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「理想のシーズンの運び方」~2025.11.4 UEFAチャンピオンズリーグ リーグフェーズ 第4節 スラビア・プラハ×アーセナル プレビュー

目次

Fixture

UEFAチャンピオンズリーグ
リーグフェーズ 第4節
2025.11.4
スラビア・プラハ(28位/0勝2分1敗/勝ち点2/得点2 失点5)
×
アーセナル(4位/3勝0分0敗/勝ち点9/得点8 失点0)
@エデン・アレナ

戦績

過去の対戦成績

 過去10回の対戦でマンチェスター・シティの2勝、アーセナルの7勝、引き分けが1つ。

Match facts from BBC sport

Head-to-head
  • スラビア・プラハは過去4回のアーセナルとのゲームで勝ちがない(D2,L2)。アーセナル以上に欧州で勝てていない相手はアンデルレヒト(5)だけ。
  • スラビア・プラハは欧州カップにおけるイングランド勢との8回の対戦で1勝のみ(D2,L5)。2000年UEFAカップにおけるリーズ戦での2-1の勝利から未勝利が続く。この試合で複数得点を挙げて以降の7試合では得点は1つだけ。
  • アーセナルは直近10試合のチェコ勢との対戦で負けがなく、うち8試合で勝利。この10試合で27得点を挙げており、失点は3。クリーンシートを8つ記録している。
  • 2007年のFCSBに対する初勝利以降、スラビア・プラハは直近14試合のCLで勝ちがない(D6,L8)。今季CLに参戦している36チームのうち、一番長い未勝利のランであり、2004年から2005年にかけてスパルタ・プラハがマークしたチェコ勢としての歴代最長記録にも並んでいる。
  • アーセナルはインテルと並び今季のCLにおける開幕3連勝を全てクリーンシートで達成。開幕4連勝となれば2005-06以来のこととなる。仮に無失点で達成すれば1969-70のリーズに続いてイングランド勢史上2つ目のチームとなる。
  • スラビア・プラハは第2節と第3節に得点を取れていない4つのチームのうちの1つ。この2試合で最低のxG(0.84)を記録しており、1本における平均xGの大きさも最小(0.04)
  • 今季のCLにおいてアーセナル(1.51)よりも被xGが低いのはバイエルン(1.37)だけ。被枠内シュートの6本もマンチェスター・シティに並んで最少。
  • スラビア・プラハは今季2017分のプレータイムをチェコの選手に与えており、アスレティック(2717)とボデ/グリムト(2403)についで自国籍の選手にプレータイムを与えているチーム。
  • ガブリエル・マルティネッリは今季の3試合のCLで全て得点を記録。4試合連続を過去に記録しているのは94-95のカップウィナーズカップにおけるイアン・ライトのみ。
  • ミケル・アルテタはアーセナルの監督としてのCLの勝利が63%(17/27)。20試合以上を指揮したクラブの指揮官としては歴代8位で英国勢としては最高の数字。

予習

CL 第1節 ボデ/グリムト戦

CL 第2節 インテル戦

CL 第3節 アタランタ戦

準備中

予想スタメン

展望

はっきりしたスタイルに潜む脆さ

 CLのストレート通過の目安は16。アーセナルは最終節にカイラトとのホームゲームを控えており、ここはおそらく勝ちの勘定ができると考えると、それ以外の7試合で13を稼げば突破が見える。ゲタを履かせても7節まで残り2勝ができればストレートインは相当高い確率で期待ができる。

 しかし、アーセナルはまだポット1のチームとは未対戦。バイエルン、インテルが控えていることを踏まえれば1つ落とすと一気に雲行きが怪しくなる側面があるのも事実。このスラビア・プラハとの一戦はなんとかものにして年内突破確実のボーダーまでの道のりを作りたいところだろう。

 スラビア・プラハは今季ここまでCLでは未勝利。フォーメーションは試合によって異なり、4バックを採用している時と5バックを採用している時がある。フォーメーションを使い分けるというよりは試合の中で流動性のあるポジションを各個人に許容し、その結果、試合ごとに形が異なるように見えるのだろう。

 試合ごとに形が異なるというのは守備のフォーメーションが相手基準であるという要素が大きい。前から捕まえにいくマンツーが基本線であり、攻め上がりに対しても徹底的についていく。相手のCF相手にCBを余らせて、バックラインに自由にボールを持たせるという意味でオールコートマンツーではないが、守備の原則を考えるとどちらかといえば原理主義的な守備基準となる。

 攻撃の形は縦に速い方が得意分野。フリーでボールを持つことができれば、中盤やワイドがガンガン縦向きの矢印を出していきながらの完結を狙っていく。基本的には右サイドで作り、左サイドで仕留めるという形がメインストリーム。右のハーフスペースからの折り返しを狙いつつ、逆サイドのWBまでボックス内に入り込みゴールに迫っていく。

 左のWBのムボジは開幕節で2得点を挙げており、ボックス内の得点感覚には優れているが、PKを献上してしまうなどソロでの守備対応には怪しいところがある。インテル戦では橋岡が起用されたことを踏まえても、ここは一長一短とは考えてそうではある。

 スタイルははっきりしていて見ていて気持ちいいタイプのチームではあるが、なかなかそこを体現するまでのところに難がある。2点差を追いつかれたボデ/グリムト戦を考えてもリードを得た時に試合をコントロールする器用さもない。スラビア・プラハの現在地はそんなところだろうか。

お手軽じゃないとしても

 マンツー気味ではあるが、守備がタイトとは言えないので一番手軽なのは前線に当てる形だろう。マルティネッリやギョケレシュは出場できていたとしたら反転からの加速を視野に入れられるタイトさであり、かなりリスクを抑えながら高い威力の攻撃を期待できたのではないだろうか。

 ただ、そこの手段が封じられたとしても悲観することはない。中盤のネガトラ意識が高いわけではないので、メリーノやトロサールといった降りて受ける意識の高い選手でも挟み込まれるリスクは少ない。手軽に敵陣まで進めるという風にはならないかもしれないが、手数をかければ打開策は見える。

 後方のボールを動かすところからも穴を明けることはできるだろう。スラビア・プラハはCBがボールを運ぶアクションにはめっぽう弱く、中盤からのスライドで連動して守備の穴を埋めることは得意ではないチーム。CBが運ぶことをサボらなければ、問題はない。ホリーへのロングボール対応ができるか?というところはあるが、ボールを動かすところに強みがあるモスケラを起用してもいいかもしれない。いずれにしてもCBが相手の穴をつっつくことができて、その穴にSBが入り込むという従来の形から崩しのチャンスはできるはずだ。

 クロス対応という点では抑えるポイントはアーセナルの右サイドの絞り。WBに背中を取られて出し抜かれるという形には警戒が必要である。ポゼッションの要素が増えてくる場合は、アンカー役の19番のドーリーがリズムを司るので、ここのマークが必要。メリーノ、エゼ、ヌワネリあたりはまずはこのポイントをどう抑えるかを整理して望みたいところだろう。

 欠場者が増えてきて、過密日程のダメージが徐々にスカッドを蝕んできているというのが今のアーセナル。ただ、スラビア・プラハはそうした状況でのアウェイゲームだとしても勝ちを掴んでおきたい相手であることも確か。序盤戦で貯金を作り、中盤以降に余裕を持った運用できるようなシーズンの運び方ができれば理想だ。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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