
ミスに左右されない流れ
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上位勢に勝ち点を落とす結果が多かった土曜日。アーセナルにとっては2位との勝ち点差を広げる、トッテナムにとってはCL出場権争いにキャッチアップする大きなチャンス。ローカルライバルを叩いて上にジャンプアップを目論む両軍によるノースロンドンダービーだ。
トッテナムは5-4-1でのスタート。ただ、ベタ引きが前提というわけではなく、前から捕まえにいくアクションはそれなりに。だが、アーセナルはこのハイプレスを見切る。サイドにボールをつけた時はトッテナムによって追い込まれた感がなくもなかったが、サカが背負うことができる影響で特に問題はないという感じ。
トッテナムを安定して押し込めるようになったアーセナルは右サイドに人を集める形で攻略を敢行。サカ、ティンバーでウドジェ、オドベール、パリーニャを引き寄せることで中央にスペースを作るとこのスペースでメリーノとエゼが大暴れ。自由なバイタルから浮き玉でのラストパスと豪快なミドルのコンボからチャンスを作っていく。
アーセナルの前半のチャンスはことごとくこの形から。先制点となるメリーノ→トロサールのラストパスもハーフスペースで時間を作ったティンバーが時間を作った賜物。裏へのパスから完璧なコントロールでシュートまで持っていったトロサールが試合を動かす。
さらにはエゼもこれに続く。バイタルの侵入からドリブルでコースを作ると、コンパクトなモーションから力強いシュートでヴィカーリオを打ち破る。
前進のきっかけを掴めず、撤退守備でも相手を封じることができなかったトッテナム。後半は4バックに移行して攻撃に軸足を置いた修正を行なっていく。だが、守備の修正がままならないまま、1分足らずでアーセナルにさらなるゴールを許してしまう。
意地を見せたいトッテナムはリシャルリソンとパリーニャによってアーセナルのビルドアップを咎めたところからのショートカウンターで追撃。リードを2点に縮める。
だが、このミス起因の失点にもアーセナルはバタバタせず。バランスのいいポゼッションと粘り強い守備から少しずつ流れを取り戻す。すると、カウンターから4点目。メリーノ、トロサールとスピードをなんとか落とさず進んだカウンターを完結させたのはエゼ。メルカートで両軍のファンを賑わせた10番がダービーでも主役となるハットトリックを決める。
最初から最後までトッテナムを寄せ付けないまま完勝を果たしたアーセナル。バイエルン、チェルシーと大一番が続く1週間に向けて弾みのつく勝利を挙げた。
ひとこと
ミスが出ても大崩れしないダービーの流れに逆らうアーセナルの強さが際立った。
試合結果
2025.11.23
プレミアリーグ
第12節
アーセナル 4-1 トッテナム
エミレーツ・スタジアム
【得点者】
ARS:36′ トロサール, 41′ 46′ 76′ エゼ
TOT:55′ リシャルリソン
主審:マイケル・オリバー