
序盤はアウェイの湘南がテンポを作っていく。2CHでアンカーの保持面での負荷を分散。センターラインでは鈴木へのロングボールを使いながら中央に起点を作り、左右に揺さぶることで保持ベースからサイドから押し込んでいく。
名古屋のセンターラインはプレスバックからこのビルドアップを潰しに行く。山岸のプレスバックから永井がカウンターを打っていたが、これはゴールが認められず。OFRの結果、ファウルを取られてしまった。
しかし、このプレーから少しずつ保持で押し返す機会が出てくる名古屋。敵陣でのプレータイムを増やしていくと、今季は素晴らしい破壊力を持っている稲垣のミドルから先制点を奪い取る。
さらに31分には右サイドからのクロスに抜け出した山岸の折り返しを永井が沈めてゴール。序盤に取り消されたゴールの鬱憤を晴らすような追加点を仕留める。
名古屋の保持の時間を咎めたい湘南だが、いかんせんハイプレスの質が上がらずに苦戦する。ならばボールは大事にしたいところ。奥埜、ゼ・ヒカルドの2人からショートパスで相手の守備を切り崩していきたいところだが、逆に名古屋のハイプレスで失点。苦しいバックパスを受けた吉田がコントロールを誤ってしまい、山岸がゴールを決める。
前半で3失点をしてしまった湘南。4枚の交代を敢行し、前からのプレスで後半頭のリカバリーにかける。だが、この勢いのあるプレスは名古屋に見事に回避されることに。CFのポストから前向きの選手を作り、逆サイドに展開されるというメカニズムで早々に決定機を作られてしまう。
心を折られそうな展開ではあったが、中央の競り合いのところでCFの山岸が退場処分に。思わぬ形で湘南が保持の時間を増やすきっかけを掴むことができた。
ルイス・フェリッピを投入し、さらに攻撃の面々を整える湘南。サイドからガンガンクロスを入れていく。すると、右サイドから鈴木雄斗の粘りが鈴木章斗のゴールを生み出して追撃。鈴木ラインによって湘南が1点を返す。
だが、このゴール直後に彼らの勢いは鎮火してしまった感。むしろ、1人少ないながら名古屋が前線を入れ替えた勢いからカウンターでゴールに迫る頻度を高めていた。結局試合はそれ以上は動かず。退場者の影響がありながらもリードを守った名古屋が3ポイントを挙げた。
ひとこと
前半の湘南、あまりにも辛すぎる失点の重ね方。
試合結果
2025.9.20
J1リーグ
第30節
名古屋グランパス 3-1 湘南ベルマーレ
豊田スタジアム
【得点者】
名古屋:19‘ 稲垣祥, 31’ 永井謙佑, 45+3‘ 山岸祐也
湘南:78‘ 鈴木章斗
主審:モハメド・アハメド