジェームズ
ポンポンと長いボールが飛び交う流れの中で先にチャンスを迎えたのはニューカッスル。トナーリがボックス内に華麗に侵入するプレーから1分も経たないうちに決定機を作り出す。
ニューカッスルは立ち上がりに流れに乗ることに成功。段差を作りながらアストンビラの4-4-2のブロックに対してポゼッションの起点を作りながら敵陣に入っていく。
アストンビラはプレスを強化することで流れを取り戻していく。高い位置から追っていきハイテンポでのパスワークをニューカッスルに強いると、そこからスピードを上げてカウンター。アバウトな展開を好み、セカンドボールの回収で優位に立つのはアストンビラであった。
保持で動かしていくニューカッスルとプレスで高い位置からテンポを上げていくアストンビラ。この日の両チームはどこかあべこべのような印象を受けた。
ボールを持つ機会が多かったニューカッスルは右サイドに流れるマイリーから早めのクロスで勝負。しかしながら、ボックス内には特にターゲットと言える選手はおらず。クロスを上げることがやや目的化している印象を受けた。
15分が過ぎたところでようやく押し込むアストンビラ。4-5-1でブロックを組むニューカッスルに対して、ミドルシュートから先制。ブエンディアの一撃からゴールを奪う。
あべこべといったがこのゴールはアストンビラらしく保持で振り回した結果。中盤中央で相手の守備の背中をとり続けるパスワークからできたスペースをブエンディアで仕留めた。この得点以降も右サイドで相手の視野に入らないような素早いパスワークでロジャーズで穴を開けるなど、保持面での輝きが目立つ時間帯となった。
前半の残り時間は流れるようなオープンな展開。非保持側がテンポを止めず追いかけていく。アストンビラがガンガン即時奪回を仕掛けていくと、それをひっくり返すようにゴードンが裏を取るアクションで進んでいく。
後半も早い落ち着かない展開でスタートするが、ニューカッスルはジョエリントンが負傷。これで一旦試合は落ち着くこととなった。
テンポを落とした展開でボールを持つのはニューカッスル。右のハーフスペースを中心に背後を取るアクションからクロスを上げていく。アストンビラは長いレンジのカウンターで対応。左に流れるワトキンスが起点となり陣地回復を行う。
延々とサイドからクロスを入れていくニューカッスル。ヴォルテマーデを入れてボックス内の高さを強化するが、なかなかアストンビラのブロックをこじ開けることができない。
すると、アストンビラはカウンターから決定的な2点目を確保。相手のバックパスを咎めて枠内シュートまで持ち込んだワトキンスがもぎ取ったCKを自ら決めてさらにリードを広げる。
難所を攻略し、首位追走に成功したアストンビラ。後続にも水を開ける大きな3ポイントを手にすることとなった。
ひとこと
あべこべな両チーム、不思議な感じだった。
試合結果
2026.1.25
プレミアリーグ 第23節
ニューカッスル 0-2 アストンビラ
セント・ジェームズ・パーク
【得点者】
AVL:19′ ブエンディア, 88′ ワトキンス
主審:ジャレット・ジレット
ブレントフォード【7位】×ノッティンガム・フォレスト【17位】

2人のストライカーの華麗なリレー
ここに来て18位のウェストハムが連勝をマーク。その1つ上にいるフォレストにとっては非常にプレッシャーがかかる展開となっている。
序盤は両チームの直線的な攻撃が目立つ展開。行ったり来たりと忙しい立ち上がりとなった。その後にやってくるのはSBのオーバーラップ合戦。先に手応えを得たのはブレントフォードだろう。どこか冗長な雰囲気のフォレストの4-4-2に対して、SH-SB間に位置するヘンリーとカヨーデにボールをつけるのは簡単。ここから敵陣に運んでいく。
フォレストは押し込むブレントフォードに対してオーバーラップで差し返すような展開。右サイドからのアイナから反撃に打って出る。低い位置からかけていくアイナからフォレストは先制ゴールをゲット。ニアに飛び込んだジェズスは少しシュートを打つのが難しい体勢のように思えたが、アクロバティックな身のこなしからいかにもストライカーらしいゴールを仕留めた。
先制点以降、フォレストはゆったりとボールを動かしつつ、インサイドへの縦パスを出し入れするシーンも。だが、そうしたシーンは程なくして試合から消え去り、試合はブレントフォードの一方的な保持になる。
フォレストと同じく縦への揺さぶりをかけつつも基本的には左右に散らしていく形。サイドで奥を取ればセットプレーやカヨーデのロングスローなど高さを生かすようなチャンスメイクを敢行。高さのあるCB陣がボックス内に入り込むことができるセットプレーが最も手応えがあるアプローチのように思える。
だが、フォレストのボックス内の対応は安定。セルスをはじめとして落ち着いた跳ね返しでブレントフォードのクロスノックを追い返していく。ロングスローからのファン・デン・ベルフのシュートが枠をとらえなかったシーンは先制点以降のこの試合の展開をよく表しているように思う。
後半も前半と展開は同じ。やや間延びしたフォレストの4-4-2はブレントフォードの保持に対してボールのつかまえどころを定めることができず。ライン間への侵入を簡単に許すなどあまりいい受け方ではなかったが、左右に流れるムリージョなど後方の広い範囲をカバーする守備でことなきを得ていく。
ブレントフォードからすればより狭いスペースから展開を動かせる存在が欲しかったところ。前半で負傷交代してしまったダムズゴーの不在が悔やまれる展開に。
ブレントフォードがだらっと押し込みながらも試合を動かせない時間帯が続く後半。流れを変えたのは交代で入ったアウォニィ。右サイドから独走でロングカウンターを完結させるという彼らしいプレーから追加点。白い葉がよく似合う笑顔は久しぶり。フォレストが試合を決める追加点を手にする。
2人のストライカーがリレー方式でらしさを見せた90分。追っ手から逃げるフォレストが3ポイントを積み上げた。
ひとこと
フォレストの全体的な試合運びは正直全く滑らかではなかったのでストライカーが勝たせた試合。でもそういう試合を持って来れたことに2人のストライカーは満足していそうだ。
試合結果
2026.1.25
プレミアリーグ 第23節
ブレントフォード 0-2 ノッティンガム・フォレスト
G-techコミュニティ・スタジアム
【得点者】
NFO:12′ ジェズス, 80′ アウォニィ
主審:サム・バロット
アーセナル【1位】×マンチェスター・ユナイテッド【5位】

逆転でのCL出場権に大きな追い風
レビューはこちら。

リーグ戦未勝利を2で止めたいアーセナル。対するユナイテッドはキャリック就任による上昇気流をさらに高めたいところだ。
アーセナルに保持に対してユナイテッドはSHをSBについていく形で前節よりも4-4-2をキープすることにこだわらない。その分、アーセナルのCBにはボールを運ばれるシーンもあった。右のサカには1on1で勝負を仕掛けられるシーンもあったが、エンドライン側からの突破はユナイテッドの味方のカバーもありなんとか防ぐことに成功する。
それでもサイドのキャリーを許すことが結局は失点につながってしまったユナイテッド。左サイドからインカピエに運ばれてしまうと、そこからのクロス対応のバタバタでオウンゴールを誘発。左右に揺さぶられてしまった分、中央のスペース管理が甘くなってしまった。
しかし、ユナイテッドはプレスを強化するとスビメンディのバックパスのミスを誘発。プレゼントパスをもらったムベウモが同点ゴールを決める。
このゴールをきっかけにポゼッションからナローなスペース崩しに手応えを得たユナイテッド。自陣側にアーセナルのCHを誘因しながらハーフスペースに縦パスを差し込み、そこからの連携で敵陣に入り込み決定機を作る。アーセナルはプレスのきっかけを作れないまま前半を終えてしまい、スコア上の優位も内容的な優位を手放したところからハーフタイムを迎える。
後半も流れは変わらず。ユナイテッドの方がアーセナルの守備を空転させながら機能的に前進をすることに成功。2得点目はまさにその真骨頂と言えるパスワーク。ブルーノとドルグの見事な連携からスーパーなミドルで逆転する。
アルテタは直後に4枚交代を敢行。しかしながら、ビルドアップの機能性はなかなか改善せず。高い位置にボールを運ぶことが特に安定した様子はなし。平時から大幅にメンバーを入れ替えた影響もあり、ユニットでのサイド攻撃も機能性を出せない状態が続く。
それでもセットプレーからの同点ゴールはアーセナルの意地だろう。4枚交代のうちの1つであるメリーノの投入がボックス内の強化をもたらしたことは確かだ。
だが、ユナイテッドはシェシュコのポストから再び中央を切り拓く。空いたゾーンからミドルを叩き込んだのはクーニャ。数分で再びリードを取り返し今季初めてのエミレーツ制圧を達成したユナイテッド。逆転でのCL出場に大きな追い風を得る3ポイントを手にした。
ひとこと
ワンポイント攻略に特化したシティ戦に比べるとだいぶ多様なことができるようになったユナイテッド。ここからのリーグ戦が楽しみだ。
試合結果
2026.1.25
プレミアリーグ
第23節
アーセナル 2-3 マンチェスター・ユナイテッド
エミレーツ・スタジアム
【得点者】
ARS:29′ リサンドロ・マルティネス(OG), 84′ メリーノ
Man Utd:37′ ムベウモ, 50′ ドルグ, 87′ クーニャ
主審:クレイグ・ポーソン
エバートン【10位】×リーズ【16位】

コントラストくっきりの前後半
序盤はロングボールの多い落ち着かない展開でのスタート。両チームとも縦に速い展開の中で攻め筋を探っていく。このロングボールからの攻撃の仕組みが明確だったのはアウェイのリーズ。キャルバート=ルーウィンに長いボールを当てたところからシュタハとアーロンソンによるセカンド回収で前向きな選手を作っていく。
大外ではWBがキャリー。中央で起点を作ってサイドにつける展開はもちろんのこと、バックラインの数的優位から素直にSHの外側のWBにボールをつけることで前進するパターンも作り出していく。
非保持においてもリーズは陣形をずらしてエバートンの布陣に噛み合わせるようなハイプレスを敢行。前に向く隙をエバートンに与えず、ひたすら長いボールを回収していく。
エバートンの非保持はなかなかこのギャップを埋めきれず、ライン間に入り込むリーズの選手に簡単に前を向かせていた印象。デュエルでもゆったりしたポゼッションでもリーズが主導権を握って試合を進めていく。
先制点もこの試合のリーズらしいものだった。右サイドで前向きの矢印で相手を振り払うとクロスからニアで潰れたキャルバート=ルーウィンを囮に、ファーに走り込んだジャスティンがゴール。優位をきっちりと先制点に繋げる。
先制点でさらに勢いを強めたリーズ。スカスカのブロックの中から推進力を出していき、そこからボックス内に。直後にキャルバート=ルーウィンが決定機を迎えるなど、順調な試合運びを見せる。
保持に回ったところから反撃に出たいエバートン。左サイドのオーバーロードからチャンスを作りにいくが、枚数を合わせに来たリーズに苦戦。なかなか打開のきっかけを作れないままハーフタイムを迎える。
後半、エバートンは2人の選手交代を敢行。3バックにシフトしフォーメーションを噛み合わせる方向に持っていき、ポゼッションを握りながらリーズを押し込んでいく。
だが、ポゼッションはU字。なかなかボックスの中に入り込むことができない。リーズもリーズでなかなかカウンターを差し込むことができず、攻撃に出て呼吸することができない展開に追い込まれた。
WBにディブリングを入れることでエバートンはサイド攻撃を強化。この右サイドから打開に成功。ディブリング→ゲイェ→バリーと相手につかれながらも振り払う強引なサイド突破からゴールを決める。
ゴールでようやくスタジアムの着火に成功したエバートン。リーズも3枚交代による4バック移行で一歩も引かない構えを見せていく。
だが、これ以上のゴールは生まれず。試合はドローでの決着となった。
ひとこと
前後半のコントラストがくっきりしていた試合だった。
試合結果
2026.1.26
プレミアリーグ 第23節
エバートン 1-1 リーズ
ヒル・ディッキンソン・スタジアム
【得点者】
EVE:76′ バリー
LEE:28′ ジャスティン
主審:サイモン・フーパー
今節のベストイレブン

