■本当に10人?
フォファナの綱引きというもう一つの両チームをめぐる駆け引きは試合前にFabrizio Romanoの『Here we go』によってチェルシー移籍で決着をした様子。レスターとしては手痛い流出ではあるが高額の移籍金とこの試合のチェルシーのスカッドに組み込ませなかったことはせめてもの抵抗という感じだろう。
というわけでクリバリ不在のバックラインの構成に頭を悩ませることとなったチェルシー。この試合では4バックを選択し、ギャラガーの2CHに再トライをすることになる。
どちらのチームもじっくりボールを持っての前進には苦戦している印象。チェルシーはアンカーのジョルジーニョを消されており、中央からの侵入は難しい。外を迂回させながら左のハーフスペースからのスターリングのカットインと、右のハーフスペースにおけるハフェルツやロフタス=チークの抜け出しによって打開を図る。
一方のレスターは左サイドのバーンズから手早い攻撃でのカウンターがメイン。ロングカウンター気味の反撃で少ない手数で攻め入る形である。ただし、アタッキングサードまで進んでからの選択肢がやたらペナ幅に偏っており非常に窮屈。チェルシーはやたら守りにくい状態だった。
よって、よりゴールに迫っている展開になっていたのはチェルシー。特に効いていた右のハーフスペースからの抜け出しがレスターにハマりつつある。そして、ロフタス=チークとティーレマンスのコンタクトからPK判定。だが、これは直前のハフェルツのプレーがオフサイドにより取り消されることに。
すると、トランジッションからレスターが活路を見出す。ククレジャのパスミス起点からチェルシーはまずい局面が発生。バーンズからのカウンターでギャラガーを退場に追い込む。これでチェルシーを10人に追い込む。
しかしながら、この状況を生かすことができないレスター。バックラインからの繋ぎでも数的優位を有意義に使うことはできない。チェルシーはCHに入ったロフタス=チークの上がりを抑制することでバランスを取る。ハフェルツをはじめ、2列目がレスターの最終ラインにアタックをかけられる状況は続いていたので、数的不利を感じずに攻め続けることができていた。
10人のチェルシーが先制点を奪ったのは後半早々。スターリングが個人技でこじ開けてみせた。反撃に出たいレスターだが、CBがきっちりボールを運べないこととカウンターの起点となっているハフェルツを囲まずに放置していることでなかなか挽回をすることができない。
保持で押し込めず、カウンターを咎めることができない。5-3-1にシフトしたチェルシーはもっとサンドバック状態にされてもおかしくないのだけど、レスターはなかなかバックラインから押し上げる形を安定して作れない。
そんなレスターを尻目にチェルシーは追加点をゲット。右サイドで裏に抜けたハフェルツから再びスターリングが決めて点差を広げる。レスターは最終ラインの消極的な対応が目に余る失点シーンとなってしまった。
レスターはバーンズのカウンターから1点を返すも反撃はそこまで。イヘアナチョ、アジョゼ・ペレスなどの追加アタッカーも得点には結びつけることができず。終始数的優位を感じられない戦い方になってしまったのは嘆かわしい。頼みのヴァーディも不発で、10人のチェルシー相手に勝ち点3を明け渡してしまった。
試合結果
2022.8.27
プレミアリーグ 第4節
チェルシー 2-1 レスター
スタンフォード・ブリッジ
【得点者】
CHE:47′ 63′ スターリング
LEI:66′ バーンズ
主審:ポール・ティアニー