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「1週間がもたらすもの」~2025.12.20 プレミアリーグ 第17節 エバートン×アーセナル プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第17節
2025.12.20
エバートン(9位/7勝3分6敗/勝ち点24/得点18 失点19)
×
アーセナル(1位/11勝3分2敗/勝ち点36/得点30 失点10)
@ヒル・ディッキンソン・スタジアム

戦績

過去の対戦成績

 過去11回の対戦でエバートンの4勝、アーセナルの5勝、引き分けが2つ。

エバートンホームでの成績

過去10回の対戦でエバートンの5勝、アーセナルの3勝、引き分けが2つ。

Match facts from BBC sport

Match facts
  • エバートンは5試合で4勝というランを経た後、直近5試合のアーセナルとのプレミアの試合において未勝利(D2,L3)。
  • アーセン・ヴェンゲル指揮下においてアーセナルはエバートンのアウェイで11勝をプレミアで挙げており、最も勝てているアウェイだった。しかし、フランス人指揮官が去ったあと、アーセナルは7回のアウェイで1回しか勝てていない(D2,L4)。
  • エバートンとアーセナルの昨年の対戦はいずれもドロー。3試合連続での引き分けとなれば2012年か2013年12月にかけて以来のこと。この3試合ではいずれもミケル・アルテタがアーセナルの選手としてプレーしていた。
  • アーセナルが勝てば直近4年中3回目のクリスマスの首位が確定。それ以前の30年では2回だけだった。しかし、過去4回のクリスマスを首位で迎えたシーズンはすべて2位(02-03,22-23,23-24)か3位(07-08)に終わっている。
  • エバートンは今季のCLに参戦しているチーム相手に全敗。今季の敗戦のうちの83%を占めており、うちニューカッスルとトッテナムにはホームで敗れている。
  • アーセナルは直近7試合のアウェイでのプレミアのうち、5試合で先制。直近3試合は連続で先制中。これ以上の連続記録はアルテタ就任前の2019年12月まで遡る。
  • アーセナルは今季のプレミアの中で最少失点(10)と後半の最少失点(6)を記録しているものの、残り10分における失点の割合が40%。リーグで最も高いチーム。
  • レアンドロ・トロサールは直近2シーズンのエバートンでのアウェイゲームでいずれも得点。3試合連続となればアーセナルの選手としては1995-97のイアン・ライト以来のこととなる。
  • ドワイト・マクニールは出場すればエバートンでのプレミア100試合目出場。達成すれば異なる2つのクラブ(バーンリー時代に134試合に出場)で100試合に出場した記録をプレミアで5番目に若く(26歳28日)達成したこととなる。それより早い4人はエミール・ヘスキー(24歳349日,レスター&リバプール)、ジョー・コール(24歳354日,ウェストハム&チェルシー)、フランク・ランパード(25歳236日,ウェストハム&チェルシー)、ジャーメイン・ジーナス(25歳312日,ニューカッスル&トッテナム)
  • トロサールは直近9試合のアウェイでのプレミアの出場で9ゴール(6G,3A)に関与。直近4試合では3ゴール1アシストを記録。5試合連続で得点関与となれば2023-24のブカヨ・サカ以来のこと。

スカッド情報

Everton
  • マーリン・ロール(鼠蹊部)
  • シェイマス・コールマン(大腿部)
  • イドリッサ・ゲイェ(AFCON)
  • イリマン・エンジアイ(AFCON)
  • ジャラド・ブランスウェイト(大腿部)
  • キアナン・デューズバリー=ホール(大腿部)
Arsenal
  • クリスティアン・モスケラ(足首)
  • ベン・ホワイト(大腿部)
  • ガブリエウ・マガリャンイス(鼠蹊部)
  • カイ・ハヴァーツ(膝)
  • マックス・ダウマン(足首)

予習

第14節 ボーンマス戦

第15節 ノッティンガム・フォレスト戦

第16節 チェルシー戦

今季ここまでの道のり

予想スタメン

展望

アグレッシブなスタイルにキャッチアップできるか

 ウルブス戦の後におよそ3ヶ月ぶりの1週間の空きを手にしたアーセナル。しかし、このエバートン戦からは再び連戦がスタート。国内カップ戦の勝ち上がり次第ではもう次の休みはいつになるかわかりません!といううれしい悲鳴がはじまることとなる。

 対するエバートンは別の悲鳴に襲われていると言っていいだろう。固定メンバーの影響からか徐々にここに来て負傷者がちらほら。ここからさらにAFCONでの離脱者がいて、いきなりの窮地に陥っている印象だ。

 離脱者を考える前にまずは今季のエバートンについて触れたい。今のエバートンは端的に言えばモイーズのパブリックイメージとは少し離れているチームだと言えるだろう。保持で相手を動かしていくというところまで行くにはバックラインのプレス耐性は高くはないものの、ロングボールとクロス殺法でなんとかするというモイーズの印象に比べれば、このエバートンはショートパスからボールを動かすことで試合に取り組む頻度は少なくない。

 左右にボールを動かしつつ、キャリーを挟むことで中盤を引きつけていく。中盤では2列目がレシーバーとして躍動。エバートンの今の攻撃はこの2列目が牽引しているところがある。

 大駒として軸となったのはシティからやってきたグリーリッシュ。相手を背負ったところからのプレーの安定感と緩急、そして味方の走り込みを見逃さない視野の広さは攻撃のスピード感に関係なく有効。タメを作って味方の攻め上がりを促せるという点ではエバートンの選手で唯一無二の才覚を持っている。

 走り回ることで自分の価値を高めているのはデューズバリー=ホール。サイドでの3人目になる役割と、ライン間の住人としての役割をどちらもこなすことができるトップ下。どちらも高い水準でこなして量も強度も担保するという点では並大抵ではないと言えるだろう。

 この2人が作ったチャンスをエンジアイとCFが決めるのが今のエバートン。エンジアイはチャンスメーカーとしても優秀でサイドからの1on1でも勝負することができる。CFのベトとバリーは消える試合も少なくはないが、前線で張ることをサボらずにいざというときにロングボールの起点としてボールの逃がしどころになる。2列目に任せればある程度チャンスが作れるという計算ゆえだろう。

 守備に関しては前からのチェイシングもいとわず、アグレッシブなスタンスを見せることも多い。コンパクトな4-2-3-1ベースというよりはもう少し狩りに行くイメージの方が近い。

 ただ、ドゥクレとオナナは退団してしまったし、ゲイェはAFCONで不在。守備範囲の広さで勝負できる人員構成ではないことは気がかりである。アグレッシブなスタイルにどこまで現有戦力が食らいついていけるかがカギになりそうだ。

課題を武器に昇華する

 エバートンの出方として気になるのはチャンスメイクの要人を大幅に欠く可能性があること。AFCON勢のゲイェとエンジアイは確定。詳細はプレカンを待つ必要があるだろうが、先週末のけがの仕方を見るとデューズバリー=ホールに出場の期待をかけるのは難しいように思える。

 加えて、まことしやかに欠場がささやかれているグリーリッシュがいないとなればチャンスメイクに壊滅的なダメージを受けることになるだろう。中盤はガーナー、イロエブナム、アルカラス、マクニール、ディブリングの5人で強制的に定まってしまうパターンもあるかもしれない。

 そうなればアーセナルは強気に出られるかもしれない。ハイプレスに出る際にもデューズバリー=ホールがいないとCHの受け渡しはやや甘くなる印象で、攻撃ではキレを見せるアルカラスもその点がやや物足りなさがある。連携面を考えても試合に出続けているメンバーよりは厳しい側面があることは確かだろう。

 ただ、アーセナルもバックラインの構成が変わってからはビルドアップで難しい思いをしているのも事実。特に左サイドはインカピエがサイドに追い込まれた時のロストの割合の多さが気になるところではある。からっきしというわけではないのだけども、プレス回避から攻めていきたいチームに対する武器にまで昇華できているかは微妙なところだろう。

 先に述べた通り、ここからはいつ終わるかわからない連戦が始まるのでガブリエウとサリバが揃ったとしてもメンバーを入れ替えながら戦う必要がある。ホワイトが負傷したことを踏まえればサーモンの起用の目も出てくるだろう。誰が出てもプレス回避を武器にできるのか?は連戦を戦う上でのポイントとなる。

 プレッシングに関しても誰が出ても同じクオリティに持っていく必要がある。ウルブス戦でジェズスとウーデゴールがハイプレスの先導役となれなかったことは後半戦に向けて気になる要素の1つ。引いて受け切ることを選択してもいいが、ホルダーの選択肢を限定しながら中盤のプレスを助ける働きはしたいところ。万全であれば持ち味であるプレスは試合を重ねることにシャープさを取り戻していきたい。

 総じて、ウルブス戦で感じた課題を1週間のフレッシュな休暇によってどこまで武器として取り戻せるかはポイントになるだろう。殺人的な日程の前の最後の1週間でチーム状態がどこまで戻ったかはきっちりと注視したい。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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