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「Catch up FIFA World Cup Qatar 2022 European qualifiers」~2021.9.2 カタールW杯 欧州予選 グループJ 第4節 リヒテンシュタイン×ドイツ

■細かな動きでこじ開けた2得点で上々の船出

 ワールドカップ予選では北マケドニアに不覚を取り、EUROではイングランド相手にベスト16で完敗。レーヴからフリッツに渡されたドイツ代表監督のバトンは決して順調なリレーとは言い難いものである。

 そんなフリッツの初戦となったのはリヒテンシュタイン。5-3-2をベースにがっちり守ってくるというプランを持っている対戦相手である。

 ということで保持の主体となるのはドイツ。ミドルゾーンでコンパクトな5-3-2ブロックを築くリヒテンシュタインを攻略する必要がある。

 リヒテンシュタインの守備ブロックはとりあえずドイツのCBにはボールを持たせることに決めていた。CBにボールを持たれようと、陣形のコンパクトさを優先する形である。保持ではロングボールを徹底しながら反撃を狙う。まぁ、こちらは正直ドイツ陣内までボールを運べるような武器とは言えなかったが、そこは力の差ということで仕方がないということだろう。

 ドイツはリヒテンシュタインの2トップの脇から侵入を行う。バックラインからパスをつなぎつつ、ドイツはリヒテンシュタインの中盤の3枚を外す。バックラインは横パスを繰り返しながら3センターを外そうと試みる。リヒテンシュタインの2トップはほぼ動かないので、このレイア―を越えるのはドイツにとっては難しくない。3センターを外すところが最も大事なところ。

 時にはズーレの対角へのパスを駆使しつつラインを下げるアプローチを行う。右にはヴェルナーやハフェルツなどのトップに入る選手たちが流れていたし、左では大外で攻めあがるゴセンスがキーになっていた。大外からラインを下げて、マイナスか裏抜けの形でハーフスペースを使い、エリア内に迫っていく。これがドイツのやり方。

 もちろん、ドイツはブロックの外から攻略の手段も持っている。アーリー気味のクロスやミドルシュートなどあらゆる手段を使いながらリヒテンシュタインのブロックを動かし続ける。

 なので、2トップをどかす→3センターをどかすのステップを踏みながら敵陣に侵入していく形と壁の外からドカドカ放り込む形の二刀流でリヒテンシュタインを追い詰めていく。リヒテンシュタインも時間の経過とともにラインを下げることになっていく。

 しかしながらこれにより、PA内に15人くらいひしめき合う状態の攻略に挑まなくてはいけなくなってしまうドイツ。細かいスペースでパスがつながり、ズレを作らなければチャンスにならない。その決め手になったのがヴェルナー。縦にうまくボールを引き出して、狭いスペースを見事こじ開けて先制点を生み出して見せた。

 実質、この1点でリヒテンシュタインは詰みだっただろう。0-0はあり得ても、1-1は見えてこないのがリヒテンシュタインの戦い方。そしてその流れは試合の後半になっても変わることはなかった。

 ドイツは後半は一層大外からラインを押し下げて、リヒテンシュタインを自陣に釘付けにすることを大事にしていた。その流れが顕著になったのは右サイドにホフマンが投入されてから。大外を駆け上がるホフマンのフリーランはリヒテンシュタインの大外をえぐる頻度はより高まっていく。

 リヒテンシュタインは左右のスライドを懸命にこなしており、エリア内に人数を揃えることを徹底していた分、大量失点の恐れは低かった。だが、その分リヒテンシュタインの得点の可能性も低かった。

 それでも1-0ならば何が起こるのかわからないのがサッカー。そんな一縷の望みを打ち砕いたのがサネ。エリア内で相手を剥がす細かな動きで試合を決定づける追加点をゲット。

 相手が相手ということで測りかねる部分はある。だが、ひとまずフリッツの初陣は順調な滑り出しといっていいものになったといえるだろう。

試合結果
2021.9.2
カタールW杯欧州予選 第4節
リヒテンシュタイン 0-2 ドイツ
AFGアレナ
【得点者】
GER:41‘ ヴェルナー, 77’ サネ
主審:ファビオ・ベリッシモ

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