■前節の再現のようなサイドの崩し
北マケドニアに不覚を取ったものの、連勝を重ねてあっという間に首位を奪取。折り返しを迎えたグループJは徐々に下馬評通り、ドイツがグループを引っ張る展開になっていく。
基本的にこのグループはドイツの保持を相手の守備ブロックがどこまで凌げるかの我慢比べになることが多い。フリッツが就任して以降のドイツはことごとくこの挑戦を退けていた形となっている。
この試合のアイスランドもやはりこれまでのドイツの相手と同じスタンス。ドイツは保持で相手のブロックを壊す作業に着手することになる。右SBに本職がもう一列前のホフマンが定着したこともあり、この試合のドイツははっきりと右サイドを押し上げる3バック変形でボールを動かすようになった。
左の大外で幅を取るのはサネ、右はホフマンとややアシンメトリーな形だが、エッセンスとしては前節と大きく変わったわけではない。WGも左で幅を取るサネと右からエリアにゴリゴリ入ってくるグナブリーという関係性は一緒だし、現に先制点は前節のリプレイのような流れであった。
バックラインからの対角パスを積極的に活用するのは前節以上に意識していたドイツ。おそらく、対角の大外にもはっきりと人を置いた分、幅を取りやすくなったというのはあるだろう。前線への飛び出しとしてギュンドアンが奥行きを見せるなど縦の幅を見せてアイスランドを攻め立てる。
アイスランドはおそらく専制守備の様相だったが、1失点目でそのプランは崩壊。難しい戦い方になる。ハイプレスに舵をきったり、ラグビーのように1つずつファウルをもらいながら前に進むなどの地道な陣地回復で反撃を狙っていくが、リュディガーのセットプレーでの追加点はだいぶ重くのしかかったことだろう。
後半もポゼッションから入るドイツ。立ち上がりをハイプレスで入ったアイスランドをいなす。この試合では時間経過とともにサネインサイドに入っての仕事を増やしたのが印象的だった。そのサネが3点目を奪う。得点に関与したという点ではインサイド気味の配置の効果はあったのかもしれない。
以降はWGが縦に速くラインを押し下げる形をメインに攻略を行ったドイツ。浮いたマイナスのスペースでゴレツカがミドルを叩き込み4点目を決める。
何とか反撃したいアイスランドは1点を返そうとミドルを押し込むが、これはオフサイドで認められず。最後までハイプレスを緩めなかったドイツがアイスランドを完封し、予選後半も好スタートを切った。
試合結果
2021.9.8
カタールW杯欧州予選 第6節
アイスランド 0-4 ドイツ
ラウガルタルスヴェルル
【得点者】
GER:4′ グナブリー, 24′ リュディガー, 56′ サネ, 88‘ ヴェルナー
主審:アンドレアス・エックベーク