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「1週間のテーマ」~2025.12.10 UEFAチャンピオンズリーグ リーグフェーズ 第6節 クラブ・ブルッヘ×アーセナル プレビュー

目次

Fixture

UEFAチャンピオンズリーグ
リーグフェーズ 第6節
2025.12.10
クラブ・ブルッヘ(26位/1勝1分3敗/勝ち点4/得点8 失点13)
×
アーセナル(1位/5勝0分0敗/勝ち点15/得点14 失点1)
@ヤン・ブレイデルスタディオン

Match facts from BBC sport

Match facts
  • ブルッヘはこれまで12の異なるイングランドのチームと対戦してきたが、アーセナルとは初対戦。直近の18回のイングランド勢との対戦では1回しか勝てていない(D3,L14)が、直近の2024年11月の試合ではアストンビラに勝利をしている。
  • アーセナルの最後のベルギー勢相手の敗戦は1981年の10月。KFCウィンタースラグに敗れている。以降は9試合負けがない(W7,D2)。直近4試合のアウェイゲームでも無敗(W3,D1)。
  • ブルッヘは2025年のCL11試合で25失点を喫しており、これより多いのは13試合で27失点を喫しているバルセロナだけ。被枠内シュート(73)と被xG(23.5)も最も多い。
  • アーセナルは今季のCLで唯一の全勝チーム。欧州カップの歴史において開幕6試合を全勝したイングランド勢は過去に4チーム。1965-66のマンチェスター・ユナイテッド、1969-70のリーズ、2021-22,2024-24のリバプール、2023-24のマンチェスター・シティ。
  • アーセナルは直近7試合のCLのアウェイゲームで勝利。かつ今季の2試合の勝利は無失点。アウェイでの開幕3試合全てクリーンシートで飾れば2005-06以来のこと。
  • ブルッヘは今季のCL開幕2試合でいずれも3得点以上を記録(モナコ戦の4-1、バルセロナ戦の3-3)。3試合連続で3得点以上を記録したベルギー勢は1967年から1972年にかけて4試合連続を記録したアンデルレヒト以来。
  • アーセナルは直近9試合のCLのリーグフェーズに全勝。この間、27得点3失点を記録している。10試合連続になればイングランド勢としては2022年から2025年にかけてのリバプール(12)が唯一。
  • CLにおけるアーセナルの今季の被xGは2.59で最小。枠内シュート9本も最小。5回のビッグチャンス献上も他クラブより少なくとも2以上少ない。
  • カルロス・フォルブスが今季記録した4つのゴール関与は全てホームでのもの(2G,2A)。過去に開幕から3試合連続ホームでアシストを決めた選手は3人いて、そのうち1人が2023年のブカヨ・サカ。
  • ガブリエル・マルティネッリは今季CLで出場した4試合連続でゴールを決めている。5試合連続でCLで得点を決めたアーセナルの選手は過去に存在せず、欧州カップ戦までに範囲を広げれば1994-95のカップ・ウィナーズ・カップのイアン・ライト(8)と1999-00のUEFAカップにおけるティエリ・アンリ(6)だけ。

予習

CL 第3節 バイエルン戦

CL 第4節 バルセロナ戦

CL 第5節 スポルティング戦

予想スタメン

展望

攻守にアグレッシブなスタイル「だった」が

 アウェイでのリーグ戦ではやや停滞気味のアーセナルだが、CLでは唯一の5連勝。ホームでカイラトを残している状態での勝ち点15はもはや突破はほぼ手中。第6節で勝利を挙げることができれば1月のCLの負荷は一気に下がる。2週間後に控えるカラバオカップ準々決勝のパレス戦を制すれば、地獄のスケジュールとなる1月において多少は猶予を持つことができる。

 第6節の対戦相手であるクラブ・ブルッヘは8日付でニッキー・ヘイエン監督を解任。CLのアーセナル戦にはイヴァン・レコ新監督が指揮を取ることとなる。やられてしまった直前での監督解任。これで見事に予習も水の泡ではあるが、私の調べてきたこと発表会くらいの気持ちで以下の記事を読んでほしい。

 クラブ・ブルッヘはホームとアウェイでの戦績がはっきりしているチーム。今季得た勝ち点4は全てホームで得たもの。モナコとバルセロナ相手に得た4ポイントだ。

 スタイルはアグレッシブそのもの。マンツーベースの前がかりな守備をベースに敵陣に高いところから襲い掛かりつつ、ボールを奪ったら縦に速い攻撃を見せていく。

 「完璧なマンツーマンなどといったものは存在しない。完璧なゾーンディフェンスが存在しないようにね」といった言葉があるが、クラブ・ブルッヘはかなりマンツーマンに関しては原理主義的。特にビルドアップ時に頻発するレーンチェンジには徹底的についていくことで潰しに行く。

 特にホームゲームでは最後まで力を振り絞りつつバックラインまでプレスに出ていくことが多い。バルセロナは最後の最後のハイプレスでシュチェスニーが咎められてネットを揺らされたが、ギリギリファウル判定で失点を回避することができたという感じである。

 保持においては3-2-5という陣形をキープすることが基本。特に中盤より前はポジションの入れ替えは多く、オニェディカがアンカーの位置で固定配置となり、隣の選手が変わっていくスタイルだ。

 しかしながら、バルセロナ戦で見られたのはトランジッションベースでの攻略。サイドからの素早い攻撃で一気に壊しにいく。特に右のSHであるフォルブスからの打開は攻撃の生命線といえる。逆サイドのツォリスも含めてサイドのスピードは大きな武器と言えるだろう。敵陣でのハイプレスでのアグレッシブさと、自陣でのサイド封鎖からのトランジッションというコンボで一気に壊すというのがクラブ・ブルッヘのパターンだ。

インカピエ+復帰組の前線に期待

 クラブ・ブルッヘはマンツーベースという戦い方ではあるが、要警戒ポイントに関しては重点的に対策を敷く。例えば、バルセロナ戦ではSHのツォリスが下がってヤマルに2枚マークをつける形を作っていた。監督が代わったとはいえ、時間がない現状では引き続き前任の形を踏襲する形もあり得る。サカが出場するのであれば、彼に2枚をつけるというプランの採用もあるだろう。

 ピッチ全体においてマンツー主体の戦い型である場合、守備の難点は他の場所が破れた時にフォローに回りにくいこと。サカにダブルチームをつける場合、SBのマークを代わりにフォローする選手がいなくなってしまうだろう。

 ダブルチームほどわかりやすくなくてもマンツーベースで劣勢に回るケースは十分に観測される。スポルティング戦では中盤でのレーンチェンジでマンツーを振り切って前を向き、ここからハイラインを一気に破る形を作っていく。

 よって保持では相手の守備の原則であるマンツーでカバーできない状況を作ることが目標となる。方法としてはここまで紹介した通り。サイドに1枚で止めることができない大駒を使い、その周辺をSBやIHでつっつくというやり方が1つ。もう1つは細かなビルドアップから中盤のギャップに差し込んでいくという形だ。

 前者に関してはおそらくはサカを使えば問題ないだろうし、マドゥエケやマルティネッリといった異なる馬力系のWGでもそういう形を作ることができるかもしれない。

 問題は後者。後方からのズレを作って前進できるか?というところに関してはサリバとガブリエウの離脱がボディーブローのように効いている感じがある。インカピエはまだまだ寄せられた時のボールの逃し方が甘く、ボールを捨てる羽目になることも少なくない。この点はまだまだアーセナルのCBとしてプレーしながら組み立てのスキルを掴んでいく必要がある。

 迎撃守備も含めて今はプレータイムをこなしながら、アーセナルのCBとしての慣れを積み上げていってほしいフェーズ。ガブリエウの離脱でまとまったプレータイムを得ることができるのをチャンスとして、成長のステップを踏んでいってほしいところである。

 既存戦力に踏ん張ってもらうしかないバックラインとは異なり、中盤と前線は既存戦力を休ませることと復帰明けの選手のコンディションアップというテーマを持ってこの1週間を過ごす必要がある。ギョケレシュはブルッヘのようなアグレッシブなスタイルのチームには刺さりやすいだろうし、1on1を受け入れてくれる可能性があるマドゥエケも持ち味を発揮しやすい環境にある。彼らには復調のきっかけを掴む1週間にしてほしい。

 ライスとスビメンディは週末のウルブス戦と合わせて最低でもどちらかはスターターから外したいところ。ノアゴールにはスタメンでのアピールのチャンスも出てくるかもしれない。いずれにしてもこの1週間のテーマははっきりしている。来る年末年始の鬼の日程に対して、準備が進んでいることを印象付ける2試合にできるかどうかだ。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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