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「二段構えの大勝負」~2025.10.8 Jリーグ YBCルヴァンカップ Semi-final 1st leg 川崎フロンターレ×柏レイソル プレビュー

目次

Fixture

Jリーグ YBCルヴァンカップ
Quarter-final 1st leg
2025.10.8
川崎フロンターレ
×
柏レイソル
@U-vanceとどろきスタジアム by Fujitsu

戦績

近年の対戦成績

直近5年間の対戦で川崎の4勝、引き分けが7つ。

川崎ホームでの戦績

直近10戦で川崎の6勝、柏の2勝、引き分けが2つ。

Head-to-head

Head-to-head
  • 川崎は柏との公式戦直近16試合負けなし(W8,D8)
  • しかし、カップ戦に限れば川崎は直近4試合の柏戦で勝てていない。
    • 2023年の天皇杯決勝はPK戦決着のため引き分け扱いとする。
  • Jリーグカップの対戦は過去5回。ホーム側が5戦4勝(D1)
  • 前回対戦は合計8ゴール。先制点となるラザル・ロマニッチのPK以外の7得点は全て異なる7人の選手が得点し(ラザル・ロマニッチ、伊藤達哉、脇坂泰斗、垣田裕暉、ジエゴ、中川敦瑛、三丸拡)、異なる7人の選手がアシストしている(三浦颯太、ファン・ウェルメスケルケン・際、脇坂泰斗、山田雄士、杉岡大暉、小屋松知哉、原川力)。

スカッド情報

川崎フロンターレ
  • 大関友翔、神田奏真は代表活動により不在。
  • 欠場が続いていた大島僚太はフルトレーニングに復帰。
  • 丸山祐市、車屋紳太郎は長期離脱中。
  • ジェジエウもベンチ外が続く。
  • 山口瑠伊は前節欠場。
柏レイソル
  • 渡井理己、熊坂光希、手塚康平はACLによって長期離脱。
  • 瀬川祐輔、久保藤次郎、小西雄大、熊澤和希、原田亘もベンチ外が続く。
  • 中川敦瑛は出場停止。

予想スタメン

Match facts

川崎フロンターレ
  • 直近10試合の公式戦で1敗のみ(W5,D4)。
  • 直近3回の2レグ制のJリーグカップでの敗戦は全てアウェイ→ホームの順で戦っている。
  • 直近3回のホーム→アウェイでのJリーグカップでの戦いは全て勝ち抜け。
  • 直近12試合の公式戦のうち、9試合で先制点を手にしている。
  • 伊藤達哉は直近出場した公式戦10試合のうち、9試合で得点を決めており合計10得点。
  • 脇坂泰斗は柏との公式戦で4試合連続で得点を決めている。
柏レイソル
  • 公式戦9試合で負けがない。
    • 直近3つの勝利はいずれも横浜FM相手に挙げたもの。
  • 川崎戦で記録した4失点は今季ワースト。
  • 今季の公式戦6敗は全て複数失点でうち4試合は3失点以上。
  • 出場した直近6試合のJリーグカップの準々決勝のうち、5回準決勝に勝ち上がっていく。
  • 今季のルヴァンカップはここまで全勝。
  • 垣田裕暉は今季のルヴァンカップで4得点。現在の大会得点王。

予習

第32節 川崎戦

第33節 横浜FM戦

展望

2つの勝負のポイント

 今季、川崎に唯一残されたタイトルとなったルヴァンカップ。対するは10日ぶりの再会となる柏。週末の試合では上位の中で1チームだけ勝利し、なんとか逆転優勝の目を残している。

 当然、たった2週間なので基本的に戦い方は変わっていない。ベースとなる戦い方は下記のプレビューを参考してほしい。

 実際にリーグ戦を戦ってみてわかったことは現段階で静的な局面で戦うことに関しては柏には敵わないということ。間に入ってくる選手を整理し続けることは柏相手には難しい。川崎は週末もSB-CBのスペースに飛び込む選手への対応を整理することができないまま失点を喫している。一辺倒でハーフスペースの裏抜けを狙ってきた京都に対して、広げたり狭めたりのアクションを挟んでくる柏の対応は難易度が上がっていくはずだ。

 この180分を分けるポイントはどの土俵で戦うか?である。先に述べたように川崎はいかに押し込まれる局面を減らしていきたい。

 逆に柏が避けたいのは行ったり来たりが続く展開である。制御できず、局面での強度勝負となってしまうと川崎に対して分が悪いのはリーグ戦でわかっている。あの試合でいなかったエリソンがルヴァンカップでは起用できることを踏まえると、馬力の持続力は前回対戦以上にあると想定することもできる。

 その上でさらにもう1つのポイントとなりそうなのは柏の離脱者のカムバック具合だろう。週末の横浜FM戦の時点では瀬川、久保、原田といった前回対戦にいなかった選手たちの復帰は確認することができなかった。

 多くのメンバーが戻ってこないことでメンバーは固定化されてしまい、勤続疲労が懸念。横浜FM戦では交代が遅くなった影響もあり、本来は得意なはずの終盤戦において、間延びして相手に侵入の隙を許してしまうこともあった。川崎とのリーグ戦を見る限り、交代選手を入れにくいのは理解できるので、判断としては難しいところでもある。

 だからこそ、負傷者たちのカムバックは重要。原田がいれば右サイドのユニットを工夫したり、左サイドでジエゴや小屋松のリレーも可能になってくる。瀬川は前線のプレス強度やポストプレーの質を担保できるし、久保は右サイドからのカットインで定点攻撃の質を高めることができる。

 単に人が増えて負荷が減るだけなく、それぞれのプラスアルファをもたらすことができるのが今柏が抱えている怪我人たちでもある。終盤戦に垂れずに済むか?と、得意な局面でのチームの手助けができるか?の2点において柏のスカッド事情は大きな意味を持つだろう。

一歩遅れのきっかけづくり

 川崎が京都戦で掴んだ光明としてはビルドアップへのトライがあるだろう。強くプレスに当たってくる相手に対して、この日が久しぶりの出場となったソンリョンを抱えてなお問題ないパスワークを見せることができた。

 ワンサイドに追い込むアクションで誘導する形はおそらく柏の方が上であり、ボールの受け手への配慮は必要ではある。だが、脇坂が京都戦の働きができれば左右のサイドから加速できる可能性は一気に高まる。

 柏の守備の難点はあまり誘導がないところである。1人1人がプレスに出ていく意識は高いが、取り切ろうとする人が次々と出てくる個人戦の様相が強く、一歩遅れて芋づる式にやられてしまうことが多い。等々力で見られた脇坂のゴールが象徴的な例である。

 川崎のビルドアップはこの芋づる式となる「一歩遅れ」のきっかけを作ることができるかが重要になる。もちろん、前線にポンと当ててしまってもそうしたきっかけは作れると思うが、保持から作れれば安定感は増す。即時奪回も含めて一歩遅れのきっかけ作りの数を増やしていきたい。

 非保持においてはやはり前線からの守備を整理しておきたい。要は押し込まれないための対応が重要ということになる。原川、山田といった中盤の管理を2トップでできるかどうか。CHの前へのスライドを含めて彼らが前を向いてプレーさせない時間が長いほど前進の機会は減る。

 また、柏のワイドのCBへの対応も問題となる。「高い位置でプレーする」ということを前提とすれば川崎のSHは前に出ていくことでなるべく敵陣側で止めていきたい。もちろん、ただ出ていけばいいというわけではない。後方のSBがプレスについていかなければ、WBは立ち位置を守っているだけでフリーになる。

 SH単体でスイッチを入れるのではなく、CFが誘導することでSHに上がるタイミングを示したいところ。前回対戦では前半20分までに古賀が左サイドに専念しており、この時間帯は川崎のハイプレスが効いていた。今回は左右問わず、なるべく長い時間プレスの効果を持続させたい。

 柏の左サイド側においては小泉がサイドに流れることでさらに浮こうとする仕掛けが存在する。こちらのサイドのCH(リーグ戦の時は河原)が小泉に釣られてしまうと、中央の垣田へのパスルートが空きやすくなってしまう。サイドだけをケアしておけばいい相手ではないだけに小泉をどこまで深追いするかは難しいところだ。左サイドで浮く選手を作ってしまうと対角の展開からジエゴ、久保といった面々が単体で仕掛ける盤面を整えられることとなる。

 縦パスを考えても管理はバランスを考える必要がある。ライン間に多くの選手をおいてくる柏に対して、同じ枚数を用意していちいちマークをするのは難しい。CHが中央へのパスルートを防げるかは守備の負荷に関係してくる。小泉をどこまでどのように深追いし、左サイドのズレ作りを防ぐかはチーム内で共有しておきたい。

 川崎からすれば基本的には高い位置で止めたいという意識はあるが、柏のホルダーがフリーになれば当然SHが柏のWBを捕まえる必要がある場面も出てくる。下がる場面を減らすための工夫をしつつ、必要であれば低い位置まで下がる対応が必要だ。180分間で戦うのはしんどい相手ではあるが、残りのシーズンの中でこの大会が一番重要なのは疑う余地はない。一戦必勝モードでここは惜しみなく出し切って欲しい。

 アンカー管理、ワイドを高い位置で止める、垣田の受け渡し、ハーフスペースに突撃する選手の管理など気にすべきことは多い。整理項目の多くは非保持場面に集約されるため、こうしたことを気にしない時間を増やすのが狙いの1つ。それでもできてしまった気にしなければいけない時間を凌ぐのが1つ。二段構えの対策で大一番に挑みたい。

 

【参考】
transfermarkt(
https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(
https://soccer-db.net/)
Football LAB(
http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(
https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(
https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(
https://www.nikkansports.com/soccer/)

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