
通用した真っ向勝負
11月の代表ウィーク前にチェルシーに訪れる大きな山場。この試合だけでなく、前後の影響も含めてアゼルバイジャン遠征は非常に重要な局面である。
そんなチェルシーを迎え撃つカラバフは非常にアグレッシブ。2トップが縦関係をキープして中央を締めつつ、SHがプレスのスイッチを入れていく。
本来であればハイテンポな流れはプレミアリーグ勢の庭という感じなのだが、カラバフはその点で見事にチェルシーに対抗。ハイテンポな中で対等にチェルシーと渡り合う。長いレンジのパスが通ればボールを収めることができるのだけども、なかなかそうしたパスが通らずに苦戦する。
カラバフは保持においても対抗。右サイドに逃がして長いボールを入れることで前進を狙っていく。構造というよりはとにかくハイインテンシティ。SBまでは根性でつないで背後を走らせていく。
チェルシーはラヴィアが負傷するなど流れがつかめない。なかなか苦しんでいる中で違いとなったのは右のエステヴァン。悪くない手ごたえの中から裏抜けで勝負。一度はストップさせられたがあまりコースのないところを見事に打ち抜いて見せた。
ゴールをしても試合のテンポは変わらず。右サイドのシルバから密集のドリブル打開を図るなどチャンスを作っていく。この右サイドアタックからカラバフは同点。アンドラーデがハトに競り勝ち、サンチェスの守るゴールを破る。
さらにハトの受難は継続。クロスに対してハンドを犯してしまい、PKを献上。一気にカラバフはリードを奪うこととなった。
後半も展開は強度寄りのまま。カラバフはハイプレスからの真っ向勝負に加えて、デュランのカウンターなど攻撃においても縦に速い選択肢から解決を図っていく。
チェルシーは3枚交代で一気に流れを変えに行くが、ジェームズがいきなり警告を受けるなど難しい立ち上がり。それでも中盤でのボール奪取からガルナチョがゴールを決め切る。
以降もガルナチョ、エステヴァン、デラップなど前線の選手たちのスピードを生かすところからチャンスを作っていく。チェルシーのファストブレイクの波に対して、コバルスキがファインセーブでしのぐ展開が続いていく。
試合の終盤はカラバフが徐々にローブロックシフト。4-4-2から5-4-1にシフトすることで徐々に後ろ重心に入っていく。
サイドで深い位置を取りながらエンソという形からゴールにむかっていくチェルシー。カラバフもクロスに耐えながらサイドのカウンターで対抗し、最後まで向かい合っていく。
試合は2-2のまま決着。カラバフはイングランド勢に対して初めて勝ち点を手にすることとなった。
ひとこと
チェルシーに強度負けしないのは驚きだった。
試合結果
2025.11.5
UEFAチャンピオンズリーグ
リーグフェーズ 第4節
カラバフ 2-2 チェルシー
トフィク・バフラモフ・スタジアム
【得点者】
QFK:29′ アンドラーデ, 39′(PK) ヤンコヴィッチ
CHE:16′ エステヴァン, 53′ ガルナチョ
主審:セバスチャン・ギシャマール
