■アグエロ型でもスイッチ役は・・・
前線のメンバーをガラッと変えてパラグアイ戦に臨む決断をしたアルゼンチン。アグエロ、ディ・マリア、ゴメス、パレデスをラウタロ・マルティネス、ゴンサレス、デ・パウル、ロ・チェルソから入れ替えればある程度カラーが変わるのは当然のことといえるだろう。
それにしても大幅にカラーは変わったように思う。特に前線。今までは前でラウタロとゴンサレスが大きく動きながら早い展開を誘発する。今回のゴメスとディ・マリアの2人はむしろ低い位置までボールを引き出して、自らと共にボールを運ぶ。トップに残るアグエロも基準点になるタイプ。つまり、前で走る選手がいない分、後ろが重くなりやすく前線は孤立しやすいという難点を抱えやすい。ゆっくりと確実に後ろからボールを運ぶ必要はある。
パラグアイも当然それをわかっていたのだろう。4-4-2気味に受ける守備を選択したが、なるべく中盤の手前で食い止めるようなプレーが多かった。中盤が戻る時間を稼ぐなら、DFラインから出ていくリスクも取る。とにかくバイタルで前を向かせる状況だけは避けたいところ。
それでもメッシにはライン間で前を向く状況を作られてしまう。大きな展開を頻発するラウタロ型でも、少しずつ前進するアグエロ型でも、スイッチを入れるのはメッシである。この試合でも彼のドリブルで徐々に前に進む。押し込んだ後の崩しはこの日のアルゼンチンのクオリティは高かった。メッシだけでなく、ディ・マリアもタメを作れるため、崩しのバリエーションはラウタロ型より増えた印象だ。
得点シーンにおいてもディ・マリアの緩急に合わせたゴメスの動き出しがきっかけに。2人を引き付けてディ・マリアのカットインのスペースを作ったメッシもさすがである。相手を引き付ける重力がある選手だ。
後半は一転保持の時間が増えたパラグアイ。前節同様跳ね返しまくりのアルゼンチンの守備陣に大分手を焼いていた。唯一可能性があったのはスペースに上げるクロス、そしてホルダーを追い越した選手を使う相手のラインを下げながらのクロス。左SBのアルサメンディアのオーバーラップを使った形は少しはアルゼンチンの重心を脅かせることができていた。
ただし、それでも十分な決定機とは言えず。アルゼンチンが4-3-3にシフトしてからは、中盤で跳ね返しまくりクロスの前に撃退する前半のパラグアイとダブるやり方でパラグアイにプレッシャーをかけるように。
結局最後までパラグアイにおいしい思いをさせなかったアルゼンチン。水際守備の強度は今日も健在。クリーンシートでの勝利を決めた。
試合結果
アルゼンチン 1-0 パラグアイ
マネガリンチャ・スタジアム
【得点者】
ARG:10′ ゴメス
主審:ヘスス・ヴァレンズエラ