■後半の畳み掛けでリベンジと本大会出場を決める
勝てばドイツはW杯の出場権を確保できる一戦。その相手となったのは今予選で唯一ドイツに土をつけている北マケドニアである。
ドイツのスタメンで特徴的だったのはいつもと左右のバランスが違うこと。いつもであれば右のホフマンが高い位置をとる3バックの変形をおこなっているのだが、この試合では左サイドのラウムが高い位置をとり3バックに変形する。
通常であれば左サイドのWGは大外に入るサネが起用されるのだが、この日の先発はハフェルツ。おそらく、大外はラウムに任せてハフェルツは内側に入る役回りなのだろう。フリッツは縦のセットでレーンの棲み分けを図っているかのような用兵だった。
逆に右はグナブリーが大外を取る機会が増える。しかしながら攻撃の組み立て自体は左から作ることが多かったので、逆サイドのグナブリーがエリアに入ってくる攻撃パターンは引き続き見られることとなった。
北マケドニアはハーフウェイラインくらいから2列目がプレスに出てくる形に。ラインをなるべく高く維持しようという意識は見られた。内側を固めてなるべく外に追いやるような形でのプレスを敢行する。時間経過とともに5-4-1を併用し、後ろの重心を重たくする形に変容。ラウムのオーバーラップを咎める形で5レーンを埋める。北マケドニアはインサイドで起点は作られたくない意識は継続しつつ、押し込まれることはある程度は受け入れる構えになった。
その分、北マケドニアが特徴としていたのはむしろボール保持の方。CBがGKを挟んで幅をとり、ボールを繋ぐ意識が高い。サイドを変えながらボールを前に進め、敵陣深くまで進んでいく。ドイツのプレッシングはなかなか的を絞ることができず、なかなか高い位置でボールを取ることができない。
ドイツの攻撃の主体は北マケドニアの保持の局面をひっくり返すカウンターだった。右サイドのグナブリーを軸に敵陣に一気に攻め込むが、内側に折り返すタイミングで北マケドニアがボールをカット。ラストパスを通させない。
しかしながら、後半はドイツの独壇場となった。カウンターからグナブリーが相手のDF陣を置き去りにしていくラストパスを送ると、ハフェルツがこれを沈めて先制する。
続く2点目はミュラー→ヴェルナーへの技ありのアシスト。北マケドニアは前半のようにサイドからの横パスをカットしてピンチを未然に防ぐことができなかった。
この2点目で完全に糸が切れた北マケドニア。ポゼッションからハイプレスに引っ掛けるミスを連発し、ドイツに得点献上を許し続けることに。前半は苦戦したドイツだが、後半は圧倒。敵地でリベンジに成功し、本大会出場を順当に決めた。
試合結果
2021.10.11
カタールW杯欧州予選 第8節
北マケドニア 0-4 ドイツ
トシェ・プロエスキ・アレナ
【得点者】
GER:50′ ハフェルツ,70‘ 73′ ヴェルナー, 83′ ムジアラ
主審:ダニー・マッケリー