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「サッカーで取り返す」~2026.3.28 J1百年構想リーグ 第5節 FC町田ゼルビア×川崎フロンターレ プレビュー

目次

Fixture

明治安田 J1百年構想リーグ 第5節
2026.3.28
FC町田ゼルビア(3位/4勝2分1敗/勝ち点15/得点12/失点11)
×
川崎フロンターレ(6位/2勝2分3敗/勝ち点/得点10/失点13)
@野津田GIONスタジアム

戦績

近年の対戦成績

町田の1勝、川崎の2勝、引き分けが1つ。

Head-to-head

Head-to-head
  • 初対戦で負けて以降、川崎は町田戦で3試合無敗(W2,D1)
  • 4回の対戦で生まれた得点は18で、1試合平均で4.5得点が生まれているカード。
  • しかしながら1試合において複数得点を記録しているのは前回対戦時のエリソンのみ。それ以外は全て1試合の中での得点者は異なっている。
  • 直近3回の対戦では試合の中で川崎と町田どちらのチームもリードを経験している。

スカッド情報

FC町田ゼルビア
  • 中村帆高
  • 菊池流帆
  • 高崎天史郎
  • 徳村楓大
川崎フロンターレ
  • フィリップ・ウレモヴィッチ(?)
  • 大島僚太(?)
  • 山口瑠伊(?)
  • 谷口栄斗(左ハムストリング肉離れ)
  • 佐々木旭(左ハムストリング肉離れ)
  • 大関友翔(左足関節捻挫)
  • 山市秀翔(右鎖骨下静脈血栓症、右胸郭出口症候群)

予想スタメン

Match facts

FC町田ゼルビア
  • 勝てば今季2回目のリーグ戦連勝。
  • 今季ここまでの公式戦11試合において90分で負けた試合は1回だけ。前節のホームゲームである鹿島戦。
  • 直近5試合の公式戦のうち、3試合はクリーンシートを達成している。
  • 今季決めた6つのアシストのうち、4つは左サイドの選手(相馬勇紀、ナ・サンホ、中山雄太)が決めたもの。
  • 相馬勇紀はリーグ戦ここまで4ゴール1アシスト。先発した5試合では必ずゴールかアシストを決めている。
  • エリキは出場した川崎戦において6戦3勝3敗。3勝はいずれも横浜FM、神戸時代に記録したもので、町田所属として出場した川崎戦ではまだ勝利していない。
川崎フロンターレ
  • ここまで連勝も連敗も経験しておらず、前節と同じ試合結果だった事がないチーム。
  • 直近のリーグ戦での6つの敗戦のうち、5つは無得点でのもの。
  • 今季ここまで勝利した2試合はいずれも先制点を記録している。
  • 逆にリードを奪われた試合から逆転勝利をした試合は1つもない。
  • エリソンは町田戦で4得点。3試合連続ゴール中で日本のチームの中で最も得点を決めている相手。
  • エリソンは今季ここまで5得点でリーグトップスコアラー。77分に1回得点を決めており、1得点にかかる時間もトップ25の選手の中で最も少ない。

予習

ACL-E Round 16 1st leg 江原戦

ACL-E Round 16 2nd leg 江原戦

第6節 柏戦

第7節 鹿島戦

第8節 浦和戦

第8節 浦和戦(相手方レビュー)

展望

トライは多局面、強みははっきり

 ショッキングな神奈川ダービーでの敗戦を経て代表ウィークに突入した川崎。大敗の後はとっとと試合をした方がいい論者として、代表ウィークに試合があるのは嬉しいことでもあるし、負傷者が増えてきたタイミングで試合を強いられるという意味では苦しさもある。

 対戦相手となる町田は代表と同じくこの2週間のうちに2試合のリーグ戦をこなす。来週の水曜日にはFC東京戦を控えている。ACL出場チームらしいハードなスケジュールである。ばっちり昨年の自分たちを見ているようである。

 基本的なフォーメーションは5-4-1。守備においては基本的にはミドルブロックベース。前から追い回すことに関してはやや封印気味で、ACLと2つのコンペティションを渡り合う前提でフォーメーションを組んでいるように見える。

 トップのイェンギは基本的には相手の中盤を起点として守備位置を取り、CBはフリーでボールを持つことができる状態を許容。特に中盤中央に固いガードをかけて相手を中から締め出す。柏や江原FCなどとの試合においてはボールを持たせながらも逃げ切り勝利を決めているなど、成功体験も近々に存在する。

 ラインを低くキープしながら勝つ上で重要なのはローブロックの跳ね返し強度と陣地回復の見込みが立つかどうか。前者に関しては町田は申し分なし。相手からすれば単純なクロスを入れるだけではなかなかこじ開けることができず、できることならばスピード感を持ってボックス付近に迫りたい相手だと言えるだろう。

 もう1つの陣地回復の安定感は微妙なところ。1トップのイェンギはポストプレーではボールを収めることができる一方で、低い位置から単独で強引に陣地回復をするような推進力を出すのは難しい。左の相馬やサンホといった面々が前を向くことができれば敵陣にスピード感を持って迫っていくことができるものの、そうした状況を作り出すためのルートはそこまで多くはない。

 よって町田のローブロックはリードしている時の防衛策としては上々に機能しているが、そこから反撃に出るための一手や均衡を破る手段としてはシャープさがもう少し欲しいという位置付けになるだろう。空中戦の勝率はなぜか高くはないのだが、定性的な印象としては簡単なクロスを跳ね返すことができるチームとして捉えて問題ないと思う。

 ハイプレスは構える守備では足りない要素を加えるための手段として活用している印象だ。トランジッション色が強ければ左サイドにオープンな形でボールを届けることができる。

 浦和戦ではある程度手応えがあった。予習の項にも載せた町田サポのりんぐくんの記事の言葉を借りれば、右のユニットも前にスライドすることで嵌めるメカニズムが安定したことが主要因と書いている。自分の視点を付け加えるのであれば、鹿島に比べれば浦和はハイプレス時にできる町田の歪みを咎めることができるほど中盤からスムーズに進むことができなかったことも他の要因として考えられると思う。

 攻撃において最重要なパターンは左サイドからのファークロス。相馬やサンホといったアタッカーが縦に進んで左足からクロスを上げるか、ペナ角付近からインスイングでクロスを上げていくパターンが鉄板。望月、中村、増山といった右のWBはボックス内に飛び込む形が原則であり、彼らの空中戦の強さを生かすことで折り返しやダイレクトのシュートを狙っていく。

 上に挙げたMatch factsにおける町田のアシスト役が左サイドに偏っているのも必然。ACLの江原戦でも右の中村が挙げたゴールが決勝点になっている。どこのチームのスカウティングが見てもまずはここをどうするか考えましょうとチームにフィードバックするくらいには公然の秘密である。だが、高さは事前にわかっていたとしても最も止めることが難しい要素の1つでもある。

 相手がバックラインにプレスをかけてこない場合はポゼッションから手数をかけることもある。テンポよくボールを回すことはあるものの、相手を動かしながら穴を開けて前進するフェーズまではたどり着いている感はなく、試行錯誤が目立つ段階のように見える。

 保持でも非保持でも多方面な角度からトライは見える。その一方で武器ははっきりしていて得意な局面には偏りがある。それがここまでの町田の印象だ。

得点パターンと異なる解決策が必要になる可能性

 町田を倒すという前提で考えるのであれば、当然彼らに勝利している鹿島戦は格好の題材になる。右サイド周辺からネタ・ラヴィ周辺を濃野やレオ・セアラで突っつきながら縦パスを引き出し、そこからスピードアップ。相手の守備が整う前に攻撃を完結させる。これが得点の可能性が最も高いパターンだ。

 重要なのは先に挙げたところでいう濃野とレオ・セアラという縦パスのレシーバーがフリーであること。町田はバックラインの迎撃守備の能力は高いチームなので、ライン間で相手とのコンタクトが必要になってしまうと一気に難易度が上がる。したがって背中で相手を背負った状態で受けるのであれば、ポストプレーなど反転の必要のない形で前を向く選手が必要になる。

 ここまでの川崎の得点パターンは明確で、エリソン、マルシーニョ、脇坂の3人を中心としたファストブレイクが刺さった時が圧倒的に多い。特にエリソンが相手のCBに対して反転できるなど優位な状態を作れている場合に多くの得点を重ねることができている。

 逆に鹿島のようにライン間でフリーの選手を作るためのオフザボールの動きは少ない。あまり攻略法のイメージは湧かないのが正直なところだ。

 ただ、やるしかないように思えるというのが率直な感想。ローブロックに町田を押し込んだとしても、そこから川崎が打開するイメージはあまり湧かない。最終ラインまでスピードに乗ることができれば話は別だが、ブロックが整った場合の町田のサイド守備はマンツー気味に追い回してくるため、枚数をかけてもクリーンに抜け出すことは難しい。

 柏がかなり顕著にこの流れに嵌められていた。町田戦の柏はインサイドに差し込むパスを全くフリに使えなかったため、多少サイドのローテーションでギャップを作ろうとしてもスペースを生み出すことはできなかった。

 現状、川崎は柏ほどサイドで枚数をかけた攻撃は得意ではないので、中央でギャップを作る作業からは逃げるわけにはいかない。中盤3人の関係性は重要で、この3人で町田の2CHを混乱させることができればライン間でフリーの選手を作ることはできるだろう。CHが縦関係を形成することができればなお効果は高い。

 現状、最終ラインのやや手前でこうしたミクロな数的優位を作るのであれば大島を起用したいところ。ただ、きな臭い行方不明となっているので多分この試合も戻ってこないだろう。

 山本は「いい状態であれば」相手が出てくる矢印をへし折りながら進んでいくことができる選手。大島よりはロジカル寄りではあるが、ズレを作る基準としては彼もまた頼りたくなるスキルを持っている。直近では状態が悪いが、脇坂がCHに下がった場合の別の問題も踏まえると、彼が踏ん張るしかないというのが正直なところだろう。

 ライン間でフリーマンを作り、そこから最終ラインの背後を取る。町田のブロックが整う前に攻撃を完結させることができれば得点の可能性は一気に高まる。

 川崎の非保持の局面を想定すると、なかなか厳しいものがある。町田は高さを生かすという、わかっていても止められないパターンを持っている。Jクラブの中を見渡しても川崎はトップクラスで町田の仕掛けるサイドの高さ勝負に対して有効な防衛策が思いつかないスカッドである。

 飛ばせない、上げさせないが一番いいのだけども、全てを防ぐのは難しいだろう。先に言ったようにそもそも町田は相手を押し下げる手段が豊富なチームではないので、機会を減らすための防衛としてのボール保持も視野に入ってくる。スコア次第ではあるが、ポゼッションのためのポゼッションという手段の目的化をあえて行うことも有効かもしれない。

 ビルドアップを敢行する際にはCH周辺は狙い目。サイドやGKからのパスをコントロールできず、相手のプレスに引っかかってしまいショートカウンターのリスクがある場面もちらほら見られる。鹿島戦では実際に失点につながるケースもあった。

 横浜FM戦では川崎はCHをフリーにするところを起点に先制点を献上した。CBに負傷者が増えていることを踏まえると、前に出ていきながらインサイドを管理するというバランス感覚に関しては再構築する必要もあるだろう。ただ、相手から得点を取るという上でリスクをかける価値があるポイントでもあるので、試合展開次第では積極的に狙っていきたい部分でもある。

 この1週間、選手や監督、他チームのファンも含めていろんな言葉が見られてはいたが、結局いつだって一番大事なのは次の試合で何を見せるか。インタビューで語る意気込みも大事だが、何を表現しようとして何を実行しようとするのかが見えるのはこの90分。サッカーで犯した失態はインタビューでは上塗りすることはできない。サッカーで取り返すことを期待したい。

 

【参考】
transfermarkt(
https://www.transfermarkt.co.uk/)
soccer D.B.(
https://soccer-db.net/)
Football LAB(
http://www.football-lab.jp/)
Jリーグ データサイト(
https://data.j-league.or.jp/SFTP01/)
FBref.com(
https://fbref.com/en/)
日刊スポーツ(
https://www.nikkansports.com/soccer/)

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