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「Catch up J1 League」~2022.5.7 J1 第12節 アビスパ福岡×湘南ベルマーレ ハイライト

■10人の沼に絡め取られた福岡

 GWでやや日程が詰まっていることもあり、ターンオーバーに踏み切った長谷部監督。一番のポイントになりそうなのはロングボールの的になっていたファンマに代わってルキアンが入ったことである。前進においては彼へのロングボールに頼る部分が大きかった福岡は彼がいなくても同じようなスタンスで臨むのかどうかがこの試合のポイントになる。

 結論から言えば、ルキアンだろうと福岡は前線にロングボールを入れることが分かった。ただ、ロングボールによって攻撃を行うというよりはロングボールによって敵陣に押し込んだところからプレッシングをスタートさせてのショートカウンターで攻め込もうという算段が強かった。今季の福岡はプレスの意識が高い。

 となると湘南はこの福岡のプレスをかわせるかどうかがポイントになる。主に左サイドにおいて湘南は福岡のプレスに見事に対抗していたといっていいだろう。特に大きな働きをしたのがタリク。ボールを受けて目の前の選手を動かしてリリースしてまた受けなおすという一連の動きがスムーズ。湘南のカウンターの旗手になっていた。

 基本的にはショートパスに重きを置いていた湘南だったが、ウェリントンというターゲットもいるため、ロングボールもいとわない。フィニッシュの局面においては左右のWBを使ったクロスが主体。ただ、前線にタメを作るのが得意な選手がいないので、福岡のようにハイプレスで食いついてくれた状況は剥がして直線的にゴールに向かう方が向いているように思う。

 福岡は中盤のフィルターが厚く、相手にとっては超えるのが難しい壁になっている。しかし、湘南は少ないタッチで相手を剥がすことのはやたらうまく、割ときれいに中盤を越えて敵陣に向かう場面もあった。

 対する福岡も2トップの馬力でチャンスメイクを行う。試合は切り替えが早く、コンタクトが多いタフな展開になった。

 そんな状況においてババを引いたのは湘南の瀬川。激しいチャージが2枚目の警告を呼び、前半のうちに湘南は10人になる。

 どちらかといえば前半は湘南ペースだったが、数的不利な関係もあり、後半は福岡が攻め込むように。湘南は選手交代で4-4-1にシフトしてロングボールを入れるという割り切った戦い方に打って出た。

 よって、福岡にとってはこのブロックを攻略することが命題となる。数の論理でいえば問題なく攻め込むことができる福岡だが、持たされた際のスムーズさは湘南の方が上といっていいだろう。ボールを動かしながら左右にピッチを広げるところで手間取ってしまい、福岡はなかなかチャンスを作ることができない。

 切り札のファンマも不発。余計なオフサイドに引っかかりチームの攻撃の流れを止める場面もあり、彼を中心とした攻撃で福岡は思ったよりも10人の湘南を丸め込めない。

 10人の湘南はやたら相手をイラつかせるのもうまく、こうした時の試合運びは慣れている感じ。永木はさすがである。終盤はやたらイライラする場面が目立った福岡。0-0でOKという湘南の沼に絡めとられた福岡は最後まで数的有利を活かすことができなかった。

試合結果
2022.5.7
J1 第12節
アビスパ福岡 0-0 湘南ベルマーレ
ベスト電器スタジアム
主審:山本雄大

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