
先に我慢が効かなくなる
前節はエミレーツで奮闘しつつも勝ち点を持ち帰ることができなかったウルブス。これで開幕から積み重ねた未勝利記録は16。この試合で勝てなければ新記録への挑戦権を手にすることとなってしまう。
ウルブスの5-3-2に対して、ブレントフォードは4-3-3の保持で対応。構造的にウルブスがチェックしにくいSBからボールを安定して運んでいく。ある程度、サイドから押し込むことができればカヨーデがロングスローを放つことでボックス内を襲うことができるというチートの設計により、敵陣に入り込んでいく。
ブレントフォードの保持局面は基本的には安定。ウルブスは3センターで横幅をスライドする格好だったので、ブレントフォードは最終ラインで左右にボールを揺さぶるだけで前進することができていた。
非保持でも勢いよく入るブレントフォード。高い位置からのチェイシングからウルブスのバックラインを咎める。ウルブスは後ろ重心でこのプレスを回避。インサイドにボールを当てて、相手の視線を内側に集めつつ、WBのウォルフェを解放することで縦への推進力を見せていく。
ただ、長いボールをただ蹴るだけではなかなか起点を作れないウルブス。工夫がなければ跳ね返されてしまう。ヒチャンは左サイドに流れて裏へのパスを挟み込むことでスペースメイクをしていくが、あくまで引き分けに持ち込むような動きという感じであった。
ポゼッションの機会が多いのはブレントフォード。クリティカルではないけどもサイドからボールを運ぶことに対してウルブスが阻害してこないので、ボールを失う位置が高くなりやすかった。
ただ、ウルブスもブレントフォードの守備を撃退すると少しずつギャップにジョアン・ゴメスが入ったり、あるいは背後に抜ける動きが効いたり。ブレントフォードは中盤のスカスカ感と背後に抜けるアクションに対してのヘンリーのバタバタした対応などややほころびも見られた。
後半はウルブスがハイプレスでスタート。前半は見逃していたサイドにつけるフェーズに関してもウルブスは咎めるようになった。
試合の展開が早くなるにつれて徐々に守備側の粗さが見える展開に。ウルブスは追いかける中で中央が空くようになったし、ブレントフォードに関しても前半の終盤から見られた危うい兆候が継続していたように見えた。
そうした流れの中で先制点を得たのはブレントフォード。何の変哲もないふわっとしたロングボールをクレイチーが処理ミスをしてしまい、ルイス-ポッターがしたたかにゴールを決めた。
失点から火力を増すことで保持局面を強化するウルブス。マネ、アロコダレとパワー系の選手たちを段階的に投入し、強引にゴールをこじ開けに行く。ブレントフォードはロングカウンターで反撃。スピード感のある攻撃から追加点を奪いに行く。
次のゴールを手にしたのはブレントフォード。トランジッションからルイス-ポッターのゴールによってリードを広げる。
ウルブスは終盤にPKのチャンスを得るが、ラーセンのキックはケレハーをセーブ。反撃の狼煙すら上げることを許されない。
試合はブレントフォードの勝利。ウルブスは開幕から17試合未勝利というプレミア記録に並んでしまうこととなった。
ひとこと
後半は両チームのクオリティの足りなさが浮き彫りになった感。先にウルブスの我慢が効かなかった。
試合結果
2025.12.20
プレミアリーグ 第17節
ウォルバーハンプトン 0-2 ブレントフォード
モリニュー・スタジアム
【得点者】
BRE:63′ 83′ ルイス-ポッター
主審:マシュー・ドノヒュー
