
劇的という名の日常
ここまで劇的勝利で連勝を重ねているリバプール。リーグ戦での勝利は4試合すべてが80分以降の決勝点となっている。
この試合では早々に先制点をゲット。オーソドックスでコンパクトな4-4-2で構えるアトレティコに対して、右サイドに人数をかけたアプローチを仕掛けていくと、奪取したFKが幸運な形で跳ね返って先制。サラーが今季のリバプールのCLの幕を上げる。
1点目は跳ね返りに恵まれたサラーだったが、2分後の2点目はきっちりとスキルを誇示するもの。グラフェンベルフの導きからボックス内に入っていくと、見事にコースを狙ったショットであっという間に2点差をつける。
いきなりの連続失点で面食らったアトレティコ。蹴らされる格好でリバプールの前線のプレスに屈するケースはあったが、単純なロングボールはすべてファン・ダイクが吸収。なかなか陣地回復のきっかけをつかめない。
サイドからのフリーランを見せたジュリアーノ・シメオネの裏抜けはリバプールのラインを下げることには貢献していたが、ファン・ダイクとコナテは早いクロスへの対応が安定。こちらもボックス内でゴールを奪うところまでは至らない。
基本的には試合はリバプールペース。早々に2点リードしたこともあり、前半からフルスロットルという感じではなく、ゆったりと試合をコントロールしながら時計の針を進めていく。そうした中で一矢報いる形を見せたアトレティコが右サイドから1点を返し、後半に望みをつなぐ形でハーフタイムを迎える。
後半、アトレティコはハーフスペースに押し込んでから人を送り込むことでチャンスを作りに行く。リバプールは緩急を付けつつ、ファストブレイクを狙える場合は速攻で、そうでない場合はポゼッションでリズムを変えていく。いずれもなかなかゴールチャンスにはたどり着かない形となった。
交代で中盤をスリーセンター気味に変化させたアトレティコ。プレスで中盤でをスライドしながら高い位置でのカットを狙い前に出て行く。サラー、エキティケなどのカウンターを何とかしのぎながら攻撃に出て行くアトレティコ。フリーランでかき乱せるジョレンテが前に入ることが出来たのは攻撃の活性化につながった感がある。
そのジョレンテは見事なミドルで同点に。サラーの先制点の幸運がアトレティコにももたらされたようにマック=アリスターの後ろ足に当たったシュートはゴールに吸い込まれていった。
しかし、一度同点に追いつかれる形は今季のリバプールにとってはお手の物。劇的というべきか、もはやお馴染みというべきかというATの決勝ゴールは92分。何度も見たファン・ダイクのヘディングで3点目を奪取する。
開幕して間もないにも関わらず何度も見ることとなっている劇的な日常。リバプールは欧州の舞台でもギリギリの時間帯の決勝点で開幕戦を制することとなった。
ひとこと
開幕からアドレナリン出しすぎ。
試合結果
2025.9.17
UEFAチャンピオンズリーグ
リーグフェーズ 第1節
リバプール 3-2 アトレティコ・マドリー
アンフィールド
【得点者】
LIV:4‘ ロバートソン, 6’ サラー, 90+2‘ ファン・ダイク
ATM:45+3’ 81‘ ジョレンテ
主審:マウリシオ・マリアーニ