Fixture
明治安田 J1リーグ 第30節
2025.9.20
川崎フロンターレ(7位/13勝9分7敗/勝ち点48/得点53/失点38)
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FC東京(16位/8勝7分13敗/勝ち点31/得点30/失点42)
@Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu
戦績
近年の対戦成績

直近5年間の対戦で川崎は10勝、FC東京の2勝。
川崎ホームでの戦績

過去10戦で川崎の6勝、FC東京の2勝、引き分けが2つ。
Head-to-head
- 直近10試合で川崎が9勝を挙げているカード。
- 直近の3試合の対戦はすべて川崎が3-0で勝利している。
- 等々力でのリーグ戦では川崎の5連勝中で、FC東京はここ4年等々力で得点がない。最後のゴールは2020年のディエゴ・オリベイラのゴール。
- Transfermarktによると川崎はFC東京相手に公式戦で勝ち点を通算で114獲得しており、どの対戦相手よりも多い数字となっている。
スカッド情報
- 大関友翔、神田奏真は代表活動により不在。
- 欠場が続いていた家長昭博、大島僚太はフルトレーニングに復帰。
- 丸山祐市、車屋紳太郎は長期離脱中。
- ジェジエウは2試合連続のベンチ外。脇坂泰斗は今週の公開トレーニングに不在。
- 小柏剛は東京V戦で負傷による途中交代。
- マルセロ・ヒアンは累積警告による出場停止。
- 白井康介は右半腱様筋腱遠位付着部損傷で離脱中。
- 仲川輝人、俵積田晃太は週末のダービーで欠場。
予想スタメン

Match facts
- 直近6試合の公式戦で負けなし(W4,D2)
- 直近5試合中4試合で3得点を記録している。
- 前節は12試合ぶりのJ1のチーム相手のクリーンシート。
- 直近2試合のクリーンシートはいずれも横浜のチーム相手
- 高井幸大退団以降、等々力で行われたJ1相手の公式戦3試合はいずれも複数得点、複数失点を記録。少なくともどちらかのチームが3点以上を取っている。
- 伊藤達哉は公式戦6試合連続ゴール中。
- アウェイでの多摩川クラシコでは途中交代から得点を決めている。
- エリソンは直近5試合の出場したホームゲームで6得点。
- 7月以降、リーグ戦では連勝も連敗もない。
- リーグ戦直近3試合の勝利はいずれも味の素スタジアムで記録したもの。
- 今季アウェイで勝利したのは横浜FM、横浜FC、新潟でいずれも現在のテーブルで17位以下。
- 現在のテーブルで7位以内の相手との試合は1勝1分8敗。AGGでは2-19。
- 契約により出場不可の浦和戦を除くと、公式戦直近5試合の勝利はすべて長倉幹樹が得点を挙げている試合
- 松橋監督は川崎相手に4勝を挙げており、横浜FC、町田と並んで最も通算勝利数が多い相手。
予習
第27節 京都戦

第28節 名古屋戦

第29節 東京V戦

展望
武器を組み合わせるフェーズに課題
横浜FMとのダービーを制した川崎。久しぶりに首位との勝ち点差が縮まり、ほんのわずかにテーブルの頂上が近づいたと言えるだろう。優勝をするには勝利をひたすら積み重ねる必要がある。今節の相手は前節と同じくローカルライバル。FC東京との多摩川クラシコである。彼らもまたダービーを制したこの試合に臨むこととなる。
FC東京はここ数試合は4-4-2のフォーメーションで固定されている。保持においては2CB、2CHでビルドアップを敢行。GKを絡めたショートパスから動かしていく。このモデルにおいて大きな助けになっているのは右のCBに入っているショルツ。後方のビルドアップに一手に引き受けることができる。
特にプレッシャーがない状態においてはドリブルから相手の守備をずらすためのきっかけを作ることができるのが大きい。その一方でチームとしてプレス耐性があるかは怪しいところ。サイドラインに閉じ込められてしまった時は詰まらされていることが少なくない。
こういった場合はGKを使いながら相手の誘導を外したいところ。しかしながら、GKのスンギュは足元に不安がある。特にマーカーを背負いながら中央に降りてくる味方にパスをつけるところは怖い。戻す際には不安がつきまとう点は気がかりだ。
さらにショルツがボールを運べたとしてもなかなか味方につながらないのも難しいところ。運んだショルツに対して中盤より前がどのように動くべきかに迷いがあり、京都戦や名古屋戦においては彼の運びのスキルを活かしきれていなかった。
前線の長倉は好調なので彼にボールを届けるルートをどのように確保するかが攻撃の要になるだろう。その1つの手段候補である背負ってボールを受けられるマルセロ・ヒアンはこの試合では出場停止。ショルツのキャリーから加速ができるかどうかのところは多摩川クラシコでは普段以上に重要になってくる。俵積田、仲川といった推進力を出せる前線の復帰の有無も気になるところ。
サイドではSBの奮闘が目立つ。特に長友は大外レーンにおける背後への乱打権でく、インサイドに絞りながら縦パスをレシーブすることも。同サイドのショルツが持ち運べる影響からか、彼を生かすためのポジションどりを意識する機会は増えたように見受けられる。逆サイドの室屋もだが、フリーランからチャンスを作っていこうとという意識で縦に速い展開を引き出していっている。
サイドアタッカーの突破力も含めて武器は色々とある。しかしながら、それを組み合わせるところになかなか難があるように見受けられるのがFC東京。だからこそ、シンプルなヒアン→長倉の流れで東京ダービーの制した文脈があるはず。この多摩川クラシコでは新しいページを開けるかがポイントになるはずだ。
非保持においては前からのプレスの意識は高いものの、微妙にプレスが間に合わなかったり、あるいは勢い余ってファウルになってしまったりなど間合いがあっていないように思える。連動においてはまだ改善の余地があるといっていいだろう。
前からのプレスのスイッチを入れるきっかけが誰か?とか、SHが前に出ていった時の背後のスペースが空いてしまうなど課題も散見されるのが正直なところ。コンパクトな陣形でブロックを敷きつつ、間合いを掴みきれないという側面をなるべく出てこないような戦い方をやっていきたいところだろう。
能動的に状況を作り出す
ここまで継続してきた前線の能力を活かす形はFC東京戦でも有効だろう。エリソンへのロングボールは当然強力な武器になる。一発で完全に相手に勝って収めるだけでなく、競り合いながら粘ってマイボールにするスタンスが彼の強み。森重、ショルツといったFC東京の守備陣に対しては広い範囲に動きながら粘って前を向くシチュエーションを作っていきたい。
ただ、最近の川崎は前線の個に前進の負荷が大きい気もしないでもない。相手の守備に対して狙えるところがあるのであれば、もう少しショートパスの組み立ても増やしていきたいところ。FC東京でいえば、2トップの脇に立つ形で相手のSHを手前に引き出すと、一気にSH-SBの間にスペースが開く。WGのピン留め+CHのサイドフローが効く相手だと思う。相手がハイプレスに来た時はここを逃げ場にして前進していきたいところだ。

中盤でフリーマンを作れる展開になれば山本のいる川崎は得意な状況になる。オープンに試合がほぐれるまでそうした状況を待つのも手段ではあるが、できればもう少し能動的にそうした状況をパスワークで作れるチームになりたいところだろう。
サイドでの勝負においては対人能力が高いFC東京のSBとのデュエルは非常に楽しみ。好調の伊藤で室屋とのマッチアップの優位が取れれば川崎はさらに優位に傾くはずだ。
非保持においては高い位置からのハイプレスにトライしていきたい。基本的にはワンサイドカットしながらサイドに狭く閉じ込めていきたい。蹴らせて回収するにしても、GKを使いながら逃がすにしてもどちらに進むにしても川崎にとっては悪くない。長いボールの逃しどころになるマルセロ・ヒアンがいないのであれば尚更だろう。
前からのプレスに行かない状況においては、まずはショルツが運んだ時の受け方についてだろう。背後を狙うアクションよりは降りて受けて縦パスを狙う動きが多いのがFC東京なので、基本的にはコンパクトに4-4-2の陣形を構えながら降りる選手を捕まえにいく形がいいだろう。長倉が一番生きるであろうスペースを消しながらきっちりうけつつ相手の動きにきっちりリアクションできる状況を作っていきたい。
勝ってもなかなか上との差が詰まらないのが混戦で後手を踏む順位争いの辛いところ。首位への道は遠いが、横浜FM戦に続いて宿敵を倒し、奇跡への道を辿っていきたいところだ。
【参考】
transfermarkt(https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(https://soccer-db.net/)
Football LAB(http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(https://www.nikkansports.com/soccer/)