■溶かされかけた守備網を塞ぐ最後の砦
コロナウイルスに対して比較的平穏なお付き合いをしているEUROだが、コパアメリカはコロナウイルスにかなり振り回されている感が否めない。というか開催国まで変えるハメになっているのだから当たり前なのだけど。
そんなコパアメリカ出場国の中でもっとも被害を受けているのはベネズエラ代表。開幕直前に10人以上の選手が離脱してしまい、急遽自国から補充メンバーを呼び寄せるという羽目になった。そのせいかそもそも戦力差がえぐい初戦のブラジルには歯が立たなかった。
2戦目のコロンビアも戦力的に差がある相手。ベネズエラは5-4-1で撤退守備を敷く。コロンビアはこのベネズエラのブロックを攻略するというミッションに挑む。コロンビアの大枠は前節と同じ。基本のフォーメーションの4-4-2から左サイドのカルドナが内に絞り、3バック変形という欧州チックな変形で5バック崩しに挑む。
5バックを崩すには溶かすイメージを持てるかが大事!ということを自分はよくレビューで述べる。受け売りだけど。この日のコロンビアは溶かすために必要なことはやっていたと思う。ベネズエラの2列目をコロンビアの最終ラインで引き離す。大外を取って相手の横幅を広げる。そしてサイドに優位を作る。難しそうならば逆サイドに展開。この流れの中で本命のライン間にボールを入れられる際には楔を入れる。この選択は適切でやれることはやっていたように思う。
ただ、エリア内のクロスに対してはそこまでコロンビアが優位をとれなかったこと、そしてベネズエラのGKのファリニェスのセービングが素晴らしかったことなどでなかなか崩すことができない。コロンビアは前節同様、プレーブックに沿ったセットプレーでネットを揺らすが、これはオフサイド。終始相手を支配するがなかなかゴールが遠い。
一方のベネズエラも右サイドのゴンサレスとマルティネスの縦関係という竹やりで挑むも、これはゴールには迫れないのも無理はない威力。終盤は小競り合いに終始した両チーム。ディアスの踏みつけでの退場はややタイミングが合ってしまった感があり不運だったが、無駄にテンションが上がってしまったことは崩すためにプレーをつながなくてはいけないコロンビアにとってはありがたくなかったはずだ。
結局、何とか無失点でしのぐことができたベネズエラ。ゴールは遠いが、なんとかコロンビア相手に勝ち点を取ることができた。
試合結果
コロンビア 0-0 ベネズエラ
エスタディオ・オリンピコ・ペドロ・ルドビコ
主審:エベル・アクイーノ