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「コパアメリカ2021ハイライト」~Group A Match day 3 ウルグアイ×チリ~ 2021.6.21

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■前半は表裏の使い方の設計の差

 共にワールドカップ常連国である両チームの好カード。ウルグアイは4-4-2、チリはスリーセンターのイメージが個人的には強いのだが、それをやや外すようなフォーメーションで試合に臨む。

 ウルグアイのスタメンは5-2-3という形だろうか。3バックで臨んだチリのWBをひとまず嚙合わせる形。中央でのサイドチェンジを制限し、同サイドに圧縮する。ウルグアイはCHを同サイドに押し寄せて同サイド攻略に挑む。だが、なかなか決め手となる一崩しが刺さらず苦戦する。

 一方のチリもサイド攻略狙い。ターゲットとしたのはウルグアイの左サイド。先ほど、ウルグアイはチリのWBとかみ合わせるように布陣を組んだといったが、チリは3-4-1-2のような形で中央は2トップ。しかも、2トップは横移動が多いということでウルグアイは特定のマークマンをつけにくかった。人は余っているが、その分受け渡しの責任感も薄まったウルグアイ。それを利用したチリはバルガスとブレアトンの2トップで最終ラインを引き出す動きを見せる。

 チリで特に効いていたのがバルガス。彼が引いて受けることがビニャが空けた最終ラインの穴をフリーランで走りこむという動きを誘発。チリはこのサイドから押し下げる。得点シーンではブレアトンの受けに合わせてバルガスが抜ける形。バルガスにとっては2トップの相棒がパスの出し手ということでやり切る!という心持ちになったのがよかったかもしれない。角度のないところからシュートを突き刺し、先制弾を奪う。

 共にサイド攻撃を志したが、裏を使うことを前提に設計されている分、チリの方がウルグアイよりも精度が高かったように見える。後半のウルグアイはその精度の差を割り切ったように見えた。表のスペースからアーリー気味にクロスを上げることによって、高さのないチリの最終ラインに苦しい対応を迫り続ける。

 前半は根性でなんとかしていたチリの中盤より前の選手も徐々にサイドまで出ていけなくなるように。豊富な運動量が目立っていたビダルとバルガスの2人が負傷交代したのは偶然ではないかもしれない。チリは5-3-2に変更し、中盤がサイドに出ていきやすいように手当したものの、押し込まれる展開はなかなか覆らない。両者の負傷交代と話は前後するが、押し込まれた状況からCKでウルグアイに同点ゴールを決められる。

 ただ、ウルグアイも最後のところの精度が十分ではなかった上、プレス時に前に出ていくことでショートパスでのつなぎが上手いチリの前進を手助けしたように思う。終盤は共に攻めの機会はあったものの、こじ開けることはできず。試合は1-1の痛み分けで終わった。

試合結果
ウルグアイ 1-1 チリ
パンタナル・アリーナ
【得点者】
URU:66′ ビダル(OG)
CHI:26′ バルガス
主審:ラファエル・クラウス

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