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「支配できる時間を逃さない」~2026.3.14 プレミアリーグ 第30節 アーセナル×エバートン プレビュー

目次

Fixture

プレミアリーグ 第30節
2026.3.14
アーセナル(1位/20勝7分3敗/勝ち点67/得点59 失点22)
×
エバートン(8位/12勝7分10敗/勝ち点43/得点34 失点33)
@エミレーツ・スタジアム

戦績

過去の対戦成績

 過去5年間の対戦でアーセナルの6勝、エバートンの4勝、引き分けが2つ。

アーセナルホームでの戦績

過去10回の対戦でアーセナルの8勝、エバートンの1勝、引き分けが1つ。

Match facts from BBC sport

Match facts
  • アーセナルは直近6試合のエバートン戦で無敗(W4,D2)。それ以前の5試合では4敗だった(W1)。
  • エバートンは直近29試合のアウェイでのアーセナル戦で1勝(D5,L23)。唯一の勝利は2021年4月の1-0。
  • アーセナルは直近15試合のリーグ戦で1敗だけ(W10,D4)。1月のマンチェスター・ユナイテッド戦。
  • アーセナル(9)は今季のアウェイゲームでエバートン(7)よりも多く勝利している唯一のチーム。エバートンは直近5試合のアウェイゲームで4勝(D1)でこの試合に勝てば2023年12月以来のアウェイ3連勝となる。
  • エバートンはニューカッスル戦とバーンリー戦に連勝。3連勝になれば2025年5月以来で、2得点以上が3試合続くパターンとしては2023年12月以来。。
  • アーセナルは今季のプレミアで最も多くのセットプレーで得点をとっているチーム。PKを入れれば24、入れなければ21。しかし、セットプレーでの失点数ではエバートンより少ないチームはない。PKを入れれば8、入れなければ6。
  • アーセナルはプレミアにおいて今季の実ゴール数がxGを最も上回っているチーム。xG:50で実得点は59。しかし、エバートンは最も実失点数がxGAを最も下回っているチームで、xGA:41.4で実失点は33。
  • デイビッド・モイーズはキャリアにおけるアウェイのアーセナル戦20試合で1勝のみ(D4,L15)。しかし、直近の試合である2023年12月にはウェストハムを率いてこのスタジアムで勝利している。
  • チャンスクリエイトでデクラン・ライス(55)を上回っているのはドミニク・ショボスライ(56)とブルーノ・フェルナンデス(92)だけ。
  • ジョーダン・ピックフォードは353試合のプレミアの出場で498失点を記録。500失点に到達すればプレミアで9人目のGKとなり、到達試合数としては少ないのはポール・ロビンソン(338)とベン・フォスター(353)だけ。

スカッド情報

Arsenal
  • レアンドロ・トロサール(脚)
  • ミケル・メリーノ(脚)
  • マルティン・ウーデゴール(膝)
Everton
  • シェイマス・コールマン(?)
  • ジャック・グリーリッシュ(足首)
  • カルロス・アルカラス(?)

予習

第27節 マンチェスター・ユナイテッド戦

第28節 ニューカッスル戦

第29節 バーンリー戦

今季ここまでの道のり

予想スタメン

展望

大黒柱の欠場を実直さでカバー

 CL、FA杯とトーナメントが複数走り出してシーズンもかなり最終盤が始まった感がある日程に。すべてのトーナメントで勝ち残っているアーセナルにとってはまさしくうれしい悲鳴といったところ。CLの180分に挟まれた難しいリーグ戦の相手となるのはエバートンである。

 前半戦にデューズバリー=ホールとともにチームを牽引したグリーリッシュの長期離脱が決定したことで厳しい後半戦になることが考えられていたエバートン。しかしながら、離脱以降も極端な戦績の悪化は見られず、なんとか粘りを見せている。

 近年では残留の心配をするシーズンもあったが、今シーズンはその次元にはいない。43ポイントは万が一ここからすべて勝てなかったとしても残留の可能性は高いし、今の順位で言えばむしろ上位勢やカップ戦の動向次第では欧州の出場権も見えてくる。

 残っている選手たちは実直にそのタスクをこなしているように思う。グリーリッシュがいなくなった分、前でのタメが作れなくなったことは間違いなく、サイドのフリーランを生かした攻撃は機能性が下がっている。

 そうした中でも攻撃陣は自分たちの形を成り立たせようとしている。ここまで組み立てにはあまり寄与してこなかったCF陣は降りて受ける機会が増えており、より攻撃の組み立てに関与するようになった。

 味方を加速させるという意味ではなく、自身が素早くボールを運ぶことができるという意味ではエンジアイのキャリーから一気に攻め込むこともできる。ファストブレイクの鋭さは何とかキープできているというジャッジで問題ないだろう。

 もう1つ、得点のパターンとして効いているのはセットプレー。ここ最近は試合を動かす手段としてCKからのCBの得点が増えている。ファーのタルコウスキというプレミアファンにはおなじみの得点パターンから、ニアに入り込んだブランスウェイトまで屈強なDFから得点を奪っている。

 基本的にできることをやっているという表現がしっくりくるのが今のエバートン。ニューカッスル戦での得点であった、こぼれ球をきっちりと押し込む形は相手よりも足が動いている証拠。実直さで得点力をキープしている。

 守備に関しては中盤のフィジカルを生かしたマンツーベースの対応がタイト。なるべく高い位置に出ていくスタイルで相手に対応していく。

 この中盤に出ていくタイミングが定まらないと一気にもろくなるのが今のエバートン。1月下旬などの時期は前半にこのチューニングがことごとく合わず、後半にようやく合って主導権を取り戻すという尻上がり型での追い上げで勝ち点を積み重ねていった。

 基本的には前に矢印が出せれば強いチーム。大黒柱がいなくなった状態でその状況をどのように作るかを試行錯誤して勝ち点を積み重ねている。実直で大崩れが少ないのが今のエバートンだ。ただしマンツー基調の守備である以上、誰がついていくのかの判断が遅れた瞬間にはスペースが生まれることもある。

マンツーを崩すきっかけをまぶす

 実直で大崩れが少ない相手というのはCLの間に戦う相手としてはあまり歓迎されるものではない。怠惰で勝手に崩れてくれる相手であれば楽であるが、今のエバートンはそうした楽ができるチームではない。

 最もクリティカルな制圧方法はシンプル。こちらは前進できて、向こうは前進ができないという状況を作り出すことができれば最も強い。「こちらは前進できて」のパートにおいて一番効くのは中盤のマンツーに対して相手が間に合わない状況を作り出すことになる。

 そのために必要なのは相手に迷いを与えること。どこまでついていくか、もしくは受け渡すかのジャッジが頻発するような状況を作り出すことになる。まず真っ先に思いつくのはポジションチェンジ。例えば、ウーデゴールがアンカーの位置に落ちてスビメンディが高い位置を取るとか、最終ラインにまで下がるライスにどこまでついてくるかなどの揺さぶりは効くだろう。

 もう1つはそこにいるはずのない選手が顔を出して+1を作ること。SBのカラフィオーリやSHのトロサールが中盤に降りて誰がマークをするのか判然としない状況を作り出すことは効くだろう。

 どこまでもついてくるという状況をエバートン相手に作られる場合は、なるべく自軍のリスクが少なく相手のリスクが高いエリアで勝負する。CFのエリアがそこに当たる。ギョケレシュやハヴァーツに長いボールを当てながら、セカンド回収で勝負して相手を押し下げるケースに移行する。

 仮にCFが相手のCB2枚に挟まれている状況であるのであれば、アーセナル側のCBが浮いているはず。キャリーをしながら相手を動かしていく形を作っていきたい。

 求められることはポゼッション型チームがマンツー型のチームに対峙するときに必要な要素だといえる。ついてくるところの見極め、勝てるマッチアップ探し(敵陣であればあるほどよい)、浮いた選手のキャリーから相手を動かすアクションを仕掛けるなどが具体例として挙げることができる。

 エバートンは時間帯次第で強靭なフィジカルを発揮できるかにムラがある印象。コンディション面で不利があるであろうアーセナルとしては相手が後手に回っている時間帯に確実に仕留めることが求められる。4つの大会に残っているチームらしいしたたかさを見せながら結果を出すべき90分になるだろう。

【参考】
https://www.bbc.com/sport/football/premier-league

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