
互角の展開に潜む崩しの差
近年苦戦傾向の昇格組ながら堂々たる戦いぶりを見せているサンダーランドと、毎年のようにスロースターターながらも今年はほんのり危機感が迫るウルブス。対照的な状況に置かれる2つのチームの対戦だ。
序盤からボールを持つのはサンダーランド。ウルブスはFW-MF間をコンパクトにする形で高い位置から回収を狙う。
いつもよりもややパスワークは不安定なサンダーランドはサイドに振る過程の中でミスが出るなどらしくない立ち上がり。だが、段々とリズムを掴むと、ムネツィの背後をバラードが運んだりなど、前がかりなウルブスを咎める場面も。
イシドールのダイナミックなシュートはオフサイドで認められなかったが、直後にサンダーランドは先制。ロングスローで左サイドに出張していたムキエレがワンツーの侵入からゴール。アタッカーのような突撃から先制点を生み出す。
以降もサンダーランドは保持主体。ウルブスを押し込むながらペースを握って時計の針を進めていく。
25分くらいから少しずつポゼッションを回復していくウルブス。左サイドに人を固める形からのクロスでボックス内にまとまった数のクロスを入れていく。だが、これはサンダーランドが跳ね返すことに成功。
試合の流れはやや変化したように思えたが、主導権は大きく動く状態じゃないまま前半は終了。サンダーランドのリードでハーフタイムを迎える。
後半もウルブスはポゼッションを敢行。CHはアンドレがサリー、ジョアン・ゴメスが高い位置に突撃するという分業制で前と後ろに分断。サイドから幅を取り、クロスを入れていく。
だが、クロスが味方に届かないなど押し込む以上の回答を出すことができないのがこの日のウルブス。ゴメス、ムネツィの両ワイドからの攻撃を活かすことができないまま時間が過ぎていく。
20分ほどのクロスノックを耐え続けたサンダーランドは徐々にポゼッションを回復。フラットな試合展開に戻っていく。
試合は一進一退でボールは行ったり来たり。サンダーランドのリードは1点だけだが、特にリトリート主体に移行することはなく、ウルブスとガッツリ組み合っての勝負が続いていく。
縦に速い展開の応酬はオウンゴールで決着。タルビのカウンターをクレイチーが処理し切ることができずにオウンゴールを誘発してしまう。
終わってみれば試合は今の流れを象徴する結果に。上位に立つサンダーランドが順調に勝ち点3を積み重ねた。
ひとこと
均衡はしていたが、押し込んでいた時のブロックを崩すためのオフザボールの手応えはサンダーランド優勢だったように思う。
試合結果
2025.10.18
プレミアリーグ 第8節
サンダーランド 2-0 ウォルバーハンプトン
スタジアム・オブ・ライト
【得点者】
SUN:16′ ムキエレ, 90+2′ クレイチー(OG)
主審:ロベルト・ジョーンズ
