Fixture
プレミアリーグ 第節
2025.10.18
フラム(14位/2勝2分3敗/勝ち点8/得点8 失点11)
×
アーセナル(1位/5勝1分1敗/勝ち点16/得点14 失点3)
@クレイヴン・コテージ
戦績
過去の対戦成績

過去10回の対戦でフラムの1勝、アーセナルの6勝、引き分けが3つ。
フラムホームでの成績

過去10回の対戦でフラムの2勝、アーセナルの6勝、引き分けが2つ。
Match facts from BBC sport
- フラムは直近14試合のアーセナルとのプレミアで2023年12月の1勝のみ(W4,D9)。直近20回の対戦では少なくともフラムはアーセナル相手に1失点はしている。
- 2012-13から2022-23の間の5回の遠征で全勝した後、アーセナルはクレイブン・コテージで直近2試合で勝利がない(D1,L1)。連続で勝利できなかったのは1962年以来のこと。
- アーセナルは直近18試合のロンドン・ダービーで1敗だけ(W13,D4)。昨季2月のホームでのウェストハム戦が唯一の敗戦。2022-23以降のアウェイでのロンドンダービーも18戦で1敗だけ(W13,D4)であるが、その1敗は2023年12月にフラム相手に喫したもの。
- フラムは直近2試合のホームでのプレミアで勝利。ホームでの3連勝となれば2023年12月となる。開幕から4試合連続でホームのリーグ戦で敗戦を回避できれば2011-12以来のこととなる。
- 22本のシュートを浴びた開幕戦のユナイテッド戦以降、アーセナルはプレミア6試合全てで被シュート数を10以下に抑えている。これ以上長いランで2桁シュートを受けなかったのは2022年4月から8月のリバプール(9)。Optaが記録を開始した03-04以降ではアーセナルのクラブ記録となる。
- フラムは直近2試合のプレミアで敗戦。3連敗になれば2023年12月以来のこと。直近2試合の敗戦では3失点を喫しており、3試合連続で3失点以上の失点となれば2020年9月以来のこと。この2020年9月のランには0-3で敗れたアーセナル戦も含まれている。
- アーセナルは今シーズンのプレミアリーグで14回のカウンターアタックを記録しており、これはどのチームよりも多い。昨シーズンは、この数字はわずか47回で17位だった。
- オウンゴールを除き、アーセナルはブライトンと並んで最も多くのリーグ戦の得点者を記録しているクラブ(9)。第8節までに2桁の数のスコアラーを記録すればアーセナルにとっては3回目。2009-10(第4節)、2018-19(第8節)。
- アレックス・イウォビの敵陣ボックス内へのラインブレイクパスは8本でこれより多いのはブルーノ・フェルナンデス(9)だけ。ラインブレイクパスからのチャンスメイクは4回でこれもブルーノ・フェルナンデス(5)に次いで多い。
- デクラン・ライスは直近2試合のプレミアにおいてゴールに関与。アーセナルにおいて公式戦3試合連続のゴール関与をライスが記録したのは過去に2回。2024年の2月/3月と4月/5月。ライスは直近7試合のアウェイでのプレミアのロンドン・ダービーで6得点に関与(2G,4A)。
スカッド情報
- ササ・ルキッチ(筋肉系)
- ラウール・ヒメネス(鼠蹊部)
- ケニー・テテ(ふくらはぎ)
- ロドリゴ・ムニス(膝)
- ピエロ・インカピエ(鼠蹊部)
- ガブリエル・ジェズス(ACL)
- カイ・ハヴァーツ(膝)
- ノニ・マドゥエケ(膝)
- マルティン・ウーデゴール(MCL)
予習
第5節 ブレントフォード戦

第6節 アストンビラ戦

第7節 ボーンマス戦

今季ここまでの道のり

予想スタメン

展望
スカッド事情が戦況を大きく左右する
9月の代表ウィークから1ヵ月の公式戦を無敗で切り抜け、テーブルの頂点に立ったアーセナル。昨季ダブルを喫するという苦手意識があったウェストハムとのロンドン・ダービーに勝利して中断期間を迎えたアーセナルが、代表ウィーク明けに対峙するのはこちらも近年勝ち点を落とすイメージが多いフラムとのダービーである。
今季のフラムは試行錯誤が続いている印象。従来は4-3-3固定のフォーメーションが多かったマルコ・シウバのフラムだが、直近では引いて受ける展開が多い展開であれば5バックを活用するなど、布陣にアレンジを加えながらベースとなる戦い方を変えている印象である。
そうしたプランにおける下地としては少ない人数でも陣地回復ができる前線のアタッカーの存在があったはず。しかしながら、中断前の2試合においては少人数で攻撃を完結させる上で重要なCFが全滅。アストンビラ戦のヒメネスの負傷により、フラムはトップ不在の状況に対応せざるを得なくなる。
このスカッドの状況はフラムにとって危機。ラウール・ヒメネスがカムバックできるかどうかはアーセナル戦の戦況に大きくかかわるファクターになることは間違いない。相手を押し返した時のパワーはここで決まることになるだろう。
やり繰りが苦しいのは前線だけではない。中盤もボーンマス戦で欠場したルキッチがいないのであれば、フィルター能力には不足感がある。4バックだろう5バックだろうとCHに迎撃性能に不安が出てくることはアーセナルと戦う上でマイナスとなる。
攻撃面に目を向ければ本来のフラムが得意なサイドでのトライアングルを重視する形は4-3-3の方が圧倒的に出しやすい。タメが効くイウォビの存在はこの形の方が生かしやすいし、限られた時間で攻撃のアクセントになっているケビンも押し込んだ状況で存在感を発揮している。ビハインドでの終盤の投入になれば迷わず4バックに舵を切ることだろう。
だが、アーセナル相手にボールを持てる展開は想定しにくいので、フラムは引いて受けてカウンターという形を組んでくる可能性が高いと見る。すなわち、スターターは5バックベース。幸い、今季ブレイク中のキングは低い位置からのドリブルでも得点を獲ることが出来る。彼のロングカウンターに賭ける形が得点パターンとなるだろう。
ヒメネスのポストでキングに前を向くための手助けが出来たり、ルキッチのボール奪取でカウンターの発動位置が高くなったりなど復帰できる面々がサポートできれば理想かなという感じ。相手を考えると5バックのスターターの可能性は高くなってくるが、そこにどれだけ得点の可能性を増やせる選手を肉付けできるかが今年もアーセナルから勝ち点を奪うためのポイントになるはずだ。
若武者2人に不足要素を託したい
まずは重要なのはフラムのスカッド事情。やはりCFが帰ってくるかどうかはポイントになるだろう。いないのだとすれば押し込み切ることの意味合いは大きく変わってくる。その場合はハイプレスと撤退した守備の攻略をセットに試合の支配力を高められるか?という話になってくる。
この1ヶ月のテーマはウーデゴールの穴をどのように埋めるかだろう。BBCで報じられたところによるとウーデゴールの離脱期間は11月の代表ウィークまで。この1ヶ月のアーセナルは主将抜きでの戦いを強いられることとなる。開幕当初は苦しんでいたウーデゴールだが、ここ数試合は少しずつフィーリングを取り戻しつつあった。
特に押し込んだ際の左サイドの交通整理は終盤戦に逃げ切りを図ろうとする相手に対する大きな武器に。なかなか奥行きを作るのがむずかしい左サイドの裏抜けを促すための一手として彼の低い位置からの組み立ては非常によく効いていた。
主将不在で補うべきはこの終盤の左サイドの奥行き作りとハイプレスの旗振り役の2つになる。前者は役割的にはSBに入ることが多いルイス=スケリーに託したいところ。自らが飛び出すことで存在感を発揮するからフィオーリに対して、駆け引きをしつつ縦のパスコースを見つけることができるルイス=スケリーの持ち味はやや異なるものになる。スペースレスな終盤戦において後方の交通整理をお願いするのであれば彼かなという感じがする。
後者はポジション的にはヌワネリに期待したい。こちらは全く同じようにというのは難しいだろうが、アルテタのアーセナルでレギュラーを張ることを視野に入れるのであれば、高い位置からのプレスの先導役からは逃れることはできない。変に目立たない程度にダメージを食い止めつつ、本来の彼の持ち味である左足からゴールに絡むプレーを多く捻出したいところだろう。
ヒメネスが復帰をするのであれば、やはり推進力は警戒。昨年はキヴィオルがワンチャンスをゴールに変えることを許してしまう対応をしてしまったが、今年はウェストハム戦のようにそのワンチャンスすら許さない展開が理想ということになるだろう。
中盤に降りてくるキングはより行動範囲が広い相手。スビメンディが早い段階で警告を受けると一気に試合のハンドリングが難しくなるし、スピードに乗った状態で受けることになればCB陣に風穴を開ける可能性もある。
5バックの際は従来のフラムのイメージにあるサイドでのトライアングルアタックのカラーは薄まり、この速攻への比重が高まるのも彼らの特徴。つまりは速攻の大元を封じることができれば一気に勝算は高まる。かつては得意だったロンドン・ダービーで連勝を飾り、曲者揃いの10月シリーズに勢いをつけたい。