■サイドを殴る精度でドロー沼脱出
4試合連続引き分けというドロー沼にハマりつつある清水。負けはしないけども、勝ち切れないという状況ではあるが、負傷者は続々と戻ってきていることもあり、前を向ける心境になっている。対戦相手は下位に沈んでいる湘南。勝利を手にして互いにジャンプアップしたいカードである。
立ち上がりから両チームとも積極的な刺し合いが繰り広げられた試合だった。どちらかといえば優勢になっているのはホームの湘南。中央のFWにボールを当てるポストプレーから、左右に大きくボールを振りながら薄いサイドを作り、そこからクロスを上げて勝負にいく。ワイドのCBから清水のSHを動かしながら1枚どかしつつ！という後方の3バックからの数的優位を活用したビルドアップからボールを動かすこともできていた。
しかしながら、多くの人数を攻撃にかけている分、湘南はやりかえしを食らうこともある。清水はロングカウンターの馬力は十分にあるチーム。特にこの日は湘南のWBの裏からのカウンターが冴えていた。主役となったのは中山。同サイドの杉岡を置いていきながら、一気に抜き去る形を作り、フィニッシュに絡むチャンスを作る。先制点もまさしく中山が杉岡に完勝した形だった。
湘南はライン間のスペース管理も甘く、縦にパスを刺すことができる清水との相性も悪い。湘南は終始攻め続けるスタンスを崩してはいなかったが、清水に差し返されるパターンの方が多く、清水は攻撃を受けながらもカウンターで収支をプラスにしていた。
CKからのセットプレー、鈴木を起点としたカウンターなど立て続けに得点を奪った清水。前半で3点差をつけて実質試合を決めてしまった。
後半、湘南は選手交代で更なるペースアップ。差し違える覚悟からさらに攻勢を強めていく。50分に大岩が1点を返して反撃ムードを作る。しかし、この試合の湘南は攻撃をしている時は攻撃を喰らうときでもある。カウンターから清水の反撃を受けつつ進撃している湘南だったが、59分に鈴木義宜が混戦から追加点を奪い、点差は振り出しに戻る。
以降は4バックにシフトしながらさらにクロスから敵陣に迫る機会自体は掴むことができた湘南。しかしながら20本以上のシュートも更なるゴールを湘南が決めることができず。清水がドロー沼をストップする大量得点で久しぶりの勝利を手にすることに成功した。
試合結果
2022.4.29
J1 第11節
湘南ベルマーレ 1-4 清水エスパルス
レモンガススタジアム平塚
【得点者】
湘南:50′ 大岩一貴
清水:32′ 中山克広, 36′ 鈴木唯人, 38′ 白崎凌兵, 59′ 鈴木義宜
主審:上田益也