
大味な打ち合いに勝者はなし
大型の連勝こそないものの、ジリジリと順位を上げているユナイテッド。今節の相手は対照的に順位をジリジリと下げているボーンマスだ。
序盤から試合はオープンな展開でスタート。とにかく人を捕まえることに主眼をおいている守備の中で優位を見出すことができていたのはユナイテッド。右サイドから背後を取ることで押し下げる局面を作り出してくる。
セットプレーやクロスにおいて目についたのはボーンマスのGKであるペドロヴィッチの飛び出しの危うさ。ボックス内での甘い対応も相まって、アバウトなクロスでもユナイテッドは簡単にチャンスを作っていた。先制ゴールは案の定クロス対応の甘さから。左サイドから入ってくるクロスに対してボックス内でボーンマスは対応ができず、ユナイテッドに先制点を許す。
ボーンマスはハイテンポなハイプレスでハイリスクハイリターンの攻防が続いていく形。基本的には序盤はボーンマスが少し損するような勘定になっていたが、ユナイテッドは少しずつ右サイドの守備ユニットの重さが目立つようになり、徐々に後手を踏むシーンが出てくる。
ユナイテッドの脆さが出たことで試合はアグレッシブというよりは間延びした冗長な展開に。そうした中でチャンスをものにしたのはボーンマス。左サイドのパスワークの詰まりを咎めると、そこからのカウンターで角度のあるところからゴールを仕留めたのはセメンヨ。40分に同点ゴールを決める。
しかし、前半終了間際にユナイテッドは追加点。セットプレーからファーのカゼミーロがヘディングを叩き込んでリード。ボーンマスはまたしても空中戦での対応がうまくいかなかった。
追いかけるボーンマスは後半早々にゴール。CBの間をかち割るタヴァニア→エヴァニウソンのパスから入り込んでいき、そのままラマースのゴールを破る。
勢いに乗ったボーンマスは直接FKから追加点。タヴァニアのゴールは壁の間をすり抜けてGKには反応が難しい軌道でゴールを貫いてみせた。
逆転をしたところで試合は前半のようなオープンさがどちらに転がるかがわからない展開に。大味な流れの中でまたしても流れを変えたのはセットプレー。ブルーノ・フェルナンデスの一撃で再びユナイテッドは同点。直接FKのお返しで試合を振り出しに戻す。
2分後にクーニャのゴールで逆転したユナイテッドだが、クルーピが5分後にゴールを返して再び試合は同点に。どちらのゴールもCBの対応に疑問が残る流れとなってしまった。大味のまま終盤まで進んだ試合は引き分けで決着することとなった。
ひとこと
1試合で2本の直接FKが生まれるのはとても珍しい。
試合結果
2025.12.15
プレミアリーグ 第16節
マンチェスター・ユナイテッド 4-4 ボーンマス
オールド・トラフォード
【得点者】
Man Utd:13′ ディアロ, 45+4′ カゼミーロ, 77′ ブルーノ・フェルナンデス, 79′ クーニャ
BOU:40′ セメンヨ,46′ エヴァニウソン, 52′ タヴァニア, 84′ クルーピ
主審:サイモン・フーパー
