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「お前は俺か」~2025.10.25 J1 第35節 セレッソ大阪×川崎フロンターレ プレビュー

目次

Fixture

明治安田 J1リーグ 第35節
2025.10.25
セレッソ大阪(10位/12勝10分12敗/勝ち点46/得点52/失点50)
×
川崎フロンターレ(6位/15勝11分8敗/勝ち点56/得点65/失点48)
@ヨドコウ桜スタジアム

戦績

近年の対戦成績

直近5年間の対戦でC大阪の4勝、川崎の5勝、引き分けが4つ。

C大阪ホームでの戦績

直近10戦でC大阪の6勝、川崎の3勝、引き分けが1つ。

Head-to-head

Head-to-head
  • 今年の等々力での勝利で川崎はC大阪戦の未勝利を8でストップ。
  • 川崎が勝てば2021年以来のC大阪戦のシーズンダブル。
  • しかし、川崎は公式戦直近4試合のC大阪ホームで勝てておらず、リーグ戦では3連敗中。
  • 川崎の直近5回のアウェイのC大阪戦での勝利のうち、4回は3得点以上を記録。

スカッド情報

セレッソ大阪
  • ルーカス・フェルナンデスは右膝前十字靭帯断裂、半月板損傷による長期離脱。
  • 登里享平、上門知樹も長期離脱中。
  • 香川真司も直近2試合出場できていない。
川崎フロンターレ
  • 車屋紳太郎はトレーニングに合流。
  • フィリップ・ウレモヴィッチ、ラザル・ロマニッチは出場停止から復帰。
  • 大島僚太、三浦颯太は肉離れによる離脱。
  • 丸山祐市は長期離脱中。

予想スタメン

Match facts

セレッソ大阪
  • 直近5試合のリーグ戦で1勝だけ(D1,L3)。勝利した1試合は相手に退場者が出た岡山戦。
  • ホームゲームは直近4試合勝利がなく、勝てば2ヶ月半ぶりのこととなる。
  • リーグ戦の得失点の合計が102でこれより多いのは川崎(113)だけ。
  • ここまでリーグ戦で50失点を喫しており、これより多いのはG大阪(52)、新潟(56)、湘南(58)だけ。
  • 中島元彦は今季公式戦で決めた6つの得点のうち、5つを関西で決めており、その5試合は全て勝利している。
  • ラファエル・ハットンは今季ここまでのリーグ戦で14得点。これより多いのはレオ・セアラ(18)、ラファエル・エリアス(16)だけ。
川崎フロンターレ
  • 直近5試合の公式戦で1敗のみ。
  • しかし、その5試合では合計13失点を喫している。
  • 関西でのアウェイでのリーグ戦は直近9試合勝利がない(D3,L6)
  • ビハインドから得た勝ち点は19。これより多いのは京都(21)だけでC大阪とは同じ勝ち点。
  • 伊藤達哉は直近の公式戦13試合中11試合で得点。この13試合の間で敗れている2試合はいずれも伊藤が得点を決めていない試合。
  • 直近5つの公式戦のC大阪戦で決めたゴールはいずれも外国籍選手。
    • エリソン×2、マルシーニョ×3

予習

第32節 京都戦

第33節 名古屋戦

第34節 岡山戦

展望

同じ納得感を持っている

 今季の川崎といえばやはり得失点の多さが特徴の一つ。前節の清水戦も瞬く間に3得点を挙げて前半のうちに試合を決めたかと思いきや、PKなどの紆余曲折を経て終盤までもつれての5-3という内容となっている。

 Match factsの項でも触れたが、C大阪は川崎に次いで得失点の合計が多いチーム。単純な話で言えば、今季のJリーグで最も得点が生まれやすいチーム同士の対戦ということになる。

 直近の川崎は5-3のようなスコアに帰着するようなオープンさを有している納得感があるチームだが、C大阪も同じ納得感を有しているチーム。特にスイッチを入れているときはガンガンと前出ていきながらランアンドガンというべきサッカーを繰り広げている。

 特に京都戦の展開は印象的。同じく縦に速く前線に強力なアタッカーを有している京都と息をつかせないハイプレスの応酬を繰り返す流れ。ルーカス・フェルナンデスとエリアスという怪我人をそれぞれ前半で出しながらも、臆することなくガンガンプレスに出ていき、ひたすらカウンターを打ち続けるという展開だった。

 基本的には川崎と似たテイストを持っているチームのように思う。ビルドアップの組み合わせは2CBと2CHが基本線。幅を広く使いながらボールを動かしていく。CHが深くまで下がることがある分、トップ下の選手はボールを引き取る役目が重め。SBがビルドアップに関与し続けるわけではないが、RSBのコールズはドリブルからインサイドに入っていくことで間延びした守備ブロックを攻略しにいく。

 しかしながら、スローテンポで試合をコントロールすることはあまり得意なチームではない。ゆったりとしたポゼッションとは縁が薄く、基本的には2列目から前の加速が軸。ズレを見つけて2列目が前を向くと高い加速性能からゴールに向かうチームである。

 前線は優れた得点能力を持つCFと、スピード豊かな日本人と外国人のワイドの組み合わせという構成まで一緒。ハットン、本間、アンドラーデの3枚はスピードに乗ることができれば、相手を攻め切ることができる破壊力を持っている。

 きっちりと押し込み切って前線で枚数をかけるよりは少ない人数の連携でオープンスペースを攻め切る形の方が得意。クロッサーとしてアシストを量産していた順足WGのルーカス・フェルナンデスの負傷により、より縦に速いイメージに拍車がかかっているのかもしれない。京都戦の前はあまりチェックできていないけども。

 守備面での課題も川崎と似ている。前からのプレスには意欲的だが、CF-SHの連携が切れてしまってSHの背後を使われて横断を許したり、CFと2列目の間をコンパクトに保つことができず、相手のCHに前を向かれてしまったりなど。押し込まれるとなかなか陣地回復のきっかけを掴めないところもどこか予習していて見覚えがあった。

 高い位置まで出ていく守備をキープすることができれば強い。CBが出ていくことで相手のCFの収めるアクションを咎めることができる。リズムがいい守備に持っていけるかどうかは博打的な要素が強いことは否定できないだろう。

揺らぐ信頼を取り戻す

 簡単に言えば、目の前にいるのは自分たちと似たチームなので、自分たちがやられて嫌なことをやり、自分たちが持っていきたい形に持ち込ませないのが理想ということになる。カウンターにおいては加速のきっかけを作らせないことが優先。2列目が加速すると面倒なので、彼らに前を向かせないこと。そして、彼らに前を向かせるためにポストを積極的に行うハットンを咎めることができるかが重要になるだろう。

 押し込まれる局面においてはCHのゲームメイクに注意を払いたい。サイドを低くまで押し下げられてしまい、CHがサイドのケアに回ったり、あるいはPA内に吸収されてしまったりなどの状況は要注意。香川が浮けばスモールスペースをされてしまう形もつくられるし、全員ミドルの意識も高いので容赦無く枠を狙って足を振ってくることもできるチーム。GKに何もできない状況を作らせないためにもバイタルの押し上げはサボらないようにしたい。

 ロングカウンターは当然狙うことはできる。高い位置を取るだけでなく、自由なポジショニングのコールズの背後をマルシーニョにとってもらうアクションは非常にイメージしやすい。

 ただ、相手を壊すというイメージで言えばやはりポゼッションから動かしていきたいところ。前への意識が強いSHの背後を取ることで、相手のCHをスライドさせながら横断のきっかけをつくりたい。

 ガッチリと組み合う展開においてはやはり中盤の優劣が試合の展開にダイレクトに影響するイメージが強い。オフザボールの運動量、そして非保持における守備のフィルター役としての能力に関しては川崎の方がC大阪よりも自信が持てる部分かと思う。この試合を勝つということを考えると、やはり中盤での組み合いには勝利したいところではある。

 もちろん、ディスゲームを勝つことも重要だが、来季を見据えることも今の川崎にとっては重要。今の川崎のCBの人員構成や負傷への耐久度を考えると、基本的には2026年のCBはウレモヴィッチを軸にして動くしかない。ここまではクロスを跳ね返す部分を筆頭に要所で高い能力を見せてはいるが、ポジションの性格を考えると2回の退場は看過できるものではない。2回目の退場は軸としての信頼度が揺らぐところまでは来てしまっていると言わざるを得ない。

 くしくも、C大阪が生み出す速いテンポの攻撃の形はCBの耐久度が試される部分でもある。岡山戦ではブローダーセンが毒牙にかかってしまい、退場の憂き目にあっている。

 もちろん、川崎が制御しながら守る術を持ち合わせていればいいのだが、先週末の清水戦を見る限り、その部分の上積みを期待するのはオフシーズンの方が良さそうというのが正直な感想。ならば、ウレモヴィッチに速いテンポの中で守り切る能力が本当にあるのかどうか?というところを残りのシーズンで見極めるところはきっちりとやっておきたい。バルカン出身の闘将が揺らぐ信頼を取り戻すことができることを心から期待している。

【参考】
transfermarkt(
https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(
https://soccer-db.net/)
Football LAB(
http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(
https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(
https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(
https://www.nikkansports.com/soccer/)

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