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「Catch up J1 League」~2022.5.3 J1 第11節 アビスパ福岡×FC東京 ハイライト

■プレスとゴール前の精度で完勝

 前節、ようやく勝ち星を掴んだ福岡が今節対戦するのはFC東京。ルヴァンカップではすでに今季1回対戦しており、この時は田中達也のゴールで福岡が勝利を収めている。

 立ち上がり、いきなり先制したのは福岡。セットプレーからのわちゃわちゃで最後は宮が押し込んで見せた。ゴールの判定が正式に決まるまでは時間がかかったが、無事に得点は認められて試合は早々に動く。FC東京としては長友がボールをブロックした時にスウォヴィクが処理するチャンスを逃してしまったのが痛恨だった。

 取り返したいFC東京だが、この日はスクランブルな構成となったバックラインが難しい状況に直面。一番苦しんだのは小川。左のCBからの供給は福岡のプレッシングに引っかかり続け、ショートカウンターの餌食に合ってしまう。

プレスがハマると見るや一気に圧力をかけてくる福岡。山岸、クルークス、奈良、前嶋など右サイドは全体的に高い位置までラインを上げることでFC東京の左サイドのビルドアップを封じていた。

 仮にFC東京がラインを越えたとしても、中盤とFWが挟みながらスペースを圧縮してくるのが福岡の厄介なところ。4-4-2の強固さを決める一端はラインを越えられたFWの振る舞い次第だと思っているのだけども、福岡はその点でファンマと山岸がパーフェクトな働きをしたといっていいだろう。

 青木がサリーしてCBの横幅を取ることで徐々にFC東京は保持を落ち着いてできるように。福岡の保持に対してはプレスをかけながらミスを誘発するが、とりあえずファンマに当てて逃げるという選択肢がある以上は、なかなかプレスの効果が見られなかった。

 しかし、そんな福岡にミスが出る。バックパスをプレゼントしてしまったのは志知。これをかっさらった松木が村上との1対1を制してプロ初ゴール。FC東京が前半のうちに同点に追いつく。

 主導権を手放してしまった時間帯が続いた福岡だったが、38分に勝ち越し。ファンマへのロングボールを拾った山岸が4人の相手に囲まれながらも強引にフィニッシュ。FC東京は人数が集まった以上の効果を守備で見せることができなかった。

 後半はさらに福岡の独壇場に。HTで交代で入った田中達也が左サイドをえぐると、それに合わせたのはこちらもHT
に投入されたルキアン。ルキアンにとってはうれしいリーグ戦初ゴールである。

 得点をガソリンに再びプレスのスイッチを入れた福岡はここから畳みかける。カウンターから2つ同じ様な形で追加点。4点目は山岸が、5点目がルキアンがそれぞれ小川と青木を引きちぎり、終わってみれば大量5得点だった。

 FC東京としては失点の数以上に課題が残る内容だったといっていいだろう。被カウンター時の強度はこの日の陣容であれば目をつぶらなければいけない(レギュラーメンバーでもハイラインへの対応がどこまで可能かというのは課題ではある)が、ボール保持でプレスを脱出する精度の低さ、そしてボール保持で脱出できた後の攻撃のアバウトさは気になるところ。擬似カウンターのような設計だったのだろうけど、この日は前線の連携がことごとくハマらなかった。重ねた失点以上に重たいのは保持における見通しの方ではなかっただろうか。

試合結果
2022.5.3
J1 第11節
アビスパ福岡 5-1 FC東京
ベスト電器スタジアム
【得点者】
福岡:3′ 宮大樹, 39′ 62′ 山岸祐也, 48′ 72′ ルキアン
FC東京:24′ 松木玖生
主審:小屋幸栄

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