トッテナム【15位】×ニューカッスル【12位】

またしても辿りつかない30ポイント
年明けから未だリーグ戦での勝利がないトッテナム。気になるのは後ろの足音。厳しい4連戦のうちの3試合目ではあるが、なんとか勝ち点を30に乗せたいところだろう。
だが、そんな思いとは裏腹に序盤から主導権を握るのはニューカッスル。高い位置から追い込みに行くトッテナムのプレスを外し、ゆったりとボールを持ち運ぶことができる。GKまでプレスにいくシモンズの気概が、逆にトリッピアーにボールを運ぶ自由を与えるというのはなかなか複雑なものだった。
トリッピアーのキャリー、ボットマンの中央への縦パスなど後方から順調に組み立てに成功するニューカッスル。トッテナムはとにかく1stプレスが決まらない。センターラインの選手がサイドやPAのカバーに出ていくシーンが増えるなど、決して良い受け方ができていなかった。
失点数的には少ないはずのセットプレーの守備もことごとくニューカッスルの選手に先に触られる始末。なかなか思い通りの防衛が進まない状況だった。サイドのスピードを生かすカウンター自体は可能性を感じるものであったが、ニューカッスルの守備が戻って4-5-1のブロックが組み上がった後に打開策を打つことはできず。ニューカッスルがボール持つ時ほどの期待感は出てこなかった。
延々とボールを持つニューカッスルが一方的にトッテナムを攻め立てる時間が続く前半。CFをゴードンにした効果を打ち出すような前線のシームレスな動きはトッテナムの守備のズレを生み出すのに効果的だった。
オドベールの負傷など悪い流れが止まらないトッテナム。ネットを揺らしたウィロックの抜け出しがオフサイドと判定されたことにより救われたかと思われたが、セットプレーで前半の最後にティアウにゴールを許してしまう。
後半も大きな流れは変わらず。ポゼッションから押し込むニューカッスルに対して、トッテナムは苦戦。セットプレーでも延々と先に触られるプレーが続いていく。
それでも徐々にテンポを上げることでオープンな展開を誘発して盛り返すトッテナム。すると、64分にファーサイドからのクロスをグレイが仕留めて追いつく。
このゴールで勢いに乗りたいホームチームであるが、数分後にまたしても失点。左サイドのブロックの手前から始めたゴードンのドリブルへの対応の遅れからズルズルとボックス内への侵入を許し、ラムジーに勝ち越しゴールを献上する。
追いかける勢いを出すどころか、やり返されるという結末を迎えてしまったトッテナム。またしても勝ち点30到達チャレンジは失敗し、ノース・ロンドン・ダービー前の小休止を迎えることとなった。
ひとこと
監督の去就も含めてここから10日間ほどをどう過ごすのか。再構築に向けて重要な期間となる。
試合結果
2026.2.10
プレミアリーグ 第26節
トッテナム 1-2 ニューカッスル
トッテナム・ホットスパー・スタジアム
【得点者】
TOT:64‘ グレイ
NEW:45+5’ ティアウ, 68′ ラムジー
主審:アンソニー・テイラー
チェルシー【5位】×リーズ【16位】

2点を溶かす痛恨の足踏み
ここにきて連勝とCL出場権争いで勢いが出てきたチェルシー。一方のリーズは前節に難攻不落のエランド・ロードが陥落。残留争いに向けて足止めを喰らっている状況。苦手なアウェイゲームで何ができるのかを問われる試合となる。
立ち上がりはハイラインで高い位置から捕まえにいくリーズだったが、チェルシーはすぐにポゼッションで平定。攻撃はロングボールとファストブレイクが中心となる。
キャルバート=ルーウィンの不在はこうした状況に暗い影を落とすのは間違いないが、ボーグルへのロングボールからアーロンソンの抜け出しからアチェンポンに警告を出させることに成功。いないならいないでやってやろうという気概は見えた。
しかしながら、徐々にチェルシーのポゼッションが試合の主導権に直結するように。CHは元のポジションを取り、ククレジャが高い位置に出ていくような3-2-5への変形を餌にしつつ、リーズの3-4-2-1とのギャップは強く意識。陣形の違いを使うイメージで動いたパーマーが縦パスを引き出すと、そこから一気に背後をとったジョアン・ペドロが先制ゴールを決める。
先制点以降もインサイドを徹底して切り拓く主義はチェルシーの中に。パーマーへのマークにリーズのバックラインが引っ張り出されるのであれば、そのスペースにジョアン・ペドロが出てくる。そして、インサイドに絞ってくるエンソもここに加わっていくイメージ。
このままではやられる!と踏んだリーズはハイプレスからチェルシーのバックラインにプレッシング。しかし、チェルシーもロングボールから対応するなどすぐに対策。前半はチェルシーがリーズを押し除ける形で展開が進むこととなった。
後半はハトが登場。筋肉系の負傷という試合後の答え合わせがあったククレジャの役割を引き継ぎ、左のSBに入る。後半に入ってもチェルシーのポゼッションがベースになる流れは変わらず。リーズはジリっと前に押し込んでいくプレスに終始し、前半よりも組み合う意識が高くなる。
そうした中で存在感が高まったのはエステヴァン。キャリーと反転からのシュートという強引にフィニッシュに向かう動きがリーズの高いラインを脅かしていく。
なんとか粘りながら組み合っていたリーズだが、ジョアン・ペドロの右サイドに流れるアクションに対してビヨルがPKを献上。なぜかゴール方向に向かっていなくてもどつきたくなるジョアン・ペドロの特性が今節も炸裂。パーマーがこれを仕留めてリードを広げる。
だが、ここから試合の流れはなぜかリーズに。キーマンになっていたのはボーグル。前線で起点を作って前進の牽引役に。チェルシーはカイセドが痛恨のPKを献上。ややカイセドにしては軽率で少しコンディションが落ちていることを伺わせるワンプレーだった。
このPKをヌメチャが仕留めて1点差に。試合の流れはこれで一変。前進の勢いを得たリーズはまたしてもボーグルがあれよあれよというまに前進してオカフォーのゴールを演出。チェルシー側の言いたいことはわかるが、ゴールは認められて試合は振り出しに戻る。
終盤はチェルシーが保持ベースで再びギアアップ。敵陣に入っていきながらインスイングのキックでゴールを狙っていく。終盤にはパーマーに超がつく決定機が訪れたがこれを仕留めることはできず。2点のリードを溶かしたチェルシーにとっては手痛い足踏みとなった。
ひとこと
きっかけがよくわからない逆転劇だった。
試合結果
2026.2.10
プレミアリーグ 第26節
チェルシー 2-2 リーズ
スタンフォード・ブリッジ
【得点者】
CHE:24′ ペドロ, 58′(PK) パーマー
LEE:67′(PK) ヌメチャ, 73′ オカフォー
主審:ロベルト・ジョーンズ
エバートン【8位】×ボーンマス【11位】

スロースターターを逆転で上回る
前半で出遅れながら、後半で巻き返すという試合運びが続いているエバートン。前半に変な試合をしなければうまくやれる!という自信をつけつつあるようにさえ見える。
序盤からボールを動かすエバートン。意外だったのはボーンマスがあまりガンガンプレスに来なかったこと。あくまで中盤の噛み合わせ優先でバックラインにはプレスにはいかない。エバートンは序盤こそロングボールが多い展開だったが、徐々にポゼッションの割合を増やす。
非保持ではボーンマスよりも強気のプレスを仕掛けていったエバートン。CBまで深追いして強いプレッシャーをかけていく。ボーンマスはサイドに相手を引き寄せたところでの横断。アドリとライアンに1on1を託すという流れだった。
試合は徐々にゆったりとした保持からボールを動かしていく対決に。両チームともサイドアタッカーを軸に攻撃を作っていく。よりゴールに迫ったのはエバートン。ハーフスペースにアタックするデューズバリー=ホールからチャンスを迎える。ボーンマスはより単体でのアタックに力を見せているイメージだった。
前半の終了間際に得点のチャンスを得たのはエバートン。PKを獲得し、これをエンジアイが仕留めてゴール。ややアクシデンタルな接触に見えたが、エバートンはチャンスを生かした。
スロースターターのチームがハーフタイムにリードを得たということは本来で言えば勝ちパターン。しかし、後半は頭からボーンマスのペース。サイドフローするスコット、セネシのキャリー、インサイドに入るトリュフォーなど従来のポジションを動かしながら、押し込むエバートンの隙をつっつく。
同点ゴールを決めたのはライアン。左サイドから右に展開されたボールを押し込むという少しイメージしていたカラーとは違うゴールの仕方で試合を振り出しに戻す。
さらに勢いに乗るボーンマスはセットプレーから追加点。CKからアドりの抜け出しでリードを奪う。そのアドリは抜け出しからオブライエンの退場を誘発。大暴れで一気に試合の戦況を変えてみせた。
ポゼッションが増える最終盤の時間帯を迎えるエバートン。10人ながら攻めるチャンスを迎えていたが、ゴールには至らず。必勝パターンを崩されてしまったエバートンは逆転勝利を許すこととなってしまった。
ひとこと
アドリ、見事な働きだった。
試合結果
2026.2.10
プレミアリーグ 第26節
エバートン 1-2 ボーンマス
ヒル・ディッキンソン・スタジアム
【得点者】
EVE:42‘(PK) エンジアイ
BOU:61’ ライアン, 64‘ アドリ
主審:アンディ・マドレー
ウェストハム【18位】×マンチェスター・ユナイテッド【4位】

ポジティブとは言い切れない1ポイント
残留のボーダーを決めるという意味で多くのチームの注目の的となっているウェストハム。対するはキャリック就任以降連勝が続いているマンチェスター・ユナイテッド。強い相手との一戦でなんとか勝ち点をもぎ取りたいとkろおだ。
どちらのチームもゆったりとボールを持つ立ち上がりだった。マンチェスター・ユナイテッドは3-2-5から左サイドを片上げする形で変形。ウェストハムは中盤はやや下がり目で噛み合わせるような形を狙っていく。
ブロックのギャップを狙っていく意識が強かったのは右の大外のディアロ。単純な1on1だけでなく、インサイドに入り込む形でのチャンスメイクも敢行する。ブロックを広げるという意味のアクションとしてはリサンドロ・マルティネスのフィードから背後を狙う形が効いていた。
だが、多少揺さぶられても問題はなし。ウェストハムとしては受けるだけであれば安定感がある状態。
マンチェスター・ユナイテッドも4-4-2をミドルブロックで組む形。片側サイドに圧縮するところでボールをとりにいく意識は見えたので、ウェストハムはそこには引っかからないように左右に揺さぶりながらワンサイドカットを外していく形だった。
攻撃の要になるのは左のサマーフィル。クロスとカットインのシュートの使い分けでガンガンゴールに迫っていく。まさしく好調さを感じるパフォーマンスだった。
押し込まれる頻度もそこそこにあったマンチェスター・ユナイテッドは丁寧に段差を作ってのカウンター。外循環から安定したポゼッションも絡めながら相手のペースに流れることを許さない。ジリジリとした展開の中で試合はハーフタイムを迎える。
後半、ポゼッションで主導権を握るマンチェスター・ユナイテッド。ナローなインサイドのスペースを崩しにいく。
しかし、先制点を決めたのはウェストハム。右サイドでボーウェンに当てながらサイドを広げて、インサイドへの折り返しをソーチェクが仕留めてゴール。マンチェスター・ユナイテッドとしてはすれ違われたショウが致命傷となった。
リードを奪って以降も好調のウェストハム。サマーフィルのバックドアなど後半も切れ味を見せる展開になった。
マンチェスター・ユナイテッドはセットプレーからチャンスを作っていく。ナローなスペース攻略にはこれが一番効きそうであったが、そうした中でマグワイアを交代したのは意外だった。
ウェストハムは極端にラインが下がりすぎてしまった前節の反省を生かすように細かくラインコントロール。最終盤にはラインを下げて5バックを構築しつつ、ウィルソンやアダマからカウンターで追加点を狙う。
しかし、マンチェスター・ユナイテッドの右サイドからの攻撃に対してやたらとニアサイドが空いてしまうというのは気になったところ。シェシュコが決めた同点ゴールは見事ではあったが、5バックにした挙句そこを開けてしまうのかというウェストハムの残念さがそこはかとなく感じられる失点だった。
試合は1-1。マンチェスター・ユナイテッドの勢いは止めたが、ウェストハムにとっては苦しい試合クローズとなった。
ひとこと
前に出れていると考えればポジティブだけども、チェルシー戦に続いて残念なクローズを見せたのは今後に置いて明らかにマイナスのウェストハムだった。
試合結果
2026.2.10
プレミアリーグ 第26節
ウェストハム 1-1 マンチェスター・ユナイテッド
ロンドン・スタジアム
【得点者】
WHU:50′ ソーチェク
Man Utd:90+6′ シェシュコ
主審:サイモン・フーパー
ノッティンガム・フォレスト【17位】×ウォルバーハンプトン【20位】

あまりにも重たい勝ち点ロス
残留争いは17位というギリギリをキープして久しいフォレスト。今節の相手はウルブス。すでに残留争いにおいては絶望的な状況となっている相手を蹴落とし、何とかウェストハムを突き放す3ポイントが欲しいところだろう。
広げながら余裕を持ったポゼッションを敢行するフォレスト。5-3-2のウルブスに対して、まずはサイドの奥から入っていく。SBがシンプルにつければ押し下げられる形も作ることができるし、2トップ脇からのCHから対角で大外につけるケースもあった。
押し込んだ後のところで目立つのは左サイドのハドソン・オドイの仕掛け。キレのあるカットインからファーを狙うようなクロスでゴールを脅かしていく。
ファストブレイクでもハドソン・オドイは主役級の活躍。ざっと見た感じ、3,4人ほどの数的優位を確保できた場面であったが、ゴールを決めることはできず。絶好の先制の機会を逃してしまうこととなった。
ウルブスの保持に対してもフォレストは積極策を敢行。ウルブスは横断しながら敵陣の深いところまで入り込み、相手のプレスを落ち着かせる。2トップにロングボールを当てるところとうまく使い分けながら前進していくウルブスの保持だった。
グラウンダーのパスをアロコダレに充てるケースもあり、このボールが通ればよりフォレストのミドルブロックを押し下げることができる。手早くやりたいところとそうでないところを使い分けながら前進していた印象だ。
だが、時間経過とともに優位に立ったのはフォレスト。ウルブスはなかなか押し返す機会をつかむことができず、徐々に苦しくなったところでハーフタイムを迎える。
後半もペースを握ったのはフォレスト。押し込みながら左右でクロスを上げていく。特に狙い目にしていたのは右サイドの裏。対角パスで揺さぶるところから右サイドにつけると、ここからのハーフスペースアタックでチャンスをひろげていく。
ウルブスは出足よく奪えたところからのカウンターで追撃していくが、どうしても攻撃は単発どまり。なかなか勢いを出すことができない。
終盤は一方的にフォレストがシュートを打つ機会が多くなっていった試合だが、そのフォレストに立ちはだかったのはジョゼ・サ。ファインセーブで何とかフォレストの猛攻をしのいでいく。スタンドのマリナキスの表情は非常にわかりやすくこの試合の展開を表していたといえるだろう。
水際での対応の連続となったが、最後までフォレストの攻撃に耐えたウルブス。フォレストは試合後即時にダイチの解任を発表した。
ひとこと
ジョゼ・サがあたりの日を引いてしまったとはいえ、フォレストにとってはあまりにも重たい勝ち点ロスだった。
試合結果
2026.2.11
プレミアリーグ 第26節
ノッティンガム・フォレスト 0-0 ウォルバーハンプトン
ザ・シティ・グラウンド
主審:ティム・ロビンソン
アストンビラ【3位】×ブライトン【14位】

強かに難しいゲームを制したビラ
ジリジリと上位から離されてきているアストンビラ。対するはなかなかコンディションが上がらないブライトン。いまだに優位ではあるが、まだ残留を脅かされないとは言い切れない立ち位置だ。
強気の姿勢が目立ったのはブライトン。前から捕まえにいくスタンスでアストンビラにプレッシャーをかける。しかし、アストンビラはロジャーズの反転で反撃。いきなりバレバに警告を与える。バレバはこのプレー以降も全く流れに乗れず、退場のリスクを考慮しての前半での交代となった。
アストンビラは4-4-2のミドルブロックでブライトンの保持を迎え撃つ格好。2トップの脇から対角のパスを飛ばしつつ、サイドアタッカーの攻撃力を活かして攻めに出る。
オープンなサイドの攻撃が続く試合となったが、時間の経過とともにペースを握ったのはアストンビラ。右のハーフスペースアタックを繰り返しながら敵陣の奥を取っていく。三笘は根性のプレスバックが目につくシーンがちらほらと。
ビラはサイドの奥を取るだけでなく、ブエンディアのミドルからリズムを変えていくなど選択肢の攻め筋は豊富。ブライトンは最終ラインを軸にカードマネジメントが怪しくなってくる。自陣での防衛が終わった後の繋ぎも安定せず、一方的に押し込まれる展開に。
後半、ブライトンはハイプレスからテンポを掴もうとするが、アストンビラは後方のポゼッションで安定を図る。三笘生かしのカウンターからのスピードアップなどそれでも抵抗を見せていたブライトンは後半の頭に押し込む時間を増やすこととなる。
ファン・ヘッケの交代というアクシデントは押せ押せのブライトンペースに水を差すかと思われたが、それでも押し込むフェーズを継続するブライトン。アストンビラは左サイドから押し返す展開もなくはなかったが、主導権は依然ブライトンだった。
交代選手の効果もどちらかと言えばブライトンの方が有効。特に右サイドのハウエルからのクロスは鋭く際どいチャンスに。マルティネスのハイボール対応でなんとかこのシーンは難を逃れる。
なかなかきっかけを見つけることができなかったアストンビラ。だがセットプレーから先制点。ミングスは嬉しい大きな終盤の決勝点を決めることに。
思わぬ失点で先手を許したブライトン。後半頭からの優勢も虚しく敵地で敗北を喫することとなった。
ひとこと
ビラ、手堅く大きな3ポイントを勝ち取った。
試合結果
2026.2.11
プレミアリーグ 第26節
アストンビラ 1-0 ブライトン
ビラ・パーク
【得点者】
AVL:86′ ミングス
主審:ピーター・バンクス
クリスタル・パレス【13位】×バーンリー【19位】

悪夢の40分台
前節はM23ダービーでブライトンを撃破。久々の勝ち点3を手にしたクリスタル・パレス。バーンリーとの試合を制して、一気に降格圏との差をつけたいところだろう。
試合はパレスがショートパスで動かしながらのスタート。バーンリーは構えて前からのプレスに来ないので、ゆったりとボールを動かしていく時間が流れる。噛み合わせるフォーメーションを採用したバーンリーだったが、前から捕まえにいくような形を意識するというよりは後ろにきっちりと人を余らせる形を作っていた。
一方のパレスも非保持に回れば中盤に構える形。ボールを持つことができたバーンリーはローランを押し上げて右サイドからずらすアクションを作っていく。
だが、ブロック崩しに関して先手を取ったのはパレス。中盤で浮いたウォートンからの縦パスを受けたのはホームでの初先発となったストランド=ラーセン。自己紹介と言うべき、滑らかな抜け出しからゴールを生み出す。
浮いたウォートンは引き続き保持からチャンスを作り出す。一方的な保持でリズムを掴んだパレスが次に崩したのは右サイド。高い位置に出て行ったレルマからのクロスを再びストランド=ラーセンが押し込んでリードを広げる。
勝ちパターンかと思われたパレスが地獄を見たのが40分台。バーンリーはパレスを押し込んでいくと、ハンニバルとエドワーズのコンビネーションから大きな展開を作り出しつつフィニッシュまで。反撃の狼煙を上げると、ここからリズムのいいポゼッションから一気にパレスを飲み込んでいく。
パレスはいい形で受けられないとポゼッションも不安定に。中盤でボールをカットしたバーンリーはトランジッションからアンソニーがゴールを決めて追いつく。
さらにはセットプレーでバーンリーは前半のうちに逆転。ハンフリーズのゴールでセルハースト・パークを沈黙に追い込む。
後半はポゼッションで押し込んでいくパレスだが、バーンリーの跳ね返しは安定。流石にバーンリーのカウンターは少人数だったため、怖さは少なかったが、大人数でサイドに追い込みながら一斉にすれ違われるなど、変な対応もあった。
それでも横断しながら決定機を作るパレス。鎌田が迎えた決定機を仕留められなかったのは痛恨。不可解だったのはこのチャンスメイクの主役というべきムニョスをあっさり交代に踏み切ったこと。負傷であるならば仕方ないが、アウトサイドに広げるアクションが抜群に効いていただけに代えてしまう判断はよくわからなかった。
案の定、横の揺さぶりを効かせることができなくなったパレスはそのままバーンリーに逃げ切りを許すことに。痛恨すぎる逆転負けでブーストをかける機会を失った。
ひとこと
色々とあまりにも勿体なさ過ぎる負け方だった。
試合結果
2026.2.11
プレミアリーグ 第26節
クリスタル・パレス 2-3 バーンリー
セルハースト・パーク
【得点者】
CRY:17′ 33′ ストランド=ラーセン
BUR:40′ ハンニバル, 44′ アンソニー, 45+3′ レルマ(OG)
主審:ファライ・ハラム
マンチェスター・シティ【2位】×フラム【10位】

悪癖克服の完勝で首位追走
首位のアーセナルは木曜日に試合。寄らず離れずのタイトル争いになっているが、彼らにプレッシャーをかけるためにもホームで難敵をやっつけておきたいところだろう。
序盤からボールを持つのはシティ。4-4-2でミドルブロックを組むフラムに対して、いつもと同じ攻めのバランスで立ち向かう。左ワイドのセメンヨはセカンドストライカー的な運用だ。ただ、この試合で効いたのはむしろ右サイド。ハーフスペースをつくシンプルなアタックが非常に効いていた。
非保持においてもシティは圧力全開で優勢。即時奪回でずっと俺のターンを実現する。相手の陣地回復を許さず、ロングボール一発での反撃を許さない。
フラムはCHに入ったイウォビを使いながら列を下ろしつつショートパスから試合をコントロールしにいくことで調整。あくまでショートパスからのリカバリーから対抗していく。
しかし、先制は優勢だったシティ。シンプルな右サイドからのクロスの落としに抜け出したセメンヨが先制ゴールを決める。クロスを落としたのはベルゲ。手前で競りかけていたハーランドが邪魔だったのか、適切な処理ができずにアシストを献上してしまった。
それでもフラムは直後に決定機。イウォビ→ヒメネス→スミス・ロウと相手のプレスの間を縫うようなカウンターからウィルソンがチャンスを迎える。
だが、このチャンスを逃すと似たような形からシティが反撃。同じく中央を経由しての横断で左サイドからカウンターの仕上げ。フラムとの違いはフィニッシャーとなったオライリーがきっちりとゴールを仕留めたところだろう。
2点のリードをしたことでシティは落ち着いてポゼッション。フラムはプレスに出ていきたいのだけども、出ていったところでからぶってしまうというジレンマに追い込まれてしまう。
そんなフラムをよそにシティはさらに追加点。ハーランドがゴールを決めてリードを広げる。見事なシュートコースの作り方とフィニッシュの精度だった。
シティはハーフタイムでハーランドを下げるという余裕の采配。フラムは後半保持を増やしながら出口を探していくが、試合をコントロールするシティを相手になかなか隙を見せることはできず。ここ最近は前半は良くとも後半は悪い展開が続いたシティだが、この試合では後半も引き締まった試合運びを見せることができたと言っていいだろう。
フラムは60分のメンバー交代からハイプレスに出ていくが、なかなか試合のテンポを上げることはできず。展開を変えることができないまま、時間だけが過ぎていくことに。
最後のピンチもシャットアウトに成功したシティ。隙のないクリーンシートで首位追走の3ポイントを手にした。
ひとこと
課題克服の見事な勝利だった。
試合結果
2026.2.11
プレミアリーグ 第26節
マンチェスター・シティ 3-0 フラム
エティハド・スタジアム
【得点者】
Man City:24‘ セメンヨ, 30’ オライリー, 39‘ ハーランド
主審:ポール・ティアニー
サンダーランド【9位】×リバプール【6位】

最後の要塞が陥落
シティとの上位対決の結末は敗戦の上にショボスライを出場停止で失うというもの。あらゆるポジションで活躍した働き者の欠場は難所であるスタジアム・オブ・ライト攻略に向けての不安材料ということができるだろう。
まずは高い位置から出ていくのはサンダーランド。サイドにつけながら高い位置を取り、セットプレーからチャンスを作っていく。失った後に即時プレスにいくスタイルをスタンドのサポーターが大きな声援で後押ししていく。
しかしながら、リバプールがボールを持った時にはサンダーランドはきっちりと撤退。5-4-1でローブロックで埋めていく。対角のパスからWGの活用でボックス内に入っていく形を探るリバプール。だが、サンダーランドのブロック守備は強固。なかなか入り込むことができない。
それでも時間経過とともに左サイドのガクポからの深さを取るアクションとライン間のヴィルツを生かす形からチャンスを少しずつ作っていくリバプール。特にヴィルツにはそれなりに決定機が。なかなか枠内シュートを仕留めることができない。
サンダーランドの保持に対してリバプールの重心は低め。特にサラーが低い位置を取るのがこの日の特徴。ただ、低い位置をとったからいい守備かというと微妙なところで、ライン間が間延びしてしまい、普通に縦パスを入れられるシーンもあった。
それでもCFのブロビーとのデュエルにリバプールのCB陣は優勢。簡単に押し下げられることを許さず、チャンスを作らせない。
後半、サンダーランドはポゼッションから押し下げるアクションを敢行。幅を使いながら押し下げていき、前半以上にリバプールを押し込んでいく。
非保持ではハイプレスからもリズムを作っていく。リバプールは高いラインの背後を狙っていきたいところ。エキティケ起点のカウンターを仕掛けるが、なかなか繋ぎきれずに苦戦する。
やや劣勢の流れを変えたのはセットプレー。あまりにもあっさりとしたファン・ダイクのゴールでリバプールは先制。頼りになる主将の一撃で前に出ることに。
終盤は押し込みながらリバプールのブロック崩しに挑むサンダーランド。ブロビーはようやく押し込む機会を掴んでいくが、インサイドはなかなか固く仕留めきれない。
結局リバプールは逃げ切り勝利に成功。サンダーランドは今季初めてのホームでの敗戦を喫することとなった。
ひとこと
遠藤、超心配。
試合結果
2026.2.11
プレミアリーグ 第26節
サンダーランド 0-1 リバプール
スタジアム・オブ・ライト
【得点者】
LIV:61′ ファン・ダイク
主審:クリス・カヴァナー
ブレントフォード【7位】×アーセナル【1位】

お株を奪うセットプレー地獄
レビューはこちら。

まず、目についたのはブレントフォードの非保持のスタンスだろう。前からプレスに行く時は4-4-2、後ろに重心を傾ける時はアンカーのジャネルトが最終ラインに入っていって5バック組に変形する。
前線にはワッタラが前残り、逆サイドのSHはルイス-ポッターが下がることでより手厚くアーセナルの右サイドを封鎖しに行く。トランジッション局面では前の2人に当てながらチャンスを作っていく。
アーセナルは枚数をかけてサイドアタックをかけていくが、なかなかこじ開けることはできず。サイドにフォローに出てくるブレントフォードのCHが厄介であり、アーセナルの右サイド側にはさらにルイス-ポッターも加わるという堅さがある状況である。
ただ、ブロック守備を崩すということ以上にアーセナルにとって苦しかったのは腰を据えてのブロック崩しに挑めなかったこと。チアゴ、サイドの裏を狙うワッタラなどのロングボールはきっちりと収まることが多く、アーセナルは簡単に跳ね返すことができない。
徐々に出てきたギョケレシュの背後をショートパスで繋ぐシーンも出てくるなどゆったりと押し込む局面を作るブレントフォード。敵陣ではロングスローを含めたセットプレーで得点の可能性も見せて上々の前半だと言えるだろう。
後半、アーセナルはウーデゴールを交代で投入。左サイドに流れることでオーバーロード気味の状況を作っていく。前半は前残りしてロングボールの的となったワッタラも位置を下げることを余儀なくされる。チアゴへのロングボールは前半よりも余裕がないものであった。
押し込む機会を得たアーセナルは意外性のある形から先制点をゲット。左サイドからのインカピエのクロスをファーでマドゥエケが仕留めてゴール。対面のヘンリーには苦戦していた感があったマドゥエケだったが、空中戦で強さを見せてリードを奪った。
このまま勝ち切りたいアーセナルだったが、立ちはだかったのはセットプレー。押し込むフェーズでは延々とラヤのそばに人と正確なボールを入れることでチャンスを作り出していく。
なんとかコーナーやサイドに逃げるアーセナルだったがブレントフォードの繰り返しの輪廻から逃れることはできず。最終的にはニアのファン・デン・ベルフのスラしをファーでルイス-ポッターが仕留めて同点に。
取り返したいアーセナルだがギョケレシュへのロングボールに攻撃の傾向が固まってしまい、ブレントフォードを押し下げることはできず。最終盤には抜け出したマルティネッリが絶好のチャンスを迎えるが、これはケレハーがファインセーブ。事なきを得る。
ブレントフォードのチャンスはアーセナルよりも多かったが、CBとGKの奮闘でアーセナルも得点を許さず。終盤はどちらに点が入ってもおかしくない展開を両守護神が凌ぎ、両軍は勝ち点1を分け合うこととなった。
ひとこと
セットプレーで迫ってくるブレントフォード、ここ半年くらいのチームの中で一番怖かった。
試合結果
2026.2.12
プレミアリーグ
第26節
ブレントフォード 1-1 アーセナル
G-techコミュニティ・スタジアム
【得点者】
BRE:71′ ルイス-ポッター
ARS:61′ マドゥエケ
主審:ジョン・ブルックス
今節のベストイレブン

