■中央へのこだわりと突破できない焦りをカウンターで貫かれる
ロンドンダービーを首の皮一枚のところで制し、なんとか悪い流れを回避したチェルシー。CLの開幕戦はクロアチアでのアウェイゲーム。ディナモ・ザグレブが立ちはだかる。
序盤はハイプレスの応酬で落ち着かない展開だったが、10分もすればゲームは沈静化。チェルシーがボールを持つようになる。3バックからショートパス中心でゲームを組み立てようとするチェルシー。この日がチェルシーでのデビュー戦となったオーバメヤンはDFを背負いながらポストを行うなど、組み立てにも積極的に顔を出していたのが印象的だった。
しかしながら、今のチェルシーにはライン間への縦パスにこだわりすぎてしまう傾向がある。直近のリーグ戦であるウェストハム戦でもそうだったが、ライン間に人を多く用意はできているし、縦パスを引き出すこともできているが、コンビネーションでそこから先の突破ができない。
それならば、サイドから展開したいチェルシーだがここでも解決策は見出せず。低い位置からサイドを利用しようとすると、ボールが詰まってしまう。ここはザグレブの潰しが早かった。
攻撃がうまくいかないだけならばじっくりとやっていこう!でいいのだけど、そう悠長なことも言っていられないのはカウンターによってザグレブの反撃が飛んできていたからである。直線的な縦への速さに加えて、大きな展開で逆サイドを使う柔軟性も兼備。WBを積極的に上げる機会が多かったチェルシーにとってはいちいちダメージのあるカウンターを受けることになる。
そのカウンターから先制点を決めたザグレブ。カウンターからオルシッチがフォファナを振り切って独走。スピード面でチェルシーのバックラインに引けを取らないザグレブの攻撃陣が早い時間に得点をもたらすことに成功した。
追いかけるチェルシーは後半サイド攻撃を強化すべくDFを削ってツィエクを投入。右サイドに起点を作りたいところだが、ここでは対面のリュビチッチが完勝。チェルシーには後半にこのリュビチッチが立ちはだかることになる。1on1での優位だけでなく、逆サイドからのクロスの絞りも完璧。ククレジャもだけど、アフロってそういう強さあるよな!知ってる!という感じのパフォーマンスでチェルシーを封殺する。
後半は専制守備感があったザグレブだったが、序盤に比べればチェルシーにチャンスらしいチャンスを作らせることはなし。チェルシーはツィエクがスローインを先走ってエリア内でハンドを取られるなど最後までブロックを崩せない焦りが感じられるプレーに終始した。
クロアチアでの開幕節はホームのザグレブが勝利。グレアム・ポッターはCLの出遅れを巻き返すことがノルマになってくるだろう。
試合結果
2022.9.6
UEFAチャンピオンズリーグ
Group E 第1節
ディナモ・ザグレブ 1-0 チェルシー
スタディオン・マクシミール
【得点者】
DZG:13’ オルシッチ
主審: イシュトバン・コバーチ