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「Catch up Premier League」~Match week 24~ 2026.1.31-2.2

目次

リーズ【16位】×アーセナル【1位】

1つ目のプランを破っての大勝

 レビューはこちら。

 アーセナルに対してリーズはきっちりとプランを持って入った感があったこの試合。5-4-1をベースにしつつもリトリート一辺倒にならず、隙を見ればハイプレスに出て行こうとする。

 リトリートの際はアーロンソンがサイドを封鎖する形でのダブルチームでマドゥエケ封じ。アーセナルのサイド攻撃が内側につながることを徹底的に阻止していく。

 単調に外側に流れる攻撃が続くアーセナル。それでもキャルバート=ルーウィンをガブリエウが跳ね返すなどリーズの起点作りを許さないというところは安定してキープ。サイドもうまく追い込むことでアーロンソンのスピードやSBのオーバーラップの隙を与えない。

 相手の攻め筋を消したアーセナルはセットプレーから先制ゴールをゲット。二次攻撃からマドゥエケのクロスを押し込んだのはスビメンディ。巧みなインサイドに入っていくアクションから均衡を破る。

 すると、徐々にタッチが安定してきたマドゥエケがCKからオウンゴールを誘発。キャルバート=ルーウィンとダーロウの連携ミスからリーズは痛恨の2失点目を許す。堅い展開ながらも2点のリードを得たアーセナル。順調な流れのままハーフタイムを迎える。

 このままでは黙って試合をクローズされてしまうことを察したリーズは4バックにシフト。左サイドからのクロスからボックス内を狙っていく。しかしながら、ボックス内のターゲットはキャルバート=ルーウィン1枚だけ。サイドの崩しとボックス内の枚数のバランスを図ることができず、攻撃は有効打にはならず。

 さらには4バックにシフトした影響からかアーセナルは保持に回るとインサイドにパスをガンガン通すことができるように。ティンバーのオフザボールによりリーズの即時奪回を回避したアーセナルは前半と異なりインサイドに差し込むパスを増やしていく。

 決め手になったのは交代選手。ウーデゴール、マルティネッリの右サイドの途中交代コンビがリーズの守備のユニットを外に引っ張り出すと、クロスを仕留めたのはギョケレシュ。文字通り、ボーグルを吹っ飛ばして決めた一撃で試合を完全に決める。

 さらに終盤にはジェズスにもゴールが生まれたアーセナル。難しいアウェイの地での4得点で4試合ぶりの勝ち点3を手にすることとなった。

ひとこと

 いいプランを組んできたリーズだったが、1つ目のプランが崩壊してからは難しくなってしまった感があった。

試合結果

2026.1.31
プレミアリーグ
第24節
リーズ 0-4 アーセナル
エランド・ロード
【得点者】
ARS:27′ スビメンディ, 38′ ダーロウ(OG), 69′ ギョケレシュ, 86′ ジェズス
主審:スチュアート・アットウェル

ウォルバーハンプトン【20位】×ボーンマス【13位】

欲しかったものは手に入らず

 負けてはいないが、勝ててはいないウルブス。ここからの残留にはプレミア史に残る勝ち点での滑り込みが必要な感じするが、そのためにはとにかく連勝を積み上げていかなくてはいけない。

 得点が欲しいウルブスは左サイドから奥をとりにいくような形から攻撃を構築。最近、武器になりつつあるマネとウーゴ・ブエノのコンビネーションから打開を図っていく。ヒチャンも左サイドに流れることでこのコンビネーションに絡んでいく。

 それ以外にウルブスが意識していたのは攻撃の機会を確保。とにかく前線にボールを当ててポストから背後を狙うアクションを繰り返しながらスピーディに攻撃を繰り返していく。アタッキングサードにおいてもマネがシュートを積極的に狙っていくなど、ゴールに向かう意識も悪くはなかった。

 ボーンマスはウルブスの5-3-2で構える形に対してオーソドックスな配置からスタート。CHからボールを動かしながら工夫を施していくが、なかなか攻め筋が見つからず。ウルブスが成功させていたポストや反転などが微妙。前進の手段が定まらない。

 そういう中で決めたボーンマスの先制点はやや脈絡のないものだった。クルビが見事なショートカウンターを完結し試合を動かす。

 ゴールによってボーンマスは少しずつポゼッションを上げていく。ボールを奪いに行く追い込み方ができないウルブスに対して、ボーンマスは敵陣でのプレータイムを増やしていく。アドリの抜け出しから決定機を迎えるなど次の得点に近いのはボーンマスの方だった。

 後半、ボーンマスはヒメネスの突破からスタート。右サイドから鋭く入っていくところからチャンスを演出していく。ウルブスも得点が欲しい展開の中でハイプレスから入る立ち上がり。ウルブスが蹴らせて回収することもあれば、ボーンマスが間延びするブロックの中に繋いでいくケースもあった。

 全体的に大味だった後半の流れ。大味の中でも前線にフィジカル的なポイントを作ることができるウルブスがアロコダレの決定機やセットプレーから好機を迎える展開に。

 だが、そうした展開をスコットのゴールで終わらせたボーンマス。交代で入ったライアンの突破により、左サイドを壊してウルブスを完全にねじ伏せることに成功した。

ひとこと

 ウルブス、勝ち筋はありそうな試合だったが。

試合結果

2026.1.31
プレミアリーグ 第24節
ウォルバーハンプトン 0-2 ボーンマス
モリニュー・スタジアム
【得点者】
BOU:33′ クルーピ, 90+1′ スコット
主審:マイケル・オリバー

ブライトン【12位】×エバートン【10位】

板につくスロースターターぶり

 序盤からボールを持つのはブライトン。バレバが立ち位置を守るアンカー、アヤリが縦横無尽に動き回るMFという棲み分け方で前に進んでいく。

 エバートンのスタンスは前節のリーズ戦の前半のように不安定。前に出て行こうという素振りを見せなくはないのだが中途半端であり、ブライトンのバックラインにプレッシャーをかけきれない。深追いをしてもロングボールに逃げられてしまうし、そのロングボールの迎撃もやりきれないエバートン。ライン間もスカスカになってしまい、ブライトンに自在に縦パスを通される。

 後方からのショートパスの組み立てで試合を支配したブライトン。左右に横断しながらサイドの深い位置まで侵入。18分の三笘のシュートが前半で最もクリティカルな攻撃。ワンツーからの見事な抜け出しで決定機を迎えた。

 エバートンは保持に回っても苦戦。グリーリッシュが負傷してしまった影響もあり、前線にタメを作ることができる選手が不在。エンジアイが前を向いても加速しきれずに袋小路に追い込まれてしまう。

 それでも時間とともに少しずつリズムを取り戻してくるエバートン。こちらも前節で見られたゲイェの右のハーフスペースへのアタックなど敵陣に入っていく手段を仕掛けていく。勢いに乗って前からのプレスにも出ていくが、これはバレバが落ち着いた配球で回避。それでも敵陣でのポゼッションはやや停滞気味というところまでブライトンを追い込むことができたエバートン。先に挙げた三笘の決定機以降は両チームともシュートはなし。エバートンは前半をシュートなしで終えることとなった。

 後半、ポゼッションは増えるが敵陣に入っていくところがなかなか噛み合わないエバートン。高い位置からのブライトンからのプレスに制限されてしまい、いい入りとは言えない立ち上がりとなった。ブライトンもやや後方に重たく、グロスが下がりすぎた立ち位置をとった分、縦にパスを差し込むスペースが出てこない展開に。

 先にテンポが出てきたのはエバートン。バリー、デューズバリー=ホール、アームストロングの細かいコンビネーションからインサイドに入っていってシュートまで漕ぎ着けると、続いてバレバのバックパスを掻っ攫って決定機を迎える。

 この流れで2つの決定機を迎えたエバートンだが、立ちはだかったのはフェルブルッヘン。ファインセーブからエバートンに先制ゴールを許さない。

 ピンチを凌いだブライトンはようやく先制。右サイドからの縦パスの折り返しをグロスが仕留めてリードを奪う。このゴールで勢いに乗ったブライトンは三笘とミンテの大外からのアタックからさらにゴールを狙っていく。

 82分にはセットプレーから三笘がネットを揺らすがこれはフェルトマンがオフサイド。前節に続きわずかな差でスコアを逃してしまうと、エバートンは最終盤に同点ゴールをゲット。ブライトンが寄せるのを遅れたガーナーからのクロスで生まれた混戦を最後はベトが押し込んだ。

 今節もスロースターターながら勝ち点をなんとか確保したエバートン。粘りの勝ち点1を獲得した。

ひとこと

 すっかりスロースターターが板についているエバートンだった。

試合結果

2026.1.31
プレミアリーグ 第24節
ブライトン 1-1 エバートン
アメリカン・エキスプレス・コミュニティ・スタジアム
【得点者】
BHA:73′ グロス
EVE:90+7′ ベト
主審:クリス・カヴァナー

チェルシー【5位】×ウェストハム【18位】

3枚交代のパワー注入で逆転勝利

 CLではナポリの地でミッションコンプリート。おそらく5位までということになりそうなプレミアでのCL出場権確保に向けて国内での戦いにフォーカスすることができる。

 しかし、連勝中のウェストハムも逆転残留に向けて好調。高い位置に出ていくことでチェルシーのパスをカットしながらカウンター。チェルシーもこの縦に早い展開に乗っかることで攻め込む機会を逆に手にする。

 サイドを抉り、セットプレーを含めてのチャンスを先に得ていた感があったのはチェルシー。だが、先行したのはウェストハム。右サイドからのボーウェンのクロス性のシュートがそのまま入り、7分にリードを奪う。

 このシュート以降もウェストハムは右サイドから侵攻。チェルシーの左のユニットは連携が無茶苦茶でハーフスペースへの侵入に完全に後手に。攻撃においては左サイドの可変から動かしていきたいところではあるが、そこもウェストハムに無理なく受け渡されてしまう。

 セットプレーまで持っていくことができれば、バタバタさせることができる。だが、ボールを運ぶところが安定せず、失うとウェストハムにカウンターに出ていかれてしまう。

 右サイドからの破壊は安定しており、ワン=ビサカのポケット襲撃からサマーフィルが追加点。リードを広げたところでハーフタイムを迎える。

 前半に負傷交代で1回すでに交代枠を使っているにも関わらず、ロシニアーはハーフタイムに3枚の交代を決断。ウェストハムは後半頭から中央を細かいパスワークで繋いでのシュートに持っていくなど、それなりの勢いを見せることはできていたが、チェルシーとしてはきっちりと体の当て合いから逃げない選手が交代で増えたことできっちりとウェストハムと組み合うことができていた。

 ペースをほんのり取り戻したチェルシーは交代選手のクオリティから反撃。右サイドを持ち上がったフォファナから上がったクロスをジョアン・ペドロが押し込んで1点差に。素晴らしいクロスと持ち上がりを見せたフォファナと難しい体勢からシュートを枠に押し込んだジョアン・ペドロのクオリティが冴え渡るシーンだった。

 このゴールで勢いに乗ったチェルシーは敵陣に一方的に押し込む展開に。スローインのリスタートも素早くとにかくウェストハムに息をつかせないことを優先する。ウェストハムは66分に早くも5バック移行。かなり腹の決まった決断をしたという印象だ。

 ややテンポを落ち着かせることに成功したかと思われたウェストハムだが、結果的には引いて受ける決断の咎を受けることに。ファーサイドからクロスを押し込んでいくと、最後はククレジャがゴール。ウェストハムが後ろを重たくするのであればここは踏ん張りたかったところだろう。

 こうなるともう試合はチェルシーペース。右サイドのポケットを取ってからの折り返しというサマーフィルのゴールの意趣返しでエンソが逆転ゴールを決める。

 5バックにしてから唯一のウェストハムの見せ場と言っていい大乱闘で幕を閉じたこの試合。トディボのご乱心で次節まで影響が及ぶ敗戦を喫することとなったウェストハムだった。

ひとこと

 3人交代効果覿面。監督自身も認めるように戦術よりもクオリティという感じの交代だった。

試合結果

2026.1.31
プレミアリーグ 第24節
チェルシー 3-2 ウェストハム
スタンフォード・ブリッジ
【得点者】
CHE:57′ ペドロ, 70′ ククレジャ, 90+2′ エンソ・フェルナンデス
WHU:7‘ ボーウェン, 36′ サマーフィル
主審:アンソニー・テイラー

リバプール【6位】×ニューカッスル【9位】

CLのいい流れをリーグ戦に

 ともにミッドウィークはCLの最終節に臨んだ両チーム。ホームで悠々とストレートインを決めたリバプールとは対照的に、ニューカッスルはパリの地で文字通りの痛み分けでプレーオフに回ることとなった。

 序盤に勢いが見えたのはミッドウィークを消化不良で終えたニューカッスル。狂気とも言えるくらいのハイプレスを見せたゴードンを旗頭に前からひたすら捕まえにいく展開。ボールを奪った後は3トップがスピードを生かしたアプローチ。ゴードン、エランガ、バーンズの3枚がポジションを変えながら背後を狙うアクションを絶やさず、早いテンポからの先制点を狙っていく。

 この速い展開にリバプールは思ったよりも乗り切れなかった印象。サラーの独走というプレゼントをもらったが、トリッピアーのカバーを許してしまうなどスピードの切れ味不足を露呈。このシーン以外にもスピードアップはしきれないシーンが多く、誘因してのプレス回避はあまり効果が見られなかった。

 かといってスローダウンしたらしたで、ニューカッスルの4-5-1ブロックを切り崩すことに苦戦。大外のガクポを起点にインサイドのレーンをケルケズが攻め上がることで縦方向のアクセントをつけていく。

 だが、試行錯誤を繰り返すリバプールを尻目にニューカッスルは先制点をゲット。リバプールの中央ブロックが仕留めきれなかったバーンズに横断を許すと、最後はゴードンが見事なシュートを決めて先行する。

 しかし、リバプールは前半のうちに反撃に成功。ヴィルツがナローなスペースをこじ開けてエキティケのゴールを演出。アンフィールドを着火すると、ようやくオープンな展開からゴールを生み出すことに。見事な駆け引きと正確なシュートスキルでエキティケが2点目を決める。

 後半もオープンな展開の中で主導権を握るのはリバプール。抜けだすエキティケにはハットトリックのチャンスがあったが、これは枠外となり試合を決めることができない。それでも流れの中での優位を確保したリバプールは後半にニューカッスルへのチャンスをほぼ許さず。スピード勝負となった展開の中でどっしりとしたCFタイプをベンチに並べてしまったこともニューカッスルにとっては向かい風だった。

 すっかり流れに乗ったリバプールはヴィルツがサラーを壁にして中央に侵入すると追加点。このゴールで試合を決めると、最後は相手のミスに漬け込んでコナテが4点目を決める。

 CLでのいい流れをリーグ戦に繋いだリバプール。次節のシティとの一戦に弾みをつけた。

ひとこと

 ヴィルツ、ボールタッチがかなり良くなってきた。後半戦は大暴れの可能性もありそう。

試合結果

2026.1.31
プレミアリーグ 第24節
リバプール 4-1 ニューカッスル
アンフィールド
【得点者】
LIV:41′ 43′ エキティケ, 67′ ヴィルツ, 90+3′ コナテ
NEW:36′ ゴードン
主審:サイモン・フーパー

アストンビラ【3位】×ブレントフォード【8位】

財産で守り切った虎の子のゴール

 前節の段階でアーセナルとの勝ち点差は4。なんとか追いかけていきたい状況なのだが、このタイミングでワトキンスと多くの中盤の選手が離脱。やりくりが厳しい中でホームのブレントフォード戦を迎える。

 アストンビラはハイプレスに出ていく積極策。ブレントフォードはショートパスに拘りながらの前進。2CBに加えて、この日はCHが3枚体制でビルドアップに参加する。IHのイェンセン、ヘンダーソンは上下動をしながら重心をコントロール。ビルドアップを意識し過ぎると、チアゴへのロングボールがなかなか効果を発揮しなくなってしまうので、非常に難しい舵取りを余儀なくされていた。

 アストンビラはサイドの守備が1on1でかなり踏ん張っていたことでプレス回避をされながらも致命傷を負うことを回避。チアゴへのロングボールもCB陣が封じることで、後ろに重いバランス以外ではブレントフォードに危険な前進をされることは少なかった。

 ブレントフォードの守備は3センターが噛み合わせることを優先。バックラインへのプレスがかからない状況を受け入れてでも中盤でフリーマンを作ることを許さない。

 それであればむしろアストンビラはトランジッションからチャンスを作る方が有望。SBのポジトラの速さとCFのエイブラハムのスピードを生かしたアプローチ。ブレントフォードはハイプレスを増やしながらアストンビラから攻撃の機会自体を取り上げることにトライする。

 ブレントフォードは徐々に攻撃を大外からの斜めの裏抜けにシフト。相手のSBの前に出るような抜け出しからチャンスを作りにいく。この狙いが前半終了間際のドラマを産むことに。ずっとキャッシュに粘られ続けていたシャーデが一発退場を引き起こした時には完全に裏目に見えたが、逆サイドで同じことをやったワッタラがワンチャンスをゲット。リードと数的不利をブレントフォードが同時に手にしたところでハーフタイムを迎える。

 ブレントフォードは4-4-1ブロックで後半に臨む。だが、アストンビラは早々にネットを揺らすことに成功。左サイドからのカットインからエイブラハムがゴールを決めたかに思えたがVARで取り消し。自陣でのプレーまで遡り、ラインがサイドを割ったことを確認するというトリッキーな取り消しでアストンビラの同点弾はなかったことになる。

 以降も攻め立てるアストンビラ。マートセンのオーバーラップを生かす左サイドから攻勢を強めていく。ブレントフォードはコリンズの投入で5バックに移行。チアゴへのロングボール→カヨーデのロングスローのコンボからボックス内を強引に攻撃していく。

 苦しい状況かと思われたブレントフォードだが、アストンビラの攻めの圧力はやや低下。わずかな隙間を通しにいくが、ブレントフォードは体を投げ出し続けることの精度が上がっていく。

 結局、後半を0で守り通したブレントフォード。虎の子の1点を守りきり、アストンビラにシーズンダブルを達成した。

ひとこと

 5バックブロックの魂はトーマス・フランク時代の財産だなと思った。

試合結果

2026.2.1
プレミアリーグ 第24節
アストンビラ 0-1 ブレントフォード
ビラ・パーク
【得点者】
BRE:45+2′ ワッタラ
主審:ティム・ロビンソン

マンチェスター・ユナイテッド【4位】×フラム【7位】

更なる上昇を期待する3連勝

 シティとアーセナルを撃破で連勝。キャリック政権は考えられうる最高の滑り出しを見せたと言っていいだろう。ホームで迎えるのは好調のフラム。勢いを持続し、一気にCL出場圏争いの主導権を握っていきたいところだ。

 ユナイテッドの保持は4バックからやや左サイドの片上げでの3バックシフト。リサンドロ・マルティネスの配球力を生かすための外へのせり出しと、SHのクーニャがセカンドストライカー的にインサイドで振る舞うためにSBのショーを高い位置で押し出すための変更と言えるだろう。

 このリサンドロ・マルティネスとメイヌーがボールの供給役。フラムの4-4-2ブロックを揺さぶりながらライン間にズバズバとパスを通していく。中央に起点を作ると、そこからサイドに展開してディアロが1on1で勝負。セットプレーからマグワイアがさらにアクセントを上乗せするという形を作り出す。

 後方からの一発裏抜けも効果的。お目溢しをもらったが抜け出したムベウモに対してのクエンカの対応は相当グレー。ここは難を逃れたフラムだったが、エンドライン側からクーニャの侵入を許したところではファウルを献上。このFKからカゼミーロがヘッダーを叩き込んで先行する。

 フラムは深さを作りながらのポゼッションでユナイテッドに対応。ユナイテッドのSHはアーセナルが相手でなくてもハードワークを敢行し、オーバーラップするフラムのSBについてはガッチリとマークをつけていた。

 そうした状況が整わないファストブレイクであればフラムは敵陣にボールを運ぶことができていた。右サイドを軸に敵陣に侵入したフラムだが、チュクウェゼが最後の1枚を剥がすのに苦戦。攻撃を完結させることができない。

 総じてペースはユナイテッドと言っていいだろう。保持をベースにテンポを握り、アジリティを生かしてフラムのバックラインを揺さぶっていく。守備でも強烈なサイドのスライドに対して、フラムは太刀打ちができず。ユナイテッドがリードを奪ったままハーフタイムを迎える。

 後半もユナイテッドはボールを持つところからのスタート。ダロト→ムベウモのラインから早々に大チャンスを迎える。勢いに乗ったユナイテッドは56分にクーニャがゴール。右のハーフスペースに抜け出したクーニャがニア天井を突き抜ける一撃でリードを広げる。

 フラムは前から追い続けることでなんとか敵陣に押し込んでいくところまで持っていくと、セットプレーからクエンカがネットを揺らす。だが、オフサイドでゴールは認められず。リードは2点のままとなった。

 それでも腹を括ったフラムはここから猛チャージ。アンデルセンのキャリーから右サイドからボールを運んでチャンスメイクすると、オープンな流れからPKを獲得。マグワイアのタックルはファウルかどうか微妙だったが、このプレーで得たPKをヒメネスが決めて1点差に追いあげる。

 攻める勢いを得たフラムは後半追加タイムにはケビンのミドルが突き刺さって同点に。これで勝ち点をもぎ取れるかと思われたが、右サイドに抜けたブルーノのアシストでシェシュコがゴール。受けた時のムーブでバッシーを、パスでアンデルセンを置き去りにしたブルーノの素晴らしいプレーだった。

 劇的なゴールでユナイテッドは3連勝。勢いをさらに強める勝ち方でホームのファンに強さを見せた。

ひとこと

 やっぱり保持でもいけそうなユナイテッド。骨格は見えてきた感じがあるのであとは継続性と負傷者対応のところ。

試合結果

2026.2.1
プレミアリーグ 第24節
マンチェスター・ユナイテッド 3-2 フラム
オールド・トラフォード
【得点者】
Man Utd:19′ カゼミーロ, 56′ クーニャ, 90+4′ シェシュコ
FUL:85′(PK) ヒメネス, 90+1′ ケビン
主審:ジョン・ブルックス

ノッティンガム・フォレスト【17位】×クリスタル・パレス【15位】

数的不均衡が有耶無耶に

 序盤に先制ゴールを決めたのはフォレスト。サイドに流れたジェズスでロングボールを引き出すと、ここからのロングスローからギブス=ホワイトがゴール。セットプレーでいきなり試合を動かしていく。

 パレスは手始めにロングボールを入れていくところからスタート。ただし、この日はマテタが不在。右サイドのサールやムニョスがターゲットになる形からチャンスを狙っていく。

 前線に大砲がいない状況の分、よりシャープだったのはスピードを生かしたプレスからのファストブレイク。相手のバックパスを掻っ攫い、ジョンソンやピノから素早くゴールを狙うところまでチャンスを狙う。

 逆に言えばロングボールはやはりマテタなしでは期待するのが難しい状況。ショートパスの成分を増やして4-4-2ブロックを壊しにいくが、U字ポゼッションに終始。4-4-2のブロックに対してはそもそものフォーメーションのギャップがあるため、前進自体は安定していたが、クリティカルな攻撃にはならなかった。

 フォレストはファストブレイクから反撃。サイドに流れるジェズスを起点にロングボールを引き出して陣地回復を行っていく。トランジッションからの攻撃は悪くはなかったが、間延びしてしまうとライン間に降りるパレスの前線を止めにくくなるので匙加減が難しいところだった。

 主導権は少しずつフォレストに。保持の時間を増やしながら左右からクロスを上げて追加点を狙っていく。だが、パレスは押し返したところからのワンプレーで前半終了間際に戦況をひっくり返すことに成功。リバプールにルーツを持つ先輩と同じく、決定的なハンドを犯してしまったニコ・ウィリアムスがハンドで退場してしまいPKを献上。フォレストがリードと11人目の選手を失ったところでハーフタイムを迎える。

 手数をかけて一方的なポゼッションにシフトするクリスタル・パレス。だが、高さがない状況でブロック守備を壊すのはなかなかにハード。この日はスモールスペースを壊すことができるウォートンがおらず、細かいこともなかなか難しい状況だった。

 フォレストははじめは専制守備だったが、徐々に組み合える形にシフト。特にパレスが前線にウチェを入れてからは数的優位もクソもない状況になったので、フラットにボールが行ったり来たりする展開となる。

 最後は肉でも魚でもない試合になってしまったこの試合。クリスタル・パレスとしては後ろを引き離すチャンスを失う手痛い引き分けとなった。

ひとこと

 やっぱり、ウォートンの前節の退場が尾を引くことになってしまった。

試合結果

2026.2.1
プレミアリーグ 第24節
ノッティンガム・フォレスト 1-1 クリスタル・パレス
ザ・シティ・スタジアム
【得点者】
NFO:5′ ギブス=ホワイト
CRY:45+2′(PK) サール
主審:マイケル・サリスバリー

トッテナム【14位】×マンチェスター・シティ【2位】

4バックで窮地から1ポイント

 ガラタサライに勝利しCLはノックアウトラウンドにストレートイン。今月は比較的ゆったりとしたスケジュールが決まったマンチェスター・シティ。アーセナル追走に集中したい2月はあまり相性が良くないトッテナムとの一戦に挑む。

 試合は序盤からシティが主導権を握るスタート。保持面ではCLをトレースしたような布陣。左の大外をアイト=ヌーリに任せつつ、オライリーとセメンヨが比較的前のポジションを取る。4-2-3-1で記載した上のフォーメーションは守備時のものであり、保持においてはガラタサライ戦のドクとマルムシュの再現をオライリーとセメンヨで行うイメージを持った。

 トッテナムはハイプレスに出て行こうとするが自陣に下がるベルナルドを捕まえ切ることができず。オライリーが中盤に降りるアクションを行う分、ガラタサライ戦よりも布陣のバランスはビルドアップ寄りだったかもしれない。それでも狭く鋭くの方向性はガラタサライ戦と同じで中央の細かいコンビネーションでトッテナムの中盤を蹂躙する方向性だった。

 非保持においては4-4-2ベースにしつつハイプレスを敢行。敵陣ではベルナルドが列を上げて3枚目のプレスを行っていく。攻守にベルナルドのバランス感覚が重要なのがこの日のシティだった。トッテナムのバック3の内、パリーニャにはセメンヨが早めに寄せる形で特に警戒を強くしていた。

 前半に生まれた2つのゴールはいずれもプレスからの連続性があるもの。ベルナルドのプレスバックから生み出した1点目、ドラグシンを蹴らせてからファストブレイクに移行した2点目はどちらもトッテナムのビルドアップを手玉に取ったものだった。

 トッテナムは左右に散らしながら前進をしていきたいところではあるが、CHの段差作りがうまくいかずに苦戦。スピードを生かしたファストブレイクも同じくスピードを生かしたフサノフの対応によって封じられてしまう。

 トッテナムの光になったのは前半終了間際のプレーだろう。ビルドアップにまだ完全には馴染んでいないグエイを咎めたコロ・ムアニのプレスと、押し込むことができた際にロドリを千切って警告を出させたシモンズのドリブル。それでもトッテナムの面々はホームの観客のブーイングを浴びながらハーフタイムを迎える。

 後半、トッテナムは選手交代を敢行して4-4-2にシフト。これにより、右サイドのバランスが代わりSBのグレイが浮くことが多くなっていく。ここから横断や前線へのロングボールを入れることができるようになっていく。

 敵陣に入り込む機会が増えたトッテナムは左サイドからのクロスで得点。ややファウルが怪しまれる場面ではあったが、審判団の判定はゴール。ソランケが追撃を形にして1点差に迫る。

 シティは失点の前後から中盤の強度で後手に回っている感。特にプレスの局面では相手との距離が多く、前半と異なりトッテナムのビルドアップ隊は圧力を感じるケースが減ることとなった。保持においても強引なセメンヨの陣地回復に頼る場面が出てくる。

 トッテナムの2点目のシーンは後半の彼らの中盤の強度を推進力を生かしたシーン。強引に右サイドを抜けだギャラガーからのクロスをソランケがアクロバティックに仕留めて試合を振り出しに戻す。

 ここからはトッテナムがガンガンと相性の良さで飲み込んで行く時間帯。左右のWGからの仕掛けで一気にゴールに迫っていく。

 最終盤は再び押し込んだシティ。やや内と外のバランスが悪い中でもラインデルスの飛び込みからチャンスを作るがネットを揺らせず。相性の良くないトッテナム相手にシティはここで足踏みをすることとなった。

ひとこと

 前半を見た時にトッテナムはここからどう追いついたのだろうと思った。

試合結果

2026.2.1
プレミアリーグ 第24節
トッテナム 2-2 マンチェスター・シティ
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
TOT:53′ 70′ ソランケ
Man City:11′ チェルキ, 44′ セメンヨ
主審:ロベルト・ジョーンズ

サンダーランド【11位】×バーンリー【19位】

90分を支配しての完勝

 大黒柱のジャカの不在が響き、前節はウェストハムに敗れたサンダーランド。ジャカの欠場は続く中で今節はホームでバーンリーを迎えての一戦だ。

 ロングボールの応酬の中で徐々にポゼッションを確保するのはサンダーランド。ビルドアップの枚数を調整しながらバーンリーに対して優位を確保。フリーの選手を作りキャリーをして縦に進んでいき、サイドからクロスを入れていく。

 先制点は右サイドから。ズリズリと敵陣で踏ん張るところから深さを作ったブロビーから抜け出したディアラがオウンゴールを誘発。9分でサンダーランドはリードを奪う。

 バーンリーは前からサンダーランドを捕まえにいくが、サンダーランドのプレス回避は安定。前がかりなプレスを左右に揺さぶりながら撃退。得点シーンでは深さを作る決め手となったブロビーのポストはそれ以降も効果的。ジャカがいない分の縦の奥行きを作る働きを見せた。

 非保持でもサンダーランドは順調。バーンリーは右サイドからやや自陣に重めにビルドアップを組み立てていくが、縦にパスを入れてもレシーバーがフリーになれず。ブロックの外に追い出すのがうまく、なかなかバーンリーは有効な縦パスを入れることができない。

 サイドから攻めていこうにも、サンダーランドの守備ブロックのスライドに対してスペースを作ることができず。保持の時間は序盤よりも増えてもなかなか主導権を握ることができなかった。

 順調なサンダーランドは前半のうちに追加点をゲット。ムキエレが右サイドを抜けだすとディアッラが2点目をゲット。リードを広げてハーフタイムを迎える。

 後半、バーンリーはポゼッションから押し込んでいくがサンダーランドは前半と同じく余裕の対応。サイドにボールを追いやりながらインサイドでの安定した跳ね返しでゆったりと試合を進める。

 保持に回ってもブロビーのポストプレーや左サイドのタルビなど個人技を活かした陣地回復が安定。バーンリーに特に苦しめられることなくスムーズに前進する。

 ドリブルが目立ったタルビは72分に追加点をゲット。勝利を確実にする3点目を手にしてファンのボルテージをさらに上げる。

 ホームに舞台を移した今節は残留争い中のバーンリーを全く寄せ付けなかったサンダーランド。90分を支配する完勝で今季のプレミア唯一のホーム無敗を今節もキープすることとなった。

ひとこと

 立ち上がりから最後まで一方的なサンダーランドペースが続いた試合だった。

試合結果

2026.2.2
プレミアリーグ 第24節
サンダーランド 3-0 バーンリー
スタジアム・オブ・ライト
【得点者】
SUN:9′ トゥアンゼベ(OG), 32′ ディアラ, 72′ タルビ
主審:ポール・ティアニー

今節のベストイレブン

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