
最後のピースで同点を引き寄せる
9月シリーズはアメリカ遠征を無得点で終えた日本。10月と11月は日本に戻っての開催。吹田で迎え撃つのは南米勢のパラグアイだ。
序盤は日本のボール保持からスタート。4-4-2でブロックを組むパラグアイはバックラインにプレスを強引にはかけず、ミドルゾーンに構える格好。日本は田中がサリーする形で後方の陣形を整えていく。インサイドは人が多めなのでボールは外循環。右サイドでレーンを入れ替える伊東と堂安のところでの突破か、後方からボールを配球する鈴木の長いレンジを軸とした組み立てからチャンスを作りにいく。
パラグアイの保持は左サイドのユニットがやや自陣方向に重ための組み立て。日本はシャドーが3人目として追うことでプレスのスイッチを入れていく。パラグアイは深さをとりながらのポゼッションで日本を自陣に引き寄せつつ、CFのサナブリアへのロングボールで前進を狙う。日本は渡辺が迎撃をする。
このマッチアップはそのままパラグアイの攻撃の成否につながっていた感がある。渡辺は多くのシーンで跳ね返す形で対抗はできていたが、このマッチアップに敗れたところからアルミロンに決定機が。中央にカバーに入った瀬古を飛び越える形でサイドチェンジしたパスが大きなチャンスに繋がった。
日本はトランジッション局面から失点のリカバリーに成功。パラグアイ陣内でバタついたところを逃さず、小川が狙い澄ましたシュートを長いレンジから仕留めて追いつく。
日本は以降も押し下げながら試合をコントロール。左の大外からのインスイングの中村のクロスはチャンスメイクにかなり効いていた。パラグアイも中盤でのデュエルで日本に捕まらなければサイドの裏から走ることができてはいた。頻度ととしては日本よりは落ちるが、彼らも彼らの形で日本のDFラインを脅かしていた。
迎えた後半、日本は左サイドの激しいデュエルからスタート。押し込む土壌を作ると、セットプレーから小川が決定機。直後には南野がチャンスを迎えるなどいい流れを迎える。
だが、パラグアイもサイドから反撃。右に流れるサナブリアから起点を作ると、クロスからゴメスがゴール。日本の流れで来ていた展開に逆らうゴールからリードを奪う。
追いかける日本は左サイドのユニットにテコ入れ。斉藤を入れることで大外からの仕掛け役をリフレッシュ。10分後には相馬をこちらのサイドに入れることで大外からの仕掛け役を2人として狙いを絞らせないようにしていた。
一方的な展開を作るにはボール奪取が不可欠。その点で中盤で踏ん張りを見せたのが佐野。起点を作らせない粘りから相手の保持機会を阻害する。
あとは得点を奪うだけという状況を作り上げた日本の最後のピースになったのは上田。交代起用となったCFが期待に応え、ワンチャンスをものにした。試合は2-2。土壇場でホームの日本が敗戦を免れる格好となった。
ひとこと
2つの失点は反省も多いが、流れを取り戻し土壌を作ってから結果を引き寄せる後半は悪くなかったように思う。
試合結果
2025.10.10
国際親善試合
日本 2-2 パラグアイ
市立吹田スタジアム
【得点者】
JPN:26′ 小川航基, 90+4’ 上田綺世
PAR:21′ アルミロン, 64‘ ゴメス
主審:コ・ヒョンジン
