
逆転のきっかけを掴みきれず
1st legでは大量の3点差のリードを確保した柏。横浜FMの反撃の勢いを挫くべく、リカルド・ロドリゲスは1st legとほぼ変わらないメンバーを投入。勝ち抜けに万全を期す姿勢をメンバー選考から表現する。
変わらないのはメンバーだけではなくスタンスも。序盤から柏は左サイドを軸としたポジションをローテさせながらのポゼッションで前進を行う。
とりわけ、この試合で目立っていたのは1st legのスタメンにはいなかった2人。対角パスを駆使する杉岡と、相手を引きちぎるようなドリブルで進む小屋松は日産スタジアムの戦いではないアクセントになっていたと言っていいだろう。
効果的に前進していく柏に対して、横浜FMも柏のプレスに対してショートパスから真っ向勝負。GKを使いながら相手を外しにいく。飯倉はこの試合ではロングボールを入れるタイミングや逆サイドにパスを入れて誘導を外したりなど、非常によく効いていたと言っていいだろう。
サイドにボールを逃した後はシンプルなワンツーでの裏抜けから勝負を仕掛けていく横浜FM。スピードで勝負する井上とタメを使いながら味方が上がる時間を作りつつカットインを仕掛けていくクルークスというWGのカラーの違いを意識しつつ、彼らを活かしていこうという気概は感じる展開。
ボックス内でこぼれ球を押し込んだ植中のゴールが認められていれば横浜FMにとっては反撃の算段としては十分な一撃になったはず。しかし、このゴールはデイビッドのオフサイドで認められず。試合はスコアレスでハーフタイムを迎える。
3点差を45分で埋めるということを念頭においたとすると、やはり後半の入りは非常に重要。もう一度日常のスタンスを打ち出してきた柏を掻い潜りながら迎えた植中の決定機は絶対に決めたかったところだろう。
トランジッション色が強まる中で根性を見せる横浜FM。だが、CHの管理が甘いところで柏から前進を許すシーンもしばしば。植中のプレスバックなどからリカバリーを図るが、飯倉のミスから瀬川が決定機を迎えるなど、徐々に旗色は悪くなる。
終盤は受けに回る機会が増えた柏。中川の累積警告による準決勝の出場停止など痛手となるダメージもあったが、逃げ切りというミッションには問題なく成功。終盤には勝ち抜けを祝うゴールも仕留め、盤石のベスト4となった。
ひとこと
柏、見事なゲームコントロール。横浜FMも試合を変えられそうなきっかけは掴みかけていたが。
試合結果
2025.9.7
Jリーグ YBCルヴァンカップ
Quarter-final
2nd leg
柏レイソル 1-0(AGG:5-1) 横浜F・マリノス
三協フロンテア柏スタジアム
【得点者】
柏:90+1′ 戸嶋祥郎
主審:中村太