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「別の最高到達点」~2025.10.18 J1 第34節 川崎フロンターレ×清水エスパルス プレビュー

目次

Fixture

明治安田 J1リーグ 第34節
2025.10.18
川崎フロンターレ(7位/14勝11分8敗/勝ち点53/得点60/失点45)
×
清水エスパルス(11位/10勝11分12敗/勝ち点41/得点35/失点39)
@Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu

戦績

近年の対戦成績

直近10回の対戦で川崎は7勝、清水の1勝、引き分けが2つ。

川崎ホームでの戦績

過去10戦で川崎の8勝、引き分けが2つ。

Head-to-head

Head-to-head
  • 川崎は直近14試合の清水とのリーグ戦で無敗(W10,D4)
  • しかし、日本平での今年の試合はドロー。清水がリーグ戦で川崎に負けなく終われば2010年以来のこととなる。
  • ホームでの清水戦において川崎は直近10戦無敗。現在5連勝中でこの間のスコアは20-3。
  • 等々力での清水の最後の勝利は2014年。村田和哉の90分のゴールで3-2で勝利を挙げている。

スカッド情報

川崎フロンターレ
  • フィリップ・ウレモヴィッチ、ラザル・ロマニッチは出場停止。
  • 大島僚太、三浦颯太は肉離れによる離脱。
  • 丸山祐市、車屋紳太郎は長期離脱中。ジェジエウと山口瑠伊もベンチ外が続く。
清水エスパルス
  • 高橋祐治は左膝前十字靭帯断裂により長期離脱中。

予想スタメン

Match facts

川崎フロンターレ
  • 天皇杯3回戦、ルヴァンカップ準決勝進出は昨年と全く同じ成績。昨季はルヴァンカップ敗戦直後のリーグ戦はホームのG大阪戦で1-1の引き分け。
  • 公式戦は直近4試合で1勝のみ。
  • しかし、リーグ戦に限れば直近8試合で1敗だけ。
  • 直近8試合の公式戦のうち、7試合で先制点を挙げている。
  • 長谷部監督はキャリアにおける清水との5試合全てで得点も失点も記録している。
  • 伊藤達哉は直近12試合中10試合で得点。この12試合の間で敗れている2試合はいずれも伊藤が得点を決めていない試合。
清水エスパルス
  • リーグ戦では3試合勝利がない。
  • しかし、直近7試合のリーグ戦でクリーンシートは4つ。複数失点は1つだけ。
  • 関東でのアウェイゲームは今季ここまで3勝5敗。3つの勝利はいずれも現在のテーブルで自チームよりも低い順位のチーム相手に獲得したもの。
  • 髙橋利樹は直近5試合の先発した試合で3得点。
  • 北川航也がゴールを決めれば今季10得点。達成すればトップリーグでは2018年以来2回目。
  • 2014年の最後の等々力での勝利の際に2点目を取ったのは吉田豊。

予習

第31節 浦和戦

第32節 神戸戦

第33節 FC東京戦

展望

最後方から流れを変える守護神

 ルヴァンカップの敗退で事実上今季の無冠が確定した川崎。2025年に残している公式戦も5試合。間隔もたっぷり空いて準備の時間が十分に取れる中で何を見せられるかが問われる5試合となる。

 代表ウィーク明けの一戦となる試合は清水とのホームゲーム。等々力で今年戦うのはこの試合も含めてあと3つとなる。

 清水は3-4-3をベースとしているチーム。昇格組ながら今季は残留争いとはほぼ無縁。中位の中でどれだけ高いところまでたどり着けるかが残りのシーズンでやるべきこととなる。

 清水は非常にシャープな攻撃の手段を持っているチーム。バックラインからボールを動かしつつ、ショートパスからのビルドアップを行っていく。ビルドアップの枚数はGK込みで3枚になるか、もしくはCB3枚がスタンダード。GKを入れ込む場合はワイドのCBは高い位置で攻撃参加をすることが許容される。

 WBは逆にビルドアップには関与することは控えめ。大外を上下動しながら高い位置まで攻撃に出ていく。山原や高木のような順足であればシンプルなクロスだし、吉田のような逆足であれば切り返してのクロス。利き足に準じたプレー選択を素直に行っていく。

 大外をWBに任せる分、2列目はインサイドに専念。絞ってライン間でのタスクにフォーカスする。このシャドーが攻撃のタクトを振るうイメージ。CFのポストで前を向き、ドリブルやラストパスで中央を狙いつつ、オーバーラップしたWBを活用する。

 乾、小塚、松崎とシャドーを務める選手たちの得意なプレーにはそれぞれ違いがあるが、ここで前を向く選手を作れるかが攻撃のキーというのは誰が入っても同じ。前さえ向ければインサイドでもアウトサイドでも攻撃を完結させるルートが見えてくることとなる。

 非保持においては前から追っていきながらサイドに追い込む形と、自陣できっちり5-4-1で構える形を使い分けていく。プレスへの意識は低くないのだろうけども、この2つのプレスの切り替えに難がある感じ。特に一度リトリートモードに入ってしまった時に、前からのプレスに行くきっかけを掴み直すことができない。

 こうしたゲームの流れを掴み直すアクションがあまり上手くないのが清水の難点だろうか。3試合前の浦和戦は一方的に押す序盤戦を過ごしていたが、5-4-1で押し込まれた状態を一度作られると、そこから一気に押し込まれる時間が続いてしまう。悪い時間を跳ね返すイメージは湧きにくいのがこのチームの課題となるだろう。

 もっとも、このチームで流れを変えられる選手を1人挙げるとすればGKの梅田だろう。個人的には今の梅田は早川と双璧のレベルでのシュートストッパー。至近距離の反応速度もさることながら、ミドルシュートのストップ能力の高さは寄せが甘くなりがちな清水の守備陣の救いになっている。

 ここ数試合の失点の少なさは間違いなく彼の貢献の高さゆえ。最後の砦となる守護神を越えなければ、清水相手の得点は望めない。

50失点でリーグタイトルは不可能

 柏とタイプは異なるが、今節対戦する清水も3-4-3のチーム。GKを絡めながらのポゼッションでボールを動かしていく意識はあり、4-4-2で構える際にはギャップが生まれる。

 このフォーメーションの噛み合わせのギャップをどのように埋めるか?は課題になるだろう。柏に比べればレーン分けがはっきりしている分、受け渡しの難易度は間違いなく下がる。それでも噛み合わない相手に対して、変形しながらボールを捕まえるアクションを行うところの歪みは後半戦の継続した課題となるだろう。

 特に前進のスイッチ役となる両シャドーに対するDFとMFの受け渡しをどのようにするかは重要なポイント。ウレモヴィッチが出場停止のため、日曜日とは異なる並びのDFラインになるのは確実だが、1週間できっちりと準備をしておきたい。

 清水に勝つという観点では、まずは押し込むところをきっちりと行うところがポイントになる。彼らのリズムを失うきっかけとして、5-4-1のリトリートモードを起動させること。一旦後ろ向きになるとホルダーにはあまりタイトに来ないので、前向きの選手を作りながら細かく奥行きを作り、手前のスペースを開けながら梅田が反応できないコースにきっちりとゴールを打ち込みたいところだ。

 この試合だけでなく、これからの川崎を見据えた上でやはり向上すべきなのは非保持の局面が多くなる。SH-SB間、2トップのサイドを閉じ込めるアクション、FW-MF間の間延びなど解決しなければいけない部分はかなり多くある。ここからはきっちりと準備期間が空く試合が続く。相手に合わせた陣形を落とし込む準備を1試合ずつしながら、今季のリーグ戦やカップ戦で経験した最も大きな課題を潰していきたいところだろう。

 非保持における最高到達点を高くすることはここからの課題になるだろう。点を取れる攻撃を構築したのだからいい守備をそこに足せば最強!というのはなかなか通用しないのがサッカーの難しいところでもある。守備で負荷をかければ後半戦にスコアリングが好調だった伊藤やエリソンのゴールがピタッと止まってしまう可能性も否定することはできない。

 とはいえ、このままのペースでいけば今季の川崎は50失点を超える。50失点を喫してリーグタイトルを獲れることはまずないだろう。最低限、タイトルに挑戦するための失点数は40点台の前半がギリギリかなという感じ。このままのクオリティでは物足りないし、スケジュールに余裕が出ているはずの後半戦に失点が増えているのもいただけない。

 ここ1~2ヶ月で見られた前線のタレントを存分に生かす形は今季の最高到達点という意味では尊重できるが、リーグを獲りにいくのだとすれば別のバランスに存在する最高到達点を目指す必要がある。そのための準備の一歩目をこの清水戦で踏み出したい。

 

【参考】
transfermarkt(
https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(
https://soccer-db.net/)
Football LAB(
http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(
https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(
https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(
https://www.nikkansports.com/soccer/)

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