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「Catch up FIFA World Cup QATAR 2022」~2022.12.2 Group G 第3節 カメルーン×ブラジル ハイライト~

■記録と記憶両面に残る金星

 グループステージの大トリで登場するのはすでに突破を決めているブラジル。首位通過がかかっているのはもちろん、勝てば32カ国の中で唯一の3連勝を達成することができる。

 だが、ブラジルはそうしたことはどこ吹く風。メンバーをほとんどそう入れ替えする形でギリギリ突破の可能性を残すカメルーンを迎え撃つ。いや、それでも普通に強そうだけども。

 勝利が最低条件のカメルーンは非常にはっきりしていた。高い位置から相手を噛み合わせる形を見せるプレスを行うカメルーン。2トップは中盤を受け渡しつつ、交互にファビーニョをケアしていく。サイドはSBがSHを追い回す形である。カメルーンはサイドでも枚数を嵌める形でプレスを行なっていく。

 しかし、徐々にペースはブラジルに。マンマーク気味の相手に対しては動きながらどこまでついてくるかを探るという王道パターンで解決を図る。動き回る前線をカメルーンが捕まえられるかどうか?はこのプランの肝である。結論としてはギリギリだろう。カメルーンの中盤から後ろは1on1の対応が後手になってしまい、警告を受けること必須のファウルを連発。30分までに3枚のイエローカードが提示されることとなった。

 ブラジルの保持において特に活性化したのは右サイド。横のレーン入れ替えだけでなく、奥を取る縦の動きなどバリエーションを見せながらカメルーンの守備ブロックを壊す。しかし、ブラジルはフィニッシャーが不在。マルティネッリ、アントニー、ミリトンなどチャンスをことごとくものにできない。

 とはいえ、カメルーンの積極策も得点に繋がったわけではない。前半の終盤までほとんどチャンスがない状態で推移する。だが、前半終了間際に左サイドからのクロスをフリーのファーの選手に届けた形から決定機を迎えたカメルーン。しかし、そこはエデルソン。世界最強の第2GKが立ちはだかり前半でリードを許さない。

 後半もテンポは同じ。カメルーンは前半以上にDFを交わして早い攻撃をシュートに持っていくことは彼らにとっては朗報と言えるだろう。しかし、ブラジルが高い位置から守備をセットしたこともあり、前半よりもオープンな展開が増えていく両チームだった。

 そうした状況を活かしたいのはカメルーン。左サイドにトコ・エカンビの登場をアクセントに前半以上に攻め込むブラジルに対してサイドから牽制をかけていく。

 ブラジルは後半も決定機でシュートが枠外に飛んでいく機会が目についた。枠内に飛んだシュートはことごとくエパシのファイルセーブに咎められてしまい苦しい戦いが続く。エパシはファインセーブでカメルーンの突破の可能性を繋いでみせた。

 ブラジルは得点を得ることができない焦りからか徐々にプレッシングの位置を高めていく。カメルーンもこれに合わせてテンポをあげることでだんだんと両軍の中盤には間延びが発生するようになる。

 終盤まで攻撃の手を緩めなかったブラジルだったが、得点の歓喜が訪れたのはカメルーン。90分過ぎにゴールを決めたのはアブバカル。抜け出しから決勝点を生み出す。

 興奮のあまりすでに警告を受けている状態でシャツを脱ぐというパフォーマンスで退場するというのはなかなかの名場面。本人、全然気にしてなさそうで笑った。審判も思わず苦笑い。カメルーンはブラジル戦勝利とアブバカルの退場という記録と記憶の両面でインパクトのある試合となった。

試合結果
2022.12.2
FIFA World Cup QATAR 2022
Group G 第3節
カメルーン 1-0 ブラジル
ルサイル・スタジアム
【得点者】
CAM:90+1′ アブバカル
主審:イスマイル・エルファス

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