■10人では不可能
この試合は90分間を通して攻める側と受ける側がはっきりしていた、立ち上がり、左サイドバックのアルサメンディアのオーバーラップから強襲をかけたパラグアイが明らかにこの試合の主導権を握っていた。
パラグアイはボリビアの5-3-2のWBの手前のスペースからの進撃が多く見られた。ここから大外へのサイドチェンジを行い、ボリビアを左右に振りながらゴールに迫っていく。プレミアファンとしてはキャラに反して守備に奔走する機会が多かったアルミロンも代表では自由にプレーしているのが印象的だった。
ボリビアは低い位置からのビルドアップを積極的に行うものの、高い位置からプレスに来るパラグアイに対して前進できる機会は限定的。逆にプレスに行く際は2トップが前に出ていく素振りこそ見せるものの、あっさりとサイドに振られて簡単にラインを下げてしまう現象が目立つ。
限られた攻撃機会からハンドによるPKでボリビアが先制した後も大きな試合の展開は変わらず。パラグアイがビハインドで前半を終えたのが不思議なくらいだった。
さらにボリビアに追い打ちをかけたのが前半終了間際のクエジャルの退場。10人へのスケールダウンに加えて、ボールが集まりやすかったクエジャルがいなくなることでボリビアは前線の預けどころもなくなってしまった。
後半はより一層のパラグアイの攻めが目立つ試合に。10人で4-4-1を組むボリビアに対してパラグアイはより前線に人をかけていく。パラグアイのSHがハーフスペース付近に浮遊し、相手のSBを固定することで大外にスペースを創出。こからどかどかクロスを放り込むやり方でボリビアを追い込む。
深さを作ってのクロスとゴールに向かうアーリークロスのコンボにボリビアが決壊したのは60分過ぎのこと。人は足りているけど跳ね返せない状況では凌ぎきれないのも無理はないだろう。立て続けにクロスの流れからガマラのミドルとロメロの押し込みで逆転すると、3点目は勇気を持って攻めに出たボリビアをカウンターでひっくり返した。
11人でも厳しかった前半の戦い方を見ればボリビアが10人で無理なのは自明。むしろ、60分までGKのコルダノはよくしのいだといっていいだろう。
試合結果
パラグアイ 3-1 ボリビア
エスタディオ・オリンピコ・ペドロ・ルドビコ
【得点者】
PAR:62′ ガマラ, 65′ 80′ ロメロ
BOL:10′(PK) サーベドラ
主審:ディエゴ・ハロ