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「Catch up UEFA Nations League」~UEFA Nations League Group A2 第4節 スペイン×チェコ~ 2022.6.12

■相手に流れかけた主導権を取り返したのは・・・

 この9月シリーズで2回目の対戦となるチェコとスペイン。前回対戦はチェコのホームでスペインが土壇場で追いついてみせた試合。あれから1週間で再戦が組まれるスケジュールである。ネーションズリーグはなかなかに狂っている。

 前回同様に3-4-3の陣形で戦うことになったチェコ。ホームでは撤退第一の5-4-1気味の形で相手を迎え撃ったが、今節は高い位置から捕まえに行く積極的なプレッシングを見せる。

 シャドーのチェルニーとペセクがCBに、トップのクフタがアンカーのロドリを監視する形。他の選手も目の前の相手をマンマーク気味でつぶしていくオールコートマンツーの様相だった。

 当然スペインはこうしたやり方は想定内。解決策をいくつか用意する。IHの列落ちで1stプレスラインの横を取るのとかはもうお馴染みではあるが、いくつか目新しいものもあった。1つは大きく移動するカルバハル。中央に移動するカルバハルに対してチェコは対面のゼレニーがどこまでついていくかの判断に悩むことになる。

 その牽制となったのがもう1つの解決策であるアセンシオへのロングボール。大外でタメを作れるアセンシオにボールを預けてIHがこれを追い越す形で厚みを加える。同サイドへのロングボールがあるとなると、ゼレニーはなかなかカルバハルを捕まえることだけに集中できない。というわけで内に入ったカルバハルは比較的フリーになることができていた。

 しかしながら、ここからアタッキングサードまでの加速ができないスペイン。この試合の初めての決定機はチェコ。クフタのハイラインの抜け出しから一発でゴールまで向かう。4バックにスライドする形でゆっくり保持を行う場面もあったチェコだが、前回対戦同様に裏に抜ける動きからはクリティカルなチャンスが生まれる。

 だが、先制点を奪ったのはスペイン。縦パスを受けたコケが加速し、アセンシオがタメを作って最後に飛びこんだのはソレル。コンパクトな中央だが、加速するチャンスがあれば逃さないというスペインのしたたかさが詰まっていた。

 先制点を境にペースは大きくスペインに。チェコはボールを奪いたくても奪えない状況が続く。

 後半、試合は攻守の切り替えが少ない展開に。ゆったりとボールを持つスペインに対して、チェコもゆったりとボールを持つ形で対抗。降りてくる選手にボールを当てて、サイドに逃がす形から押し下げる機会を得ることが出来た。

 スペインはロングボールでモラタやオルモにボールを預けるなど、前半よりはアバウトな展開が増えてきていた。ペースはややフラットになっていたが、主導権を引き戻したのは交代で入ったガビだ。

 ライン間に入り込み、力強く持ち出すドリブルは一級品。ゲームチェンジャーとしてチェコの守備網を切り裂いた。そして、追加点もガビから。ボールを前に進めて、サラビアの追加点をおぜん立てして見せる。

 相手に行きかけたリズムを引き戻したのは明らかにガビ。試合の流れを一変させたガビの活躍でスペインがチェコの追撃を振り切る完勝を決めた。

試合結果
2022.6.12
UEFAネーションズリーグ
グループA2 第4節
スペイン 2-0 チェコ
エスタディオ・ラ・ロサレダ
【得点者】
ESP:24‘ ソレール,75’ サラビア
主審:ジュネイト・チャキル

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