仕上がらない白い巨人を押し切る
フランクフルトには大勝したものの、国内では勢いが戻らずにここまで苦戦が続くリバプール。不安定な戦いに終始する中でアンフィールドに迎えるのは白い巨人。愛憎がともにリバプールファンの中に渦巻くアレクサンダー＝アーノルドにとってはあまりにも早い帰還となる。
高い位置からのプレスに思い切って出ていったのはリバプール。ホームのファンの熱い後押しを受けて前に進んでいくことで、レアル・マドリーのポゼッションを阻害する。マドリーは左サイドのヴィニシウスからの突撃をしていくが、この日はブラッドリーが絶好調。止めるだけでなく、逆にキャリーからヴィニシウスに警告を受けさせる形も作り出す。
保持においてのリバプールは一気に長いボールを前線に入れることでチャンスメイク。最前線に立つエキティケは見事にその役目を果たしたといえるだろう。
時間の経過とともにマドリーは後方に重くする形でのポゼッションを敢行。ビルドアップに人数をかけていくことでまずは保持局面の安定化を図るが、ヴィニシウスのところが打開策にならない中でなかなか決定機をつかむことができず。押し込む機会がチャンスにつながらない。ヴィニシウスの一本足打法状態の中でギュレルが前線に流れる形から工夫をするが、リバプールのDF陣は問題なく対応した印象だ。
押し込まれる状況を受けきるリバプールは縦に速い攻撃から特に右サイドを駆け上がることで決定機。オープンなシュートチャンスを作ってはいたが、立ちはだかるクルトワを前にゴールをこじ開けることができない。変則的なセットプレーから放たれるミドルシュートなど重めの枠内シュートがあったが、ことごとくきっちりはじかれてしまいなかなかチャンスにはならない。
劣勢のマドリーは中盤を噛合わせる形から4-4-2 のミドルブロックに修正。しかし、リバプールはかみ合わないところからの前進で押し込むと、セットプレーから決定機。だが、連続した枠内シュートのチャンスもすべてクルトワに跳ね返されてしまう。
セットプレーでの攻勢を受けながらエンバペのファストブレイクで反撃を狙うマドリー。一発でゴールまで向かいたいところだが、圧力で勝るリバプールが先制。ショボスライのFKから矢のようなシュートをマック＝アリスターが仕留めてついにクルトワの牙城を破る。
失点以降、マンツー型のプレスに回帰するマドリーだが、なかなかリバプールのポゼッションを阻害することができず。瞬間的な動きのキレを見せるエンバペからチャンスはありそうだが、枠にシュートが飛んでいかない。
したたかにチャンスをつぶしたリバプールは最少得点差をキープして逃げ切り。ホームでの勝ち点3を手にした。
ひとこと
マドリー、まだまだ秋仕様という仕上がりだった。
試合結果
2025.11.4
UEFAチャンピオンズリーグ
リーグフェーズ 第4節
リバプール 1-0 レアル・マドリー
アンフィールド
【得点者】
LIV:61′ マック＝アリスター
主審:イシュトヴァン・コヴァーチ
