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「Catch up Premier League」~2022.4.28 プレミアリーグ 第37節 マンチェスター・ユナイテッド×チェルシー ハイライト

■支配的なチェルシーだったが…

 FA杯の決勝開催の影響で37節唯一の先行開催となったこのカード。立ち上がりから主導権を握ったのはアウェイのチェルシーだった。攻めの主体になったのはWBのところ。ユナイテッドのSHの戻りが遅いことを利用し、高い位置をとるWBがフリーでボールを持ち上がることができていた。

 ユナイテッドはCHがスライドして対応するが、2枚で横幅をカバーするのは非常に難しく、十分にサイドを防ぐことができているとはいい難い。高い位置をとって良さが出るマルコス・アロンソとスペースを与えればボールを運ぶことができるリュディガーの2人がいるチェルシーの左サイドも、ジェームズが大外からも内側からも仕上げに向かうことができる右サイドもユナイテッドは守るのに苦労していた。

 ユナイテッドはそもそもの方針が読み取りにくかった。特に中途半端なのがSHの2人のポジショニング。特にラッシュフォードの動きが不安定だった。前残りするのならば、残しておけばいいのだけども、ふらふらと遅れて戻ってくる形の繰り返し。何がしたいのかがよくわからない。どうせ戻るならば素早くリトリートしてほしいし、前に残ってカウンターで刺す役割に専念するなら守備の不利を承知でそのリスクを受け入れるべきのように思うのだけど。

 いずれにしても定点から攻める形を作るという点ではチェルシーに大きく遅れをとっているのは確か。それだけにトランジッションの局面では上回りたかったユナイテッドだったが、その部分でも優位を取れたといえるかは怪しい。早い展開においてはCHがカンテに置いていかれる場面が目立ち、むしろ苦しい状況になることが多かった。

 それでもチェルシーがなかなか先手を奪えなかったのはひとえにデ・ヘアのお陰である。彼のセービングがチェルシーに立ちはだかったおかげで、ユナイテッドは前半をスコアレスで終えることができたと言っても過言ではない。

 後半は縦に早い展開の応酬でスタート。チェルシーペースだった前半に比べればペースはフラットに。これはチェルシーの前線は早い展開における仕上げが思ったよりも拙かったことが原因として挙げられる。特にここ数試合はハフェルツが精彩を欠いているのが気がかり。展開も相手も選ばず輝くことができていた今季だったが、最終盤にプレー精度を欠いて試合中に無駄にイライラする場面が増えている。

 それでも後半開始から10分経てば再びチェルシーのペースに。そしてようやく先制点に辿り着く。空いていたサイドからジェームズがクロスを上げて逆サイドのアロンソまで展開に成功し先手を奪う。

 しかし、ユナイテッドもすぐさま反撃。わずかに猶予をもらったマティッチが浮き玉でラストパスをロナウドに送ると、これを豪快に沈めてわずか2分で試合を引き戻す。

 追いつかれたものの依然主導権を握っているチェルシーはルカクとプリシッチというウェストハム戦で勝利に貢献した選手たちをセットで投入する。ユナイテッドは5-2-3で噛み合わせる形で撤退するが、最終ラインを増やした分、ラインの乱れがかえって目立ってしまい、ブロックが強固になったかと言われると微妙なところ。

 だが、チェルシーも終盤に強度を上げきれず、攻撃の回数を十分に担保することができない。試合は終始支配したチェルシーだったが、3ポイントを呼び込むための2点目を奪うことができず。優勢を勝利に結びつける一撃は最後まで決めることができなかった。

試合結果
2022.4.28
プレミアリーグ 第37節
マンチェスター・ユナイテッド 1-1 チェルシー
オールド・トラフォード
【得点者】
Man Utd:62′ ロナウド
CHE:60′ アロンソ
主審:マイク・ディーン

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