Fixture
プレミアリーグ 第2節
2025.8.23
アーセナル(6位/1勝0分0敗/勝ち点3/得点1 失点0)
×
リーズ(7位/1勝0分0敗/勝ち点3/得点1 失点0)
@エミレーツ・スタジアム
戦績
過去の対戦成績

過去10回の対戦でアーセナルの9勝、引き分けが1つ。
アーセナルホームでの戦績

過去10回の対戦でアーセナルの7勝、リーズの2勝、引き分けが1つ。
スカッド情報
- クリスティアン・ノアゴール(軽微なメディカルの問題)
- ガブリエル・ジェズス(ACL)、カイ・ハヴァーツ(膝)
- ドミニク・キャルバート=ルーウィン(フィットネス)、セバスチャン・ボルナウ(ふくらはぎ)
- イーサン・アンパドゥ(足首)
Match facts from BBC sport
- アーセナルは直近14回のリーズとの公式戦で無敗(W12,D2)。現在6連勝中。
- リーズは直近12試合のアウェイでのアーセナル戦で10敗(W2)。直近14試合でクリーンシートがない。
- アーセナルは2010年に1-0で敗れたニューカッスル戦以降、直近42試合のプレミアにおける昇格組とのホームゲームで負けがない(W37,D5)。敗れなければチェルシーの43試合連続無敗の最長記録に並ぶ。
- リーズは直近30試合のロンドンでのアウェイでのリーグ戦で23敗(W4,D3)。プレミアにおいては21-22シーズン最終節の2-1で勝利したブレントフォード戦以降7連敗中。
- マンチェスター・ユナイテッド戦でのリカルド・カラフィオーリのコーナーからのゴールで、アーセナルはプレミアで23-24の開幕戦から31個目のコーナーからのゴール。他のチームよりも少なくとも11以上多い。セットプレーからのxGは1.02で全チームトップである一方で、オープンプレーにおけるxG(0.28)でこれより少ないのはエバートンとアストンビラだけ。
- リーズはマンデーナイトにエバートンに勝利。プレミアで開幕2連勝となれば02-03以来のこととなる。
- ダニエル・ファルケは直近2試合のプレミアの試合で勝利。これは自身プレミアで初めてのこと。現監督の中で、これより長い連勝記録を持つのはミケル・アルテタ監督とペップ・グアルディオラ監督のみ(それぞれ3連勝)。
- アルテタはリーズに8戦無敗でアーセナルの監督として無敗で最も多くリーズと対戦をしている人物。エミレーツでの5試合は全勝。
- ヴィクトル・ギョケレシュはアーセナルでのプレミアリーグデビュー戦でシュートを1本も放てなかった。23-24シーズン以来、トップリーグ戦でシュートを放てなかったのは初めてのこと。しかし、スポルティングではポルトガル・プリメイラ・リーガの昇格組相手に12試合に出場し、14ゴールに直接関与した(9G,5A)。
- エバートン戦で、ルーカス・ヌメチャはリーズの歴史上、クラブデビュー戦でPKを決めた2人目の選手となった。1人は1922年のパーシー・ウィップだ。リーズでプレミアリーグ初出場2試合で得点を挙げたのは1998年のアラン・スミス、2020年のパトリック・バンフォードとマテウシュ・クリヒの3人。
予習
第1節 エバートン戦

予想スタメン

展望
残留の要件は揃っているのか?
前節はオールド・トラフォードで命からがら3ポイントを手にしたアーセナル。ロンドンに舞い戻ってのホーム開幕戦は昇格組のリーズを迎えての一戦だ。
見ての通り、相性的には非常にアーセナルが優位となっているカード。リーグ戦ではコンスタントに複数得点を挙げることができている。
リーズのスタイルは開幕戦だけしかチェックすることができていないが、簡単に言えば非常にアグレッシブ。エネルギッシュで以前昇格した時のビエルサの時代を彷彿とさせるチームだ。
もっとも、ビエルサ時代ほど原理的なチームではない。というかビエルサくらい原理的なチームはなかなか存在しないけども。強引なマンツーマンというよりは後方では人を余らせることも許容。その一方で前線と中盤は味方を追い越すようなプレスの掛け方も奨励されている。
田中碧はこうしたアクションにおける象徴的な存在と言ってもいいだろう。プレスのスイッチ役としてチームを牽引し、開幕節では決勝点となるPKのきっかけとなるプレスのムーブメントを作り出した。特に前半は強度の高いプレスを敢行。連続的に保持側を追い回して相手に簡単に落ち着きを与えないというのは原理的でなくともリーズの代名詞となっている。
一方で開幕戦では保持ではゆったりした側面も見えた。対戦相手のエバートンがほとんど高い位置からのプレスを仕掛けてこなかったということも関係しているため、現状ではリーズがゆったりとボールを持つチームとするのは時期尚早だが、少なくとも前の試合ではそうだった。
攻撃を作る形は左サイドが中心。右のIHの田中がスライドし、左サイドでは高い位置でニョント、シュタハ、グドムンドソンの3枚から攻撃を組み立てていく。逆サイドはジェームズとボーグルの2人が少ない人数で手早く仕掛けていく。ジェームズは逆サイドからのクロスに飛び込んでくる役割を忠実にやっていたのでやはり左で作り、右に飛び込むという形が彼らの理想なのかもしれない。
ただし、後半にややエバートンが前からプレスに出てきた時は割と簡単に蹴っていた。この日の前線のピルーはタワー型ではないので、そうした状態でもボールを蹴るということを見ると、ひょっとするとプレス耐性には怪しいところがあるのかもしれない。もっとも、新加入のキャルバート=ルーウィンが最前線に入るなど配置の変更があればこの点は解決するかもしれない。
個人的にはプレミアに残留できる昇格組には2つの要素が必要だと思う。1つははっきりとした得点を取るための尖った武器があること。もう1つは非保持の時間を低い位置である程度我慢できる素養があること。どことなく1つ目の要素は開幕戦で垣間見ることができたリーズ。エミレーツでは2つ目の要件が備わっているかを試されるか、あるいは自分たちのスタイルを貫くか。いずれにしても楽しみな一番となる。
未知数の部分を揺さぶれるか?
リーズを揺さぶるという観点で考えればアーセナルはまず先制攻撃としてハイプレスを仕掛けたいところ。エバートン戦では全容が見れなかったリーズのハイプレス耐性を暴くというのが筋なように思う。
しかしながら、その肝となるであろうハヴァーツは少なくともこの試合は間に合わないことが確実。ギョケレシュは開幕戦ではプレスの旗手としては物足りなさを露呈しており、リーズを試す側として相応しいかが試されることとなる。試す側も試される側ということである。
アーセナルは基本的には開幕戦の反省点を回収することができるか?ということがこの試合のテーマのように思える。前からのプレスに行くことができるかもその1つである。
ハイプレスを回避し、前進することができるか?という保持側の課題も当然ここにかかってくるはず。前線がポジションを入れ替えながら追ってくるとリーズのスタイル自体はアーセナルにとっては相性がいいものと考えていいだろう。ただし、速いテンポにおいてミスを連発した開幕戦のクオリティしか見せられないのであれば話は別。ウーデゴール、サリバといったリリースのタイミングがイマイチだった選手たちには改善を求めたいところだ。
カウンターのクオリティも改善要素の1つ。走るコース取り、出すパスの質などクオリティの低さに関してはユナイテッド戦の最も大きな反省点だといってもいいくらい。最低限、失い方を気にすること。そして、ゴールという成功体験が欲しい。
エバートン戦のリーズは後半にペースが落ちたことを踏まえると、アーセナルはユナイテッド戦よりは押し込んでから攻めていくシーンは増える可能性が高い。左右の枚数をかけたサイド攻撃のクオリティはより問われる可能性がある。
左右のサイド攻撃はプレシーズンでは物足りなさがあったところではある。左サイドの活性化は中でもアーセナルファンが求めていることだろう。まずはきっちりとハーフスペースの裏を抜けることだと思う。ブロックの手前で足元で受ける選手ばかりだと、どうしても非保持側は圧力をかけやすくなる。止まって手前で受けることを活かすためにはまずは裏に抜けること。うまくいかない時は基本に立ち返ることを大事にしたい。
オールド・トラフォードではまずは勝ち点を取れたことが大きかった。ホームで昇格組を迎える一戦では同じ水準では物足りない。90分試合を支配するのは難しいだろうが、このチームはここで勝負するという輝きをきっちりと放つ時間は作って欲しい。