■悪くはない入りでも終わってみれば6失点
シティは少々予想と違う並びだったと言えるだろう。アルバレスが右のワイドかと思いきやIH起用。右のワイドにはベルナルドが起用されることになった。
もう1つこれまでのシティと違ったのはカンセロがワイドに開いたこと。これまでは1トップ相手のチームには初期配置をワイドに取ることが多かったが、この日のフォレストは2トップ。それでもカンセロは左大外成分が濃い形になっていた。
その分、ギュンドアンがビルドアップのヘルプに降りてきたり、あるいは左からディアスが持ち上がる頻度を増やしたりという調整をかけるシティ。カンセロが中央に絞らなくても後方が成立するかをテストしているかのうように思えた。
フォレストはプレッシングの色気は十分見せていた。最近のシティと対戦したチームの中ではCBにはプレッシャーをかけてきていたし、インサイドに刺すパスはうまく咎めることができていた。カウンターからWBの早い攻めがあるのも特徴。新加入のロディも攻め上がるタイミングはアクセントになっていた。
悪くない入りをするフォレストだが、シティのセットプレーによって仕留められてしまう。CKからニアに待ち構えるフォーデンからのクロスをハーランドが押し込んで先制する。
この日のシティはセットプレーをだいぶ工夫していたように思う。この場面のようにプレーブックに従ったようなショートコーナーもそうだし、29分のストーンズのゴールもかなりPA内側の動き方が仕込まれていたように思う。
反撃に出たいフォレストだが、ヘンダーソンのフィードをベルナルドに咎められるとカウンターからハーランドはこの日2点目をゲット。あっという間に突き放される。前節で分かったように一度リズムに乗せると止められないのがハーランド。その後もセットプレーの流れから再びハーランドが押し込む。ハーランドのゴール、意外とこぼれ球を押し込む形が多いので、ゴール前のポジションセンスに結構長けているのかもしれないと思っている。驚異的なフィジカルが前にでがちだけど。
後半、反撃にでたいフォレストはプレッシングを強化しながら反撃の準備。バックラインにもプレスを仕掛けていたし、ワイドを捕まえるタイミングを早くする。ビハインドを抱えたチームのチャレンジとしては全くもって正しいアプローチだとは思うけど、今のシティはチャレンジによってできた隙を見逃してくれないチームなのである。
前節のリプレイかのようなベルナルドの右サイドのカットインから深さを取ると、逆サイドのカンセロがミドルを蹴り込み後半早々にフォレストの出鼻を挫く。ここから先はアルバレスの出番。前半は少々苦しんだ印象も否めなかったが、後半は積極的な動き出しから2得点を生み出して見せた。
後半のシティは積極的な交代策と若手起用が目立った。パルマー、ルイスなどを若手としてのチャレンジ枠としてだけではなく、現実的な戦力として活用するための準備を進めているように思う。今年のシティが層に不安があるのは明白。そういう意味では安全圏までリードを奪った後のシティからも今季は目が離せないと言えるだろう。
試合結果
2022.8.31
プレミアリーグ 第5節
マンチェスター・シティ 6-0 ノッティンガム・フォレスト
エティハド・スタジアム
【得点者】
Man City:12′ 23′ 38′ ハーランド, 50′ カンセロ, 65′ 87′ アルバレス
主審:ポール・ティアニー