■ワンサイドだが、先延ばしになった決定打
90分間を通じて試合を支配したのはウルグアイだった。この試合のウルグアイは非常に攻守に高いレベルにあったように思う。4-3-1-2ブロックで構えて、奪ったところから素早く縦にカウンターを発動する。
縦に速く流れなかった場合はボール保持でゆったりと攻める。ボール保持においては同サイドに2トップとトップ下を集結させて崩しを狙う。ライン間でのつなぎと裏抜けの使い分けが非常にうまい。ボリビアの4-4-2ブロックに対して、ウルグアイの4-3-1-2は段差をつけやすい形。そのおかげでライン間でフリーになりやすく前を向きやすいという状況が生まれやすい。
そこからの仕上げは裏に抜ける。裏に抜けた後のホルダーのサポートも十分。ホルダーと並行に並ぶように走り、サイドで裏を抜けた選手たちのラストパスを受けてフィニッシュに入りこむ。先制点の場面は結果的にオウンゴールにはなったものの、この日のウルグアイの目指す形が非常にわかりやすく再現されている。
ボリビアの保持も悪くはなかった。つなぎの意識が高く、簡単にボールを失わない矜持は感じた。サイドの攻撃においては人数をかけて奥行きを作り、裏抜けからラインを下げるシーンも作ることができていた。ただ、全体的にウルグアイの圧力に屈する場面が多い。そもそも保持の機会を作るのに苦しんだ。そして、裏に抜けた選手のサポートの厚さは不十分。抜けた選手が孤軍奮闘ということも珍しくはなかった。
後半はウルグアイの一方的な攻勢にボリビアが晒されることに。ホルダーにプレスがかからずに裏抜けし放題の状況が続く。あとは決定的な追加点を決めるだけなのだが、これがなかなか決まらない。GKのランペの活躍も光ったが、ここはウルグアイのフィニッシュの精度の悪さの方が目についた。2点目が入った78分のカバーニの得点は『やっとか!』というのが正直なところだろう。決着をつけるのに時間はかかったが、総じてウルグアイの完勝。ボリビアは1試合を残してグループステージ敗退が決まってしまった。
試合結果
ボリビア 0-2 ウルグアイ
パンタナル・アリーナ
【得点者】
URU:39′ キンテロス(OG) 78′ カバーニ
主審:アレクシス・エレーラ