
C大阪の甘さを逃さなかった名古屋
序盤はロングボールの応酬。ワーワーとした速い展開の応酬の中で前線では左に流れるハットンがC大阪の起点としての存在感を確立する。
しかし、名古屋は徐々にバックラインを広く使うことでC大阪のプレスを撃退。ハイプレスに出てくる相手を超えることをというよりは細かく角度を変えながらのポゼッションが中心。C大阪の守備構造は比較的川崎と似ていて、中央とサイドの守備の連携に甘さがあった。
序盤は高い位置でマテウスをカットするなど勢いのいい入りを見せていたC大阪だが、徐々にフォーメーションの噛み合わない名古屋のビルドアップに苦しめられていた感が出てくる。
押し込む名古屋は徐々にゆったりとしたポゼッション。序盤はやや裏抜け一発を狙いすぎかな?という感覚もあったが、幅を使いながらもインサイドに差し込むバランスが時間経過とともに良化。出張で出てくるマテウスのターンから個人の質を生かした突破を見せる。
かといって、C大阪はハイプレスに出ていくとあっさりと横断されたところからピンチに陥る。36分のところでは前に出ていくアンドラーデの背後を取られる形からサイドチェンジを許し、中山のオーバーラップから決定機。木村はこの決定機を逃してしまうが、直後のCKから野上がファーでネットを揺らしなんとか名古屋は先制点にたどり着く。
C大阪の保持に対しては名古屋はかなり厳しくチェック。敵陣ではマンツーベースでのタイトなマークを行い、自陣ではボックスをプロテクトする5-4-1の使いわけ。出て行きにくくなってしまうこともあるような使いわけだが、少なくともこの日のC大阪には有効だったように思う。
優勢な名古屋は前半の終了間際に木村がリベンジを果たし追加点を確保。上々の前半でハーフタイムを迎える。
後半、2列目を2人入れ替えた形でリフレッシュを図るC大阪。阪田のフリーランでスペースができたハットンがミドルを放つなど、部分的な効果はあった一方で全体の流れの改善には至らず。前半からのことだが、ハイラインで粘れる佐藤のパフォーマンスはとても効いていた。
後半は名古屋の左サイドのカウンターが刺さった印象。中山、マテウス、木村などのコンビネーションからゴールに迫っていく。
70分以降はC大阪が押し込む時間帯を続けていく。きっちりとリトリートをする名古屋に対して、サイドからなかなか打ち破れない状況が続く中、85分にセットプレーからブエノが直接FKを叩き込む。
一矢報いることを許した名古屋ではあったが残りの時間帯はC大阪は外に追い出しながらインサイドを固めて冷静にクローズ。
ひとこと
保持のところ、少し名古屋はスマートになったかなという印象を受けた前半だった。
試合結果
2025.10.4
J1リーグ
第33節
名古屋グランパス 2-1 セレッソ大阪
豊田スタジアム
【得点者】
名古屋:37′ 野上結貴, 45′ 木村勇大
C大阪:85′ ヴィトール・ブエノ
主審:清水勇人